テレビアンテナの撤去が無料になるのは、新しいアンテナへの交換や新設の工事と一緒に頼み、業者が撤去・処分の費用を工事代に含めている場合がほとんどです。撤去だけを頼むなら有料が基本で、地デジアンテナ1本で10,000円〜20,000円程度がひとつの目安になります。無料かどうか、どこまで含むかは業者によって違うので、見積もりで「撤去と処分の費用」を確かめてから決めましょう。
反対に、頼んでもいないのに「アンテナを無料で撤去します」と訪ねてきたりチラシを入れたりする業者には注意が必要です。無料の撤去をきっかけに、屋根や雨どいの高額な工事を勧められたという相談が消費生活センターに寄せられています。
※見積もりだけでもOK
アンテナの撤去が無料になるのはどんなとき?
「アンテナ撤去無料」という言葉を見かけても、何が無料なのかは場面によって違います。よくあるケースを、無料になりやすいかどうかで整理しました。
| ケース | 無料になるか | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 新しいアンテナへの交換と一緒に頼む | 撤去・処分費を工事代に含める業者がある | 見積書に撤去と処分が入っているか |
| アンテナの新設と一緒に古いアンテナも外す | 業者により無料または割安 | マストや屋根馬まで持ち帰るか |
| 現地調査や見積もりだけを頼む | 無料の業者が多い | 撤去作業そのものは別料金 |
| 撤去だけを頼む | 有料が基本 | 出張費・高所作業費・処分費の有無 |
| 自分で外したアンテナを自治体のごみに出す | 自治体により無料〜千円程度 | 何ごみになるかと手数料 |
交換や新設と同時なら撤去費がかからないことがある
撤去が無料になりやすいのは、映りが悪くなったアンテナを新しいものに替えるときや、八木式アンテナからデザインアンテナに付け替えるときです。新しいアンテナの工事でどのみち屋根や壁で作業するため、古いアンテナの取り外しと処分を工事代に含めたり、撤去費を割り引いたりする業者があります。
ただし、無料の範囲は業者ごとにさまざまです。アンテナ本体は無料でも、マストや屋根馬、支線、BS・CSアンテナの撤去は別料金ということもあります。「撤去費込み」と書かれていても、処分費が別になっていないかを見積書で確認しましょう。
無料なのは見積もりまでという場合も多い
アンテナ工事の業者は、現地調査や見積もりを無料にしているところが多くあります。広告の「無料」が見積もりのことを指していて、撤去作業そのものには料金がかかる場合もあるので、言葉だけで判断しないことが大切です。
撤去だけを頼むと有料が基本
光回線やケーブルテレビに切り替えてアンテナが要らなくなった、家の解体や屋根の工事の前に外したいといった理由で撤去だけを頼む場合は、交換工事の売上がないため、作業費と処分費がかかるのが一般的です。撤去だけなら費用がかかる前提で、複数の業者の見積もりを比べるのが現実的です。
古いアナログ放送用のアンテナ(VHFアンテナ)が残っている場合も、扱いは通常の撤去と同じです。地デジアンテナの交換や点検を頼むついでに外してもらうと、別々に頼むより費用を抑えやすくなります。
※工事後のチャンネル設定まで対応
撤去だけを頼むときの費用の目安
撤去だけを業者に頼むときの費用は、アンテナの種類や設置場所、処分を含むかどうかで変わります。複数の業者の料金情報をもとにした目安は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 地デジアンテナ(八木式)の撤去 | 5,000円〜15,000円程度 |
| BS・CSアンテナの撤去 | 10,000円〜20,000円程度(地デジと一緒なら割安になることもある) |
| 取り外したアンテナと部材の処分 | 2,000円〜5,000円程度(撤去費に含む業者もある) |
| 3階建てや急な屋根などの高所作業 | 3,000円〜20,000円程度の追加 |
| 出張費 | 無料〜数千円程度 |
地デジアンテナ1本を外して処分までまとめて頼むと、合計で10,000円〜20,000円程度になることが多くなります。マストが長いものや、さびて金具が外れにくいものは作業に時間がかかるぶん高くなることがあります。依頼先ごとの違いや内訳はテレビアンテナ撤去費用の相場とぼったくり業者の回避策をプロが徹底解説で詳しくまとめています。
見積もりで確かめておきたい項目
撤去の見積もりでは、金額に次の作業が入っているかを確認しておくと、あとから追加料金を言われるのを防げます。
- アンテナ本体・マスト・屋根馬・支線をすべて持ち帰るか
- 処分費が撤去費に含まれているか
- 不要なケーブルの撤去や、残るケーブルの端の処理が入っているか
- 壁や屋根に残るねじ穴の防水処理が入っているか
- 出張費や高所作業費が別にかからないか
「無料で撤去します」という勧誘には注意
アンテナの無料撤去をうたうチラシや訪問の中には、撤去そのものが目的ではなく、ほかの工事の契約につなげようとするものがあります。自分から業者を選んで頼む場合とは分けて考えましょう。
無料撤去から屋根や雨どいの工事を勧められる
船橋市の消費生活センターは、「アンテナ無料撤去」のチラシを見て業者を呼んだところ、屋根に上がった業者から「アンテナの撤去は不要だが、雨どいがゆがんでいる。台風の影響なので火災保険を使えば自己負担なしで直せる」と工事を勧められた事例を紹介しています。無料をきっかけに屋根へ上がり、そこで見つけた不具合を理由に別の工事を持ちかけるのがよくある流れです。
「火災保険で無料」と言われたら
火災保険でアンテナや屋根の修理費が補償されることはありますが、対象になるのは台風・強風・雪・落雷などの自然災害で壊れた場合です。さびや古くなったことによる傷み(経年劣化)は対象外で、補償されるかどうかは契約している保険の内容によって変わります。保険金の申請は、契約者本人が保険会社に行うものです。「必ず保険で無料になる」と言い切る業者は信用しないようにしましょう。経年劣化を災害による破損と偽って請求すると、契約者自身が責任を問われることがあります。
その場で屋根に上げない・契約しない
頼んでいない業者が訪ねてきたら、その場で屋根に上げず、契約もしないのがいちばん安全です。屋根に上がられると、本当に傷んでいるのか自分では確かめられません。気になるなら、自分で選んだ業者に点検や見積もりを頼みましょう。訪問してくる業者の手口や断り方はアンテナ点検詐欺の手口とは?「曲がっている」と訪問された時の対処法で詳しく解説しています。
契約してしまったらクーリング・オフを確認
呼んだ目的と違う工事を契約してしまった場合でも、訪問販売にあたるときは、契約書面などを受け取った日を含めて8日間はクーリング・オフができることがあります。自分のケースが当てはまるかわからないときは、消費者ホットライン「188」で最寄りの消費生活センターを案内してもらえます。消費生活センターは契約のトラブルについて助言をしてくれるところで、アンテナの撤去や工事そのものをしてくれるわけではありません。
無料回収をうたう回収業者を使うときの注意
すでに外してあるアンテナなら、「金属類を無料で回収します」とうたう回収業者に引き取ってもらう方法も考えられます。ただし、次の点に気をつけましょう。
家庭のごみを回収するには許可が必要
家庭から出る不用品を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可などが必要です。軽トラックで巡回しながら「無料回収」を呼びかける業者の中には許可を持たないものがあり、積み込んだあとで高い料金を請求されたり、回収した物を不法投棄されたりするトラブルが起きています。頼む前に許可の有無と、料金がかからないかを確かめましょう。
屋根の上のアンテナは外してもらえないことが多い
回収業者は運び出しが中心で、屋根の上や2階の壁に付いたままのアンテナの取り外しには対応していないことがよくあります。付いたままのアンテナは、取り外しから防水処理までできるアンテナ工事業者に頼むほうが安心です。外してあるアンテナの捨て方はテレビアンテナの処分方法と捨て方!粗大ごみの出し方と撤去費用の目安で、自治体のごみに出す方法もあわせて紹介しています。
撤去費用をできるだけ抑えるコツ
撤去を完全に無料にするのは難しくても、頼み方しだいで費用を抑えることはできます。
交換や新設の予定があるなら一緒に頼む
近いうちにアンテナを交換したり、デザインアンテナに付け替えたりする予定があるなら、撤去だけを先に頼むより、新しいアンテナの工事と一緒に頼むほうが割安になりやすくなります。撤去費が工事代に含まれるかどうかを見積もりの段階で聞いておきましょう。
BS・CSアンテナもまとめて外す
地デジアンテナとBS・CSアンテナの両方が要らなくなったなら、同じ日にまとめて頼むと出張費が一度ですみます。片方だけ残す場合は、混合器で配線がまとまっていることがあるので、残すアンテナが映らなくならないように業者に確認してもらいましょう。
2〜3社の見積もりを比べる
撤去費や処分費の決め方は業者によって違うため、2〜3社の見積もりを比べると相場から外れた金額に気づけます。比べるときは合計金額だけでなく、処分費や防水処理が含まれているかもそろえて見るのがポイントです。
自分で屋根に上って外さない
費用を浮かせようと自分で屋根に上るのはおすすめできません。屋根の上は滑りやすく、長い八木式アンテナは風にあおられてバランスを崩しやすいため、転落や部材の落下のおそれがあります。さびた金具を無理に外して屋根材を割ると、雨漏りの修理で撤去費以上の出費になることもあります。
まとめ
アンテナの撤去を無料にしたいときのポイントをまとめます。
- 撤去が無料になるのは交換や新設と一緒に頼む場合が中心
- 無料の範囲は業者により違うので見積書で確かめる
- 撤去だけなら有料が基本で1万〜2万円程度が目安
- 「無料撤去」の訪問やチラシから別の工事を勧められることがある
- 火災保険は自然災害の破損が対象で経年劣化は対象外
- 外してあるアンテナは自治体のごみに出すのが安い
撤去費をかけたくないなら、まずは交換や新設とあわせた場合の金額も含めて見積もりを取り、撤去と処分がどこまで含まれるかを確かめてから決めましょう。
※見積もりだけでもOK








