分配器と分岐器は、どちらもアンテナの電波を複数に分ける部品ですが、分け方がまったく違います。分配器は電波をすべての出口へほぼ均等に分ける部品、分岐器は1本の幹線に電波を流したまま、その一部だけを取り出す部品です。
戸建ての各部屋へ配線する場合は分配器を使うのが一般的で、分岐器はマンションなどの共用設備や、部屋から部屋へ順番につなぐ「送り配線」の家で使われます。部品そのものは数千円ほどですが、業者に交換を頼むと出張費や作業費を含めて5,000円〜15,000円程度が目安です。使う場所を間違えると、一部の部屋だけ電波が弱くなる原因になります。
※見積もりだけでもOK
分配器と分岐器の違いは「均等に分けるか」「一部を取り出すか」
分配器は、入ってきた電波を2つ・3つ・4つの出口へ同じくらいの強さで分けます。どの出口につないだテレビにも同じくらいの電波が届くのが特徴です。配線は分配器を中心に各部屋へ放射状に伸びる形になります。
分岐器は、入ってきた電波の大部分をそのまま次の機器へ流し、ほんの一部だけを横の出口(分岐端子)から取り出します。1本の幹線の途中にいくつも入れて、順番に電波を取り出していく使い方をします。
| くらべる点 | 分配器 | 分岐器 |
|---|---|---|
| 電波の分け方 | すべての出口へほぼ均等に分ける | 幹線に流したまま一部だけ取り出す |
| 配線の形 | 分配器から各部屋へ放射状に伸びる | 1本の幹線の途中から順に取り出す |
| 電波の弱まり方 | 分ける数が増えるほど各出口が弱くなる | 幹線側はあまり弱まらず、取り出す側は大きく弱まる |
| 主に使う場所 | 戸建ての各部屋への配線 | マンションの共用設備、送り配線の家 |
| 部品の価格 | 数百円〜数千円程度 | 数百円〜数千円程度 |
よく似た名前の「分波器」は、1本のケーブルに混ざった地デジとBS・CSの電波を、テレビの2つの入力端子用に分ける部品です。電波を部屋ごとに分ける分配器・分岐器とは役割が違います。分波器や混合器の働きは、アンテナの混合器とは?分波器との違いと映らない時の原因で解説しています。
家の中のどこに分配器や分岐器が入っているかは、屋根裏や壁の中に隠れていて外から分からないことがほとんどです。部屋によって映りが違うなど困っていることがあるなら、配線を見てもらうところから相談できます。
※工事後のチャンネル設定まで対応
分配器の仕組みと電波の弱まり方
分配器は電波を均等に分けるぶん、分ける数が多いほど1つの出口あたりの電波は弱くなります。この弱まる量を「分配損失」といい、dB(デシベル)という単位で表します。
分配数ごとの損失の目安
マスプロ電工の4K8K対応の屋内用分配器では、地デジの帯域での分配損失が2分配で4dB以下とされています。4分配になると7dB台まで大きくなるのが一般的です。電波が十分に強い地域なら問題になりにくいものの、もともと電波が弱い地域や端子の多い家では、分配したことで末端の部屋の電波が足りなくなることがあります。
BS・CSを通すなら通電の方式も確認する
BS・CSアンテナは、テレビやレコーダーから電気を送ってもらって動きます。分配器には、どの出口からでもこの電気を通せる「全端子通電型」と、決まった1つの出口からしか通せない「1端子通電型」があります。BSを見る部屋が複数ある家では、どちらの型が入っているかで使い勝手が変わります。
使わない出口にはダミー抵抗を付ける
4分配器で3部屋しか使っていないときのように、空いている出口があると電波が乱れる原因になることがあります。空いた出口にはダミー抵抗(終端抵抗)を付けておくのが一般的です。
分岐器の仕組みと「挿入損失」「結合損失」
分岐器は、電波を流しながら一部を取り出す部品なので、損失を2種類に分けて考えます。幹線をそのまま通り抜ける側の弱まりが「挿入損失」、分岐端子から取り出す側の弱まりが「結合損失」です。
| 分岐数 | 挿入損失(通り抜ける側) | 結合損失(取り出す側) |
|---|---|---|
| 1分岐 | 1.5dB | 12dB |
| 2分岐 | 2.5dB | 12dB |
| 4分岐 | 4.5dB | 12dB |
上の表は、ケーブルテレビ業界の技術団体が共同受信施設の用語解説で示しているUHF帯(地デジ)での例です。実際の値は製品や周波数によって違い、BS・CSの高い周波数では損失がもっと大きくなる製品が多くなります。
幹線の電波をあまり減らさずに先へ送れる
分岐器は通り抜ける側の損失が小さいので、1本の幹線に電波を流したまま、途中で何か所も取り出せます。マンションでは、建物の共用アンテナから伸びる幹線に各階・各住戸の分岐器を並べて、離れた住戸まで電波を届けています。
取り出した側の電波はかなり弱くなる
一方で、分岐端子から取り出す電波は10dB以上弱くなります。2分配器の出口(4dB程度)とくらべると、取り出した部屋の電波はずっと弱くなるということです。分岐の先に何台ものテレビをつなぐ使い方には向きません。
戸建てではどちらを使う?使い分けの目安
戸建ての場合、アンテナからの電波を屋根裏や分電盤のそばで分配器に入れ、そこから各部屋の端子へ1本ずつケーブルを伸ばす配線がもっとも一般的です。各部屋に同じくらいの電波が届き、どこか1部屋の配線が傷んでもほかの部屋に影響しにくいのが利点です。
送り配線の家では分岐の仕組みが使われている
古い家や一部の建売住宅では、1本のケーブルを部屋から部屋へ順番につなぐ「送り配線」になっていることがあります。この場合、各部屋の壁の端子に分岐器と同じ働きをする「直列ユニット」が入っていて、電波の一部を取り出しながら次の部屋へ送っています。途中の端子が1つ傷むと、その先の部屋がまとめて映らなくなることがあるのが弱点です。
分岐器が向いているのは「メインの線を弱めたくない」とき
リビングなどのメインのテレビには強い電波を残しつつ、近くの部屋に1台だけ足したいときは、分岐器で一部だけ取り出す方法が向くことがあります。ただし取り出す側の電波は大きく弱まるので、電波の弱い地域では足した部屋で映らないこともあります。部屋数や電波の強さによって正解が変わるため、受信レベルを測ったうえで業者に選んでもらうのが確実です。
| 家の状況 | 向いている部品 |
|---|---|
| 各部屋へ均等に電波を届けたい | 分配器 |
| 部屋から部屋へ1本でつながっている(送り配線) | 分岐器・直列ユニット |
| メインのテレビの電波を弱めずに1部屋だけ足したい | 分岐器を検討 |
| 端子が多く末端の部屋の電波が足りない | 分配器+ブースター |
二世帯住宅のように端子の数が多い家での分配の考え方は、二世帯住宅のテレビアンテナは1本で足りる?分配や配線の決め方と費用でも紹介しています。
分配器・分岐器が原因で映らないときの症状
分配器や分岐器が傷んだり、使い方が合っていなかったりすると、次のような症状が出やすくなります。
- 一部の部屋のテレビだけ映らない・映りが悪い
- ある部屋より先の部屋がまとめて映らない
- 地デジは映るのにBS・CSだけ映らない部屋がある
- 端子を増やしてから末端の部屋で映りが悪くなった
- ブロックノイズやE202などのエラーが出たり消えたりする
「ある部屋より先がまとめて映らない」は送り配線の家に多い症状で、途中の直列ユニットや分岐器の不具合が疑われます。一方、決まった1部屋だけ映らないなら、分配器のその出口や、その部屋へ向かうケーブル・端子の不具合が考えられます。
家じゅうのテレビで同時に映らない場合は、分配器や分岐器より手前にあるアンテナやブースターに原因があることが多くなります。分配器の故障の見分け方と自分で確認できる手順は、分配器の故障の症状とは?一部の部屋だけ映らない原因と交換費用で詳しく解説しています。
屋根裏や天井裏に入っての点検は、踏み外しや転落の危険があります。手の届く場所でケーブルの差し直しや、テレビの設定メニューで部屋ごとのアンテナレベルを比べるところまでにして、その先は業者に任せましょう。
分配器・分岐器の交換と配線工事の費用相場
分配器や分岐器の部品は数百円から数千円ほどですが、業者に頼むと出張費・点検・交換作業の費用がかかります。下の表は、アンテナ工事の複数の情報をもとにした一般的な目安です。
| 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 分配器の交換(部品代+作業費) | 5,000円〜15,000円程度 |
| 分岐器・直列ユニットの交換 | 5,000円〜15,000円程度(場所と個数で変わる) |
| 受信状態の調査・配線の手直し | 5,000円〜15,000円程度 |
| ブースターの設置・交換(本体+電源部) | 15,000円〜45,000円程度 |
| 家全体のテレビ配線の工事 | 15,000円〜35,000円程度 |
屋根裏の奥や屋外の高い場所での作業になると、費用が上がることがあります。また、調べた結果、ケーブルや壁の端子も4K8K放送に対応していない古いものだと分かれば、交換の範囲が広がってそのぶん費用が加わります。
見積もりを取るときは、どの部品を交換するのか、部品代・作業費・出張費がすべて含まれているか、作業のあとに追加料金が出ないかを確認しておきましょう。交換後に各部屋の受信レベルを測って確かめてくれるかどうかも、業者を選ぶときのポイントです。
分配器や分岐器の相談におすすめのアンテナ工事業者
分配器と分岐器のどちらが合うか、どこが傷んでいるかは、各部屋の端子で受信レベルを測らないと判断できません。配線の状態を見たうえで、交換が必要な部分と費用を説明してくれる業者に相談しましょう。見積もりを見てから依頼するかどうか決められます。
街角アンテナ工事相談所
- スマホから希望条件を選ぶだけで最短で来られる業者をシステムが自動選定
- 自分で複数業者へ相見積もりを取る手間を省き最安値クラスの施工を素早く実現
- ホームページ上に基本料金が分かりやすく明記されており予算が立てやすい
| 受付時間 | 24時間 365日対応 |
|---|---|
| 支払い方法 | 現金、PayPay、クレジットカード |
自分で色々な業者に電話をかけて比較する手間を省きシステムが一番早くて条件の良い業者をマッチングしてくれます。WEBからの申し込みに特化しているため余計な経費がかからず工事費用全体も安く抑えられる仕組みです。仕事が忙しくて手っ取り早く適正価格で工事を済ませたいという効率重視の方にぴったりなサービスです。
アンテナ110番
- 24時間365日いつでも繋がるコールセンターで夜間でも即座に相談可能
- 事前の見積もりから一切の追加料金が発生しない明朗会計ルールで安心
- 東証上場企業のネットワーク網で日本全国どこでも素早く手配可能
| 受付時間 | 24時間365日対応 |
|---|---|
| 支払い方法 | 現金、クレジットカード払い |
上場企業が運営する巨大な受付網により深夜や早朝でも時間を問わず一番早く対応できる地元の業者を即座に手配してくれます。最大の魅力は見積もり後の追加料金ゼロを本部が徹底している点で当日になって予算オーバーする心配がありません。全国で均質なサービスを受けられるため初めての業者選びでも安心して任せられる安定感があります。
アンテナドクター
- 外注を使わない完全自社施工により余計な費用をカットした適正な安さを実現
- 熟練の専属職人が直接担当するため家の外壁や外観を損ねない美しい仕上がり
- 見積もりから工事まで連携がスムーズで待ち時間が発生しない圧倒的なスピード感
| 受付時間 | 24時間365日対応 |
|---|---|
| 支払い方法 | 現金、銀行振込、クレジットカード、PayPay |
間に別の業者を挟まない完全自社施工のため余分な費用が上乗せされず純粋な工事費用のみで安く抑えられます。技術力の高い本職の電気職人が直接伺うため外壁に合わせた配線隠しなど見栄えの良さも抜群です。受付から工事まで連携がスムーズで待たされることがなく安さと仕上がりの美しさを両立したい方に間違いのない選択肢となります。
まとめ
分配器と分岐器は、どちらも電波を分ける部品ですが、分け方と使う場所が違います。戸建てでは分配器が基本で、分岐器は送り配線の家やマンションの共用設備で使われます。
- 分配器は電波をすべての出口へほぼ均等に分ける
- 分岐器は幹線に電波を流したまま一部だけ取り出す
- 分配器は分ける数が多いほど各出口の電波が弱くなる
- 分岐器は取り出す側の電波が10dB以上弱くなる
- 先の部屋がまとめて映らないなら送り配線の不具合を疑う
- 交換費用は5,000円〜15,000円程度が目安
自分の家にどちらが入っているか、どこが原因で映りが悪いのかは、受信レベルを測ってみないと分かりません。部屋によって映り方が違うなど気になることがあれば、まずは見積もりだけでも相談してみましょう。
※見積もりだけでもOK








