二世帯住宅のテレビアンテナは、多くの家では1本(地デジ1基、BS・CSも見るなら衛星アンテナ1基)を分配すれば足ります。親世帯と子世帯でテレビの台数が多い場合は、分配器で電波を分けたうえで、必要に応じてブースターで電波を強めるのが一般的な形です。
アンテナを世帯ごとに2本立てるのは、建物が別棟で配線をつなぎにくい場合や、どちらか一方の世帯が故障しても困らないようにしたい場合などに限られます。迷ったときは、テレビ端子の合計数、建物のつくり(完全分離か一部共用か)、電波の強さの3つで決めると判断しやすくなります。
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二世帯住宅のテレビアンテナは1本で足りる?
テレビアンテナは、受け取った電波を分配器で分ければ複数のテレビに届けられます。1つの建物の中で親世帯と子世帯が暮らす二世帯住宅でも、仕組みは普通の戸建てと同じで、テレビの台数が増えるぶん分配する数が多くなるだけです。
アンテナの数より「分配する数」が大事
分配器は電波を均等に分ける部品なので、分ける数が増えるほど1か所あたりに届く電波は弱くなります。メーカーの仕様表では、地デジの周波数帯で2分配ならおよそ4dB、4分配ならおよそ8dB、8分配ならおよそ12dBほど弱くなるのが目安です(製品によって数値は異なります)。二世帯住宅では端子が6〜10か所になることも珍しくないため、アンテナの本数より、分配したあとに各部屋へ十分な電波が届くかどうかを先に考えるのがポイントです。
電波が足りなければブースターで補う
分配で弱くなった電波は、ブースター(増幅器)で強めて補うのが一般的です。電波の強い地域で端子が少なければブースターなしで映ることもありますが、端子が多い二世帯住宅では、ブースターを入れる前提で配線を考えておくと安心です。
実際にどれくらいの電波が届いているかは、アンテナを立てる場所で測ってみないと分かりません。建て替えや新築の計画中でも、アンテナ工事業者に電波の状態を見てもらうと、1本で足りるか、ブースターが要るかがはっきりします。
※工事後のチャンネル設定まで対応
アンテナ1本で分配する場合と2本立てる場合の違い
二世帯住宅でアンテナを1本にするか2本にするかは、費用だけでなく、故障したときの影響や建物のつくりでも変わります。違いを表にまとめました。
| 比べること | 1本を分配して両世帯で使う | 世帯ごとに2本立てる |
|---|---|---|
| 工事の費用 | アンテナ本体と取り付けが1回分で済む。分配器やブースターの費用が加わる | アンテナ本体と取り付けが2回分かかる |
| 電波の強さ | 分配する数が多いと弱くなり、ブースターが必要になりやすい | 世帯ごとの分配数が少ないぶん、電波に余裕を持たせやすい |
| 故障したとき | アンテナやブースターが壊れると両世帯とも映らなくなる | 片方が壊れても、もう片方の世帯は見られる |
| 屋根や外壁の見た目 | アンテナが1つなのですっきりする | アンテナが2つ並ぶ。設置場所の確保も必要 |
| 向いている家 | 1つの建物で配線をつなげられる家。多くの二世帯住宅はこちら | 別棟の家、配線を世帯ごとに完全に分けたい家 |
同じ建物で暮らすなら、まずは1本を分配する形で考え、電波や建物の事情で難しい場合に2本を検討する、という順番で考えると無駄が出にくくなります。
建物のつくり別に考えるアンテナと配線
二世帯住宅には、玄関や水回りまで分ける完全分離型、玄関だけ共用する一部共用型、ほとんどを共用する完全同居型などがあります。つくりによって、配線をどこでまとめるかが変わります。
完全同居型・一部共用型の場合
生活空間がつながっている家では、普通の戸建てと同じように、アンテナ1本から分配器で各部屋の端子へ配線する形が基本です。分配器は屋根裏や天井の点検口の中など、どちらの世帯からも点検しやすい場所にまとめておくと、故障したときに調べやすくなります。
完全分離型の場合
上下階や左右で住まいを完全に分ける家でも、建物が1つなら、アンテナ1本から世帯ごとに分配器を分けて配線する方法がよく使われます。たとえば、アンテナのすぐ下で2つに分け、それぞれの世帯の分配器から各部屋へ配線する形です。こうしておくと、片方の世帯の部屋で配線の不具合が起きても、もう片方への影響を抑えやすくなります。
別棟の場合
同じ敷地に親世帯と子世帯の建物が別々に建っている場合は、建物の間にケーブルを通す工事が必要になります。距離が長いとケーブルの中で電波が弱くなるうえ、地中や屋外にケーブルを通す手間もかかるため、建物ごとにアンテナを立てたほうが簡単なこともあります。どちらが安く済むかは建物の距離や配線のルートで変わるので、現地を見てもらって比べるのが確実です。
二世帯住宅で決めておきたいテレビ端子と配線
新築や建て替えで二世帯住宅を建てるなら、テレビの配線は壁や天井をふさぐ前に決めておくのが基本です。完成後に端子を足すと、壁の中を通す工事や露出配線が必要になり、費用もかかります。
両世帯の端子の数を合計して考える
親世帯のリビングと寝室、子世帯のリビングと寝室、子ども部屋など、両世帯の端子を合計すると思ったより多くなります。将来テレビを置くかもしれない部屋も含めて数を決め、その合計に合った分配器を選ぶことで、ブースターが要るかどうかも見えてきます。分配器は使う数より1つ多い端子のものを選ぶことがありますが、使わない出力端子にはダミー抵抗(終端抵抗)を付けておくのが基本です。
ブースターの電源部の置き場所を決める
ブースターは電源部から電気を送って動かすため、電源部を置く場所の近くにコンセントが必要です。二世帯住宅では、どちらの世帯の部屋に電源部を置くかも決めておきましょう。電源部のコンセントが抜けると両世帯とも映らなくなるので、うっかり抜かれにくい収納の中などに置くと安心です。新築の配線で決めること全体は新築のアンテナ配線は何を決める?テレビ端子と空配管で後悔しないコツにまとめています。
BS・CSを見るなら4K8K対応の部材にする
BS・CSの新4K8K衛星放送のうち、左旋という方式の放送は従来より高い周波数を使うため、分配器やブースター、テレビ端子なども対応した部材にする必要があります。分配数が多い二世帯住宅は、高い周波数ほど分配で電波が弱くなりやすいので、BS・CSを見る予定があるなら部材の対応を最初に確認しておきましょう。
完成している家に端子を足す場合
今の家を二世帯で使うことになり、あとから端子を増やす場合は、分配器の交換と端子の増設が必要になります。壁の中に配線を通せるかどうかで費用が変わるため、見積もりの前に、どの部屋に端子が欲しいかを両世帯で決めておくと話が早く進みます。工事の方法や費用はテレビ端子の増設費用はいくら?隠蔽配線・露出配線の違いと注意点で紹介しています。
二世帯住宅のアンテナ工事の費用相場
下の表は、アンテナ工事業者や工事費用の情報サイトなど複数の情報をもとにした一般的な目安です。実際の金額は電波の状態や建物の形、業者によって変わるため、見積もりで確認してください。
| 工事の内容 | 費用の目安(本体・工事費込み) |
|---|---|
| 八木式アンテナの設置(地デジのみ) | 15,000円〜50,000円程度 |
| デザインアンテナの設置(地デジのみ) | 20,000円〜60,000円程度 |
| BS・CSアンテナの追加設置 | 15,000円〜40,000円程度 |
| 地デジとBS・CSのセット設置 | 30,000円〜110,000円程度 |
| ブースターの設置(本体と電源部) | 15,000円〜45,000円程度 |
| 分配器の追加・交換 | 5,000円〜25,000円程度 |
| 完成後のテレビ端子の増設(1か所・壁の中を通す場合) | 10,000円〜30,000円程度 |
1本と2本でどれくらい変わるか
アンテナを世帯ごとに2本立てる場合は、アンテナ本体と取り付けの費用がほぼ2回分かかります。1本を分配する場合はアンテナの費用は1回分で済み、分配器やブースターの費用が加わる形です。端子が多くてもブースター1台で足りることが多いため、同じ建物なら1本を分配するほうが総額は抑えやすい傾向があります。ただし、別棟で建物の間に長いケーブルを通す場合は、配線工事の費用で差が縮まることもあります。
費用の分担は先に話し合っておく
1本を両世帯で使う場合、工事費やのちの修理費をどちらが負担するかで迷うことがあります。工事の前に分担を決めておくと、故障したときの修理の依頼もスムーズです。なお、NHKの受信料は世帯ごとの契約が基本ですが、二世帯住宅の扱いは生計を共にしているかどうかなどで変わるとされているため、NHKの案内で確認してください。
二世帯住宅のアンテナ工事を相談しやすいアンテナ工事業者
二世帯住宅のように端子の数が多い家は、電波の測定と分配・ブースターの設計まで含めて見てもらえる業者に相談すると安心です。どの業者も見積もりを取ってから頼むかどうかを決められます。
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街角アンテナ工事相談所は、群馬県・埼玉県北部・東北・北海道・北陸・九州・沖縄などは対象外です。
二世帯住宅でアンテナを共用するときの注意点
故障すると両世帯とも映らなくなる
1本のアンテナを共用すると、アンテナやブースター、最初の分配器が故障したときに両世帯のテレビがまとめて映らなくなります。片方の世帯の一部の部屋だけ映らない場合は、その先の分配器や配線、端子に原因があることが多いので、どこまで映っているかを確かめてから業者に伝えると話が早く進みます。分配器の故障の見分け方は分配器の故障の症状とは?一部の部屋だけ映らない原因と交換費用で紹介しています。
配線図や機器の場所を両世帯で共有する
分配器やブースターの電源部がどこにあるかを知っているのが片方の世帯だけだと、トラブルのときに困ります。工事のあとに配線のルートや機器の場所を聞いておき、両世帯で分かるようにしておくと安心です。
テレビを増やすときは分配数を見直す
あとから子世帯の部屋にテレビを足したり、親世帯の寝室にテレビを置いたりすると、分配する数が増えて電波が足りなくなることがあります。テレビを増やしたら一部の部屋だけ映りが悪くなったという場合は、分配器やブースターの見直しが必要なサインです。
まとめ
二世帯住宅のテレビアンテナは、同じ建物なら1本を分配して両世帯で使う形が基本です。端子の数が多くなるぶん電波が弱くなりやすいので、分配とブースターまで含めて計画しておくことが大切です。
- アンテナの本数より、両世帯の端子を合計した分配数で考える
- 分配で電波が足りなくなるなら、ブースターで補う
- 完全分離型は世帯ごとに分配器を分け、別棟ならアンテナを2本にする方法も比べる
- 新築や建て替えでは、壁をふさぐ前に端子の場所とブースターの電源部の位置を決める
- 1本を共用するなら、工事費や修理費の分担と、機器の場所を両世帯で共有しておく
1本で足りるか、ブースターが必要かは、電波の状態と端子の数で決まります。見積もりと現地調査が無料の業者に相談して、二世帯の暮らしに合ったアンテナと配線を決めましょう。
※見積もりだけでもOK








