新築のアンテナ配線は、間取りと電気設備の打ち合わせの段階で決めておくのが基本です。アンテナ本体は引き渡しのあとに付けられますが、壁の中を通るテレビの配線は、壁や天井をふさいだあとでは変えにくいからです。
建築中に決めておきたいのは、テレビ端子の数と場所、空配管や先行配線の有無、分配器とブースター電源の置き場所、アンテナからの引き込みルートの4つです。ここを押さえておけば、あとからアンテナを付けるときに追加の配線工事や壁の穴あけをせずに済みやすくなります。
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新築のアンテナ配線はいつ決める?考えるタイミング
新築のテレビ配線は、電気設備の打ち合わせ(コンセントや照明の位置を決める打ち合わせ)と一緒に決めるのが一般的です。配線そのものは、壁の石膏ボードを張る前の段階で電気工事の業者が通すことが多く、その時期を過ぎると壁の中にケーブルを通すのが難しくなります。
壁を張ったあとでは変更しにくい
壁や天井ができあがったあとにテレビ端子を足したり、配線のルートを変えたりすると、壁の中に新しくケーブルを通す工事が必要になります。できなくはありませんが、柱や断熱材の位置によっては壁の外にケーブルを這わせる露出配線になり、見た目や費用の面で不満が残りやすくなります。
アンテナ本体は引き渡しのあとでも間に合う
一方で、アンテナ本体の取り付けは引き渡しのあと、入居前に行うことが多い工事です。建築中にやっておくのは「アンテナが付く前提の配線を用意しておくこと」で、アンテナの種類や設置場所は電波の状態を測ってから最終的に決める、という分け方をすると進めやすくなります。工事を頼む時期の目安は新築のアンテナ工事はいつ頼む?最適なタイミングと依頼先の選び方で詳しく紹介しています。
まだ建築中で、アンテナをどこに付けられるか分からないという段階でも、アンテナ工事業者に見積もりや電波の状態の相談をしておくと、配線の打ち合わせで何を伝えればよいかがはっきりします。急いで相談したい場合は、即日対応している業者が便利です。
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建築中に決めておくアンテナ配線の一覧
打ち合わせで確認したい項目を表にまとめました。ハウスメーカーや工務店の図面に書かれているか、担当者に一つずつ確認していくと漏れを防げます。
| 決めること | 確認したい内容 | あとから変えるとどうなるか |
|---|---|---|
| テレビ端子の数と場所 | リビング・寝室・子ども部屋など、テレビを置く可能性のある部屋すべて。壁掛けにするなら高さも | 端子の増設工事が必要。壁の中を通せないと露出配線になる |
| 配線の方式 | 各部屋の端子へ分配器から1本ずつ配線する方式になっているか | 部屋ごとの映りの差や、4K8K放送への対応で困ることがある |
| 空配管・先行配線 | アンテナを付ける予定の場所から分配器までケーブルを通せる管や配線を用意するか | 壁に新しく穴を開けて引き込むことになる |
| 分配器の置き場所 | 屋根裏・天井点検口・収納の中など、あとから点検や交換ができる場所か | 故障したときに天井をはがすなど大がかりになる |
| ブースター電源の場所 | 分配器や電源部の近くにコンセントがあるか | コンセントの新設が必要になり、電気工事士の作業が加わる |
| BS・CSを見るか | BS・CSアンテナの設置場所と、4K8K放送に対応した部材を使うか | 分配器や端子の交換が必要になることがある |
すべてを最初から完璧に決める必要はありません。迷うところは「あとで足せるように空配管を通しておく」「点検口の近くに分配器を置く」など、変更しやすい形にしておくのがポイントです。
テレビ端子の数と場所の決め方
テレビ端子は、アンテナから届いた電波をテレビにつなぐための差し込み口です。新築では、建てたあとに足すより建築中に付けておくほうがずっと手軽です。
将来テレビを置くかもしれない部屋にも付ける
今はリビングにしかテレビがなくても、子どもが大きくなったときの部屋や、寝室・書斎などにテレビを置くことは珍しくありません。使わない端子があっても困ることはほとんどないため、迷う部屋には付けておくと安心です。ただし、分配する数が増えるほど1か所あたりの電波は弱くなるので、端子の数が多い家ではブースターが必要になることも頭に入れておきましょう。
家具の配置とテレビの向きを先に決める
端子の位置がテレビボードの裏から外れていると、ケーブルが床を這うことになります。テレビを置く壁、テレビボードの幅、壁掛けにするかどうかを先に決め、端子とコンセントを同じ位置にまとめておくと配線がすっきりします。壁掛けの場合は、テレビの裏に隠れる高さに端子とコンセントを設ける方法もあります。
BS・CSと4K8K放送に対応した部材を選ぶ
BS・CSの新4K8K衛星放送のうち、左旋という方式の放送は従来より高い周波数(3224MHzまで)を使います。総務省の案内でも、この放送を見るには分配器や分波器、ブースターなどを3224MHzまでの帯域に対応した機器にする必要があるとされています。新築で部材を選ぶときは、テレビ端子・分配器・ケーブルが4K8K放送に対応しているかを確認しておくと、あとで交換せずに済みます。端子をあとから増やす場合の費用や工事の方法はテレビ端子の増設費用はいくら?隠蔽配線・露出配線の違いと注意点で紹介しています。
空配管と先行配線で「あとから付ける」に備える
アンテナの種類や設置場所がまだ決まっていない場合に役立つのが、空配管と先行配線です。どちらも、アンテナ工事の日に壁へ新しく穴を開けずに済むようにするための準備です。
空配管とは
空配管は、壁や天井の中にケーブルを通すための管だけを先に入れておく方法です。中にケーブルが入っていない状態で残しておくので、あとから同軸ケーブルを通したり、劣化したケーブルを入れ替えたりできます。テレビ用だけでなく、LANケーブルや光回線の配線に使えるのも利点です。管の太さや曲がりが多いとケーブルが通しにくくなるため、どこからどこまで通すのかを図面で確認しておきましょう。
先行配線とは
先行配線は、アンテナを付ける予定の場所の近くまで、あらかじめ同軸ケーブルを通しておく方法です。たとえば壁面にデザインアンテナを付ける予定なら、その位置の壁からケーブルの端を出しておき、屋根の上に八木式アンテナを立てる予定なら、屋根裏までケーブルを用意しておきます。アンテナ工事の日はケーブルをつなぐだけで済むため、外壁に穴を開ける作業が少なくなります。
アンテナの種類で引き込みのルートが変わる
屋根の上に立てる八木式アンテナは、屋根から軒下を通って屋根裏や外壁の引き込み口へケーブルを入れることが多くなります。壁面に付けるデザインアンテナは、取り付ける壁の近くから室内へ引き込みます。屋根裏にアンテナを入れる方法は、屋根の材質や電波の強さによっては使えないこともあります。どの方式にするか決まっていない場合は、候補になる場所それぞれから分配器まで空配管を通しておくと選択肢を残せます。
分配器とブースターの置き場所
アンテナから届いた電波は、分配器で各部屋のテレビ端子に分けられます。分配器やブースターは一度設置すると目に触れにくい場所にあるため、置き場所を間違えると、故障したときの点検や交換に手間がかかります。
分配器から各部屋へ1本ずつ配線する
新築では、分配器から各部屋のテレビ端子へ1本ずつケーブルを配る方式が一般的になっています。古い家に見られる、端子から端子へ順番にケーブルをつないでいく方式に比べて、部屋ごとの映りの差が出にくく、どこか1か所の不具合がほかの部屋に広がりにくいのが特徴です。図面や仕様書で配線の方式を確認し、分からなければ担当者に聞いておきましょう。
分配器は点検できる場所にまとめる
分配器は、屋根裏、天井の点検口の中、収納の中、配線をまとめる専用のボックスなどに置かれることが多く、場所はハウスメーカーによって違います。大切なのは、あとから手が届く場所にあることです。天井裏の奥にあって点検口から届かないと、一部の部屋だけ映らないといったトラブルのときに原因を調べにくくなります。
ブースターを使うならコンセントの位置も決めておく
端子の数が多い家や、電波が弱い地域ではブースターが必要になることがあります。ブースターは電源部から電気を送って動かすため、電源部を置く場所の近くにコンセントが必要です。ブースター本体や同軸ケーブルの配線は電気工事士の資格がなくても行える作業とされていますが、ブースター用にコンセントを新しく設ける作業は電気工事士の資格が必要な電気工事です。建築中なら電気工事と一緒にコンセントを用意してもらえるので、分配器の近くや屋根裏に電源が要るかどうかを、この段階で決めておくと二度手間になりません。
配線を済ませたあとにアンテナを付ける費用相場
建築中に配線を用意しておけば、引き渡しのあとはアンテナの取り付けと接続が中心になります。下の表は、アンテナ工事業者や工事費用の情報サイトなど複数の情報をもとにした一般的な目安です。実際の金額は電波の状態や家の形、業者によって変わるため、見積もりで確認してください。
| 工事の内容 | 費用の目安(本体・工事費込み) |
|---|---|
| 八木式アンテナの設置(地デジのみ) | 15,000円〜50,000円程度 |
| デザインアンテナの設置(地デジのみ) | 20,000円〜60,000円程度 |
| BS・CSアンテナの追加設置 | 15,000円〜40,000円程度 |
| 地デジとBS・CSのセット設置 | 40,000円〜110,000円程度 |
| ブースターの設置(本体と電源部) | 15,000円〜45,000円程度 |
| 分配器の追加・交換 | 5,000円〜15,000円程度 |
| 完成後のテレビ端子の増設(1か所・壁の中を通す場合) | 10,000円〜30,000円程度 |
| ブースター用のコンセントの新設 | 10,000円〜25,000円程度 |
表の下の2つは、建築中に済ませておけば別料金になりにくい項目です。完成後に端子を3か所足すと、それだけでアンテナ本体の工事費に近い金額になることもあります。
ハウスメーカーに頼むか専門業者に頼むか
配線は建物の工事に含まれるのでハウスメーカーや工務店が担当しますが、アンテナ本体の取り付けは、ハウスメーカー経由で頼む方法とアンテナ工事の専門業者に直接頼む方法があります。ハウスメーカー経由は窓口が1つで済む一方、提携先の業者が工事をすることが多く、費用が高めになりやすい傾向があります。専門業者に頼む場合は、配線の打ち合わせの段階で「アンテナは自分で手配する」と伝えておき、先行配線の位置や分配器の場所を共有しておきましょう。両者の違いはハウスメーカーのアンテナ工事は高い?専門業者との費用と違いを比較で比べています。
新築のアンテナ工事を相談しやすいアンテナ工事業者
新築の配線に合わせて、アンテナの種類や設置場所を相談しやすい業者を紹介します。どの業者も見積もりを取ってから頼むかどうかを決められるので、ハウスメーカーの見積もりと比べる材料にもなります。
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まとめ
新築のアンテナ配線は、壁や天井ができる前の電気設備の打ち合わせで決めておくのが基本です。アンテナ本体は引き渡しのあとでも付けられるので、建築中は「あとからアンテナを付けやすい配線」を用意しておくことに集中しましょう。
- テレビ端子は将来テレビを置くかもしれない部屋にも付け、テレビの置き場所に合わせてコンセントと並べる
- 分配器から各部屋へ1本ずつ配線する方式と、4K8K放送に対応した部材になっているかを確認する
- アンテナの場所が決まっていなければ、空配管や先行配線で引き込みのルートを用意しておく
- 分配器は点検できる場所に置き、ブースターを使うなら近くにコンセントを用意する
- 完成後の端子の増設やコンセントの新設は別料金になりやすいので、建築中に済ませておく
配線の打ち合わせでアンテナの設置場所を伝えるには、先に電波の状態を見てもらうのが確実です。見積もりと現地調査が無料の業者に相談して、ハウスメーカーとの打ち合わせに備えましょう。
※見積もりだけでもOK








