結論から言うと、デザインアンテナは条件が合えば自分で設置できます。目安は、電波が強い地域で、ベランダの手すりや1階の外壁など足場なしで手が届く場所に付けられる場合です。2階の外壁への取り付けや壁の穴あけが必要な場合は、転落や雨漏りのおそれがあるので業者に任せるほうが安全です。
自分で付けるときにかかるのは、アンテナ本体の1万〜3万円程度とケーブルなどの部材代です。業者に頼むと本体と工事費込みで2万〜6万円程度が目安になります。差額だけで決めず、取り付ける高さと電波の強さを先に確かめましょう。
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デザインアンテナを自分で設置できる家とできない家
デザインアンテナは、板のような平面型の地デジ用アンテナです。屋根の上に立てる八木式アンテナと違い、外壁やベランダに付けるので、自分で付けられそうに見えます。ただし、実際に自分で付けられるかどうかは、付ける場所の高さと、家に届く電波の強さで決まります。
| 確認すること | 自分で付けやすい | 業者に頼むほうがよい |
|---|---|---|
| 付ける場所 | ベランダの手すり・1階の外壁 | 2階以上の外壁・屋根の近く |
| 作業の高さ | 足元が安定した場所から手が届く | はしごや足場が必要 |
| 電波の強さ | 送信所に近い強電界地域 | 送信所から遠い・周りに高い建物がある |
| 配線 | 窓のすき間用ケーブルや既存の配管が使える | 外壁に新しく穴をあける必要がある |
| テレビの台数 | 1〜2台 | 3台以上でブースターが要る |
電波が強い地域であることが前提
デザインアンテナは八木式より低い位置に付けることが多く、受信できる電波は八木式より弱くなりがちです。そのため、メーカーの製品も「強電界地域用」「強・中電界地域用」と案内されているものが中心です。送信所から遠い地域や、送信所の方向に高い建物がある家では、自分で付けても映りが安定しないことがあります。
はしごが必要な高さなら無理をしない
2階の外壁にデザインアンテナを付けるには、はしごや足場の上で、重さ1〜2kg前後のアンテナを支えながらボルトを締める作業になります。片手がふさがった状態での高所作業は、転落の危険があります。足元が安定したベランダの中から手が届く範囲に限るのが、自分で付けるときの目安です。
アンテナ工事全般を自分でやる場合の考え方はテレビアンテナ工事は自分でできる?メリットとデメリットや設置手順を解説にまとめています。
自分で設置するときに用意するもの
デザインアンテナの本体には、取付金具やボルトが付属している製品が多くあります。付属品は型番ごとに違うので、購入前に取扱説明書や製品情報で確かめてください。本体のほかに用意するものは、次のとおりです。
| 用意するもの | 用途 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| デザインアンテナ本体 | 地デジの電波を受ける | 10,000円〜30,000円程度(ブースター内蔵型は高め) |
| 同軸ケーブル | アンテナから家の中へ電波を送る | 長さにより1,000円〜5,000円程度 |
| F型接栓・防水キャップ | ケーブルの先をアンテナにつなぐ | 数百円程度(付属する製品もある) |
| すき間用ケーブル | 窓やサッシのすき間から配線する | 1,000円〜3,000円程度 |
| スパナ・ドライバー | 金具の固定 | 手持ちの工具で足りることが多い |
アンテナは偏波と性能を地域に合わせて選ぶ
地デジの電波には、水平に振動する「水平偏波」と、垂直に振動する「垂直偏波」があります。東京スカイツリーなどの大きな送信所は水平偏波が多いですが、地域の中継局には垂直偏波のところもあります。デザインアンテナにも水平偏波専用や垂直偏波専用の型番があるので、自分の家が受ける送信所や中継局に合ったものを選びます。性能は「20素子相当」「26素子相当」のように表示されていて、数字が大きいほど弱い電波を受けやすくなります。
ケーブルは4K8K対応の太さを選んでおく
地デジだけなら古いケーブルでも映ることが多いですが、あとからBS・CSアンテナを足すことも考えると、4K8K対応と書かれた同軸ケーブルを選んでおくと安心です。屋外で使うので、屋外用で紫外線に強いものを選びます。
デザインアンテナを自分で取り付ける手順
取り付けの流れは、どのメーカーの製品でも大きくは変わりません。細かい部分は製品の取扱説明書に従ってください。
1. 送信所の方向と付ける場所を決める
まず、近くの地デジ送信所や中継局がどの方向にあるかを調べます。近所の家の八木式アンテナが向いている方向も参考になります。その方向に向いた外壁やベランダのうち、隣の家や木にさえぎられにくい、なるべく高い場所を候補にします。
2. 仮に置いて電波の強さを確かめる
本体を固定する前に、候補の場所でアンテナを手で持つか仮に置き、ケーブルでテレビにつないで、テレビの設定画面にあるアンテナレベル(受信強度)を確認します。いくつかの場所と向きで試して、数値が一番高く安定するところを探します。この段階で十分なレベルが出ない場合は、その家は自分で付けるのに向いていません。
3. 取付金具を固定する
ベランダの手すりやマスト(支柱)に付ける場合は、付属の金具やバンドで挟んで固定します。外壁に付ける場合は、金具をビスで壁に留めることになり、壁に穴があきます。外壁の材料や下地によってはビスが効かないこともあるので、穴をあける前に下地を確かめます。
4. 本体を取り付けて向きを合わせる
金具に本体を取り付け、アンテナレベルを見ながら左右の向きを少しずつ調整します。デザインアンテナは向きの影響を受けやすいので、数度動かすだけでレベルが変わることがあります。一番高い位置で止めたら、ボルトをしっかり締めて固定します。
5. ケーブルをつないで家の中へ引き込む
F型接栓でケーブルをアンテナにつなぎ、接続部に防水キャップをかぶせます。ケーブルは外壁に沿わせて固定し、窓のすき間用ケーブルや既存の配管を使って家の中へ引き込みます。ケーブルの途中に雨水がたまらないよう、引き込み口の手前で一度下にたるませておくと、水が中へ伝わりにくくなります。
6. テレビでチャンネルを設定する
テレビにつないだら、チャンネルの初期スキャン(再スキャン)を行い、すべてのチャンネルが映るか確かめます。時間帯や天気によって映りが変わることもあるので、数日は様子を見ます。
自分で付けるときに失敗しやすいポイント
自分で付けたデザインアンテナが映らない、しばらくして映らなくなった、というときは、次のような原因が多く見られます。
偏波や向きが合っていない
水平偏波用のアンテナで垂直偏波の中継局を受けようとしている、送信所とは違う方向に向けている、といった場合は、レベルが出なかったり一部のチャンネルだけ映らなかったりします。付ける前に、自分の地域の送信所や中継局の偏波を確かめておきましょう。
外壁の穴から雨水が入る
外壁にビスを打った穴や、ケーブルを通すためにあけた穴は、防水処理が不十分だと雨水が壁の中に入るおそれがあります。すぐには気づきにくく、時間がたってから壁の内側が傷むこともあります。新築の家では、外壁に穴をあけると住宅会社の保証の扱いが変わる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。外壁に付けるときの注意点はテレビアンテナを外壁に付けても大丈夫?穴・雨漏りの注意点と費用も参考にしてください。
ブースター内蔵型の電源を入れ忘れる
ブースター内蔵型のデザインアンテナは、家の中に置く電源部から電気を送って動きます。電源部をつながずにテレビへ直結すると、アンテナが働かず映りません。電源部の位置と配線のつなぎ方は、取扱説明書で確かめてください。
強風でアンテナの向きがずれる
デザインアンテナは平らな面で風を受けるため、固定が弱いと強風で向きがずれたり、金具がゆるんだりします。取り付けてからしばらくして映りが悪くなった場合は、ボルトのゆるみや向きのずれを確認します。高い場所なら、確認も業者に頼むほうが安全です。
業者に頼む場合の費用と自分で付ける場合の比較
下の表は、アンテナメーカーの製品の価格帯や、工事の比較サイト・業者の料金案内など複数の情報をもとにした一般的な目安です。家の電波の状況や設置場所、配線の長さ、業者によって金額は変わります。
| 比べる点 | 自分で付ける | 業者に頼む |
|---|---|---|
| 費用の目安 | 本体と部材で12,000円〜35,000円程度 | 本体と工事費込みで20,000円〜60,000円程度 |
| 電波の測定 | テレビのアンテナレベルで見る | 測定器で場所と向きを細かく調べる |
| 高所作業 | 手が届く範囲に限られる | 2階の外壁なども対応できる |
| 壁の穴と防水 | 自分で処理する | 業者が処理する |
| 映らなかったとき | 自分で原因を探す | 保証の範囲で直してもらえることが多い |
自分で付けて節約できるのは主に工事費の部分です。ただし、付けたあとに映らなかったり、場所を変えるために壁に新しい穴をあけたりすると、結局業者に頼むことになり、かえって費用がかさむこともあります。2階の外壁に付けたい、電波が弱めの地域かもしれない、という場合は、まず見積もりで電波を測ってもらい、総額を見てから決めるのがおすすめです。
デザインアンテナそのものの弱点や、選ぶ前に知っておきたい点はデザインアンテナのデメリットとは?後悔しない選び方と費用相場にまとめています。
※工事後のチャンネル設定まで対応
デザインアンテナの設置でよくある質問
デザインアンテナを屋根裏や室内に置いてもいいですか?
屋根裏や窓際でも映る家はあります。ただし、屋根や壁の材料によっては電波が弱くなり、特に金属の屋根や断熱材にアルミ箔を使った家では受信しにくくなります。屋外に付ける前に、まず屋根裏や窓際で試してアンテナレベルを確かめる方法もあります。
BS・CSのアンテナも一緒に自分で付けられますか?
デザインアンテナは地デジ専用なので、BS・CSを見るには別にBS・110度CSアンテナが要ります。BS・CSアンテナは南西の衛星に向けて角度を細かく合わせる必要があり、少しずれるだけで映らなくなります。デザインアンテナより難しいので、自信がなければ業者に頼むほうが確実です。
ホームセンターや通販で買ったアンテナを業者に付けてもらえますか?
持ち込みのアンテナの取り付けに対応するかどうかは、業者によって違います。対応する場合でも、アンテナ本体の保証は製品のメーカー保証だけになることがあります。見積もりのときに、持ち込みでよいか、工事の保証がどうなるかを確認しておきましょう。
まとめ
デザインアンテナは、電波が強い地域で、足場なしで手が届く場所に付けられるなら自分で設置できます。
- ベランダの手すりや1階の外壁なら自分で付けやすい
- 2階の外壁や壁の穴あけが必要なら業者に任せる
- 偏波と性能を地域の送信所に合わせて選ぶ
- 固定する前にアンテナレベルを見て場所と向きを決める
- 業者に頼む費用は本体と工事費込みで2万〜6万円程度が目安
自分で付けられるかどうか迷ったら、まず業者に電波を測ってもらい、付けられる場所と総額を確かめてから決めると失敗が少なくなります。見積もりだけなら費用はかからない業者も多いので、自分で付ける場合と比べる材料にしましょう。
※見積もりだけでもOK








