新築でアンテナをつけない選択は、条件しだいで十分ありです。アンテナなしでテレビを見る方法は光テレビ・ケーブルテレビ・ネット配信の3つです。ただし、どれも月額料金がかかるか、見られる番組が限られます。
戸建てに10年以上住み、地デジやBSを放送と同時に見たいなら、アンテナ工事(地デジ+BS・CSで40,000円〜100,000円程度)のほうが総額を抑えやすくなります。アンテナをつけないと決めた場合も、建築中に空配管とテレビ端子だけは用意しておくと、あとから考えが変わったときに困りません。
※見積もりだけでもOK
新築でアンテナをつけない場合にテレビを見る3つの方法
屋根や外壁にアンテナを付けない新築の戸建てでは、テレビ放送を光回線かケーブルテレビの回線で届けてもらうか、インターネットの配信で見るかのどちらかになります。室内アンテナという方法もありますが、送信所や中継局に近く電波が強い地域向けで、BS・CSは基本的に見られません。新築の計画段階で「アンテナの代わり」として当てにするのはおすすめしにくい方法です。
| 方法 | 仕組み | 見られる放送 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 光テレビ | 光回線でテレビの電波を家まで届ける | 地デジ・BS(サービスによりCSも) | 光回線の契約が前提。回線を変えるとテレビも見られなくなる |
| ケーブルテレビ | 地域のケーブルテレビ会社の回線で届ける | 地デジ・BS・専門チャンネル(コースによる) | 提供エリアが決まっている。月額料金がずっとかかる |
| ネット配信 | 配信サービスの番組をインターネットで見る | 配信されている番組だけ | すべての番組は見られない。放送より少し遅れて届く |
光テレビ
新築と同時に光回線を引く家が多いため、いちばん検討されやすい方法です。天候の影響を受けにくく、外観にも何も付きません。一方で、テレビの月額料金とは別に光回線の料金がかかり、インターネットを別の会社の回線に乗り換えるとテレビも見られなくなります。
ケーブルテレビ
専門チャンネルをたくさん見たい人に向いた方法です。インターネットや電話とのセット契約になっていることも多く、料金はコースによって大きく変わります。新築の住所が提供エリアに入っているかを、建築中のうちに確認しておきましょう。
ネット配信
民放の番組は配信サービスの見逃し配信や一部のリアルタイム配信で、NHKの番組はNHKのネット配信で見られます。ただし、これは配信されている番組を見る方法で、地上波の放送そのものを受信しているわけではありません。テレビはほとんど見ないという家庭以外は、ネット配信だけで済ませると不便を感じやすくなります。ほかの方法もふくめた比較はテレビをアンテナなしで見る方法にまとめています。
アンテナをつけない場合とつける場合の費用を比較
新築でいちばん判断を分けるのは、10年、15年と住み続けたときの総額です。料金はサービスや地域、キャンペーンで変わるため、目安として見てください。光テレビとケーブルテレビの月額は、インターネットの料金をふくまない金額です。
| 方法 | 初期費用の目安 | 月額の目安 | 10年間の目安 |
|---|---|---|---|
| アンテナ(地デジ+BS・CS) | 40,000円〜100,000円程度 | 0円 | 40,000円〜100,000円程度(修理や交換が要れば別) |
| アンテナ(地デジのみ) | 15,000円〜60,000円程度 | 0円 | 15,000円〜60,000円程度(修理や交換が要れば別) |
| 光テレビ(放送型) | 無料〜50,000円程度 | 1,000円前後 | 約120,000円〜170,000円程度 |
| ケーブルテレビ | 無料〜数万円程度 | 数千円程度(コースで大きく変わる) | 数十万円になることも多い |
| ネット配信のみ | 0円〜数千円(配信機器を買う場合) | 無料のサービスが中心 | インターネット料金のみ |
月額0円で地デジもBS・CSも見られるのはアンテナだけです。光テレビは月額が安く見えても、10年で10万円を超えることが多く、アンテナの工事費を上回りやすくなります。一方、アンテナにも寿命があり、10〜15年ほどで交換や修理が必要になることがあります。比べるときは、アンテナの工事費に将来の修理費も少し見込んでおくと公平です。
アンテナを付ける場合の費用相場
アンテナの種類ごとの費用の目安は次のとおりです。専門業者に直接頼んだ場合の、本体と工事費をふくめた金額です。
| 工事内容 | 費用の目安(本体・工事費込み) |
|---|---|
| 八木式アンテナの設置(地デジのみ) | 15,000円〜50,000円程度 |
| デザインアンテナの設置(地デジのみ) | 20,000円〜60,000円程度 |
| BS・CSアンテナの設置 | 15,000円〜40,000円程度 |
| 地デジ+BS・CSのセット設置 | 40,000円〜100,000円程度 |
| ブースターの設置 | 15,000円〜30,000円程度 |
電波が弱い地域やテレビ端子が多い家ではブースターが必要になり、総額が上がります。自宅の電波の強さと正確な金額は、業者に現地で測ってもらわないとわかりません。つけるかどうか迷っている段階でも、見積もりを1つ取っておくと、光テレビやケーブルテレビの月額と比べやすくなります。
※工事後のチャンネル設定まで対応
新築でアンテナをつけなくてもいい人・つけたほうがいい人
どちらが合うかは、テレビの見方と住む年数でほぼ決まります。次の目安で、自分の家に近いほうを確認してみてください。
| 判断のポイント | つけなくてもいい人 | つけたほうがいい人 |
|---|---|---|
| テレビの見方 | たまに見る程度で見逃し配信で足りる | ニュースやスポーツを放送と同時に見たい |
| 見たい放送 | 専門チャンネルが中心 | 地デジとBSの無料放送で足りる |
| 回線の契約 | 光回線やケーブルテレビを長く使い続ける予定 | インターネットの回線を自由に選びたい |
| 住む年数 | 数年で住み替える可能性がある | 10年以上住む予定 |
| 固定費 | 月額料金が増えても気にならない | 毎月の固定費を増やしたくない |
外観が理由なら設置方法で解決できることが多い
「屋根の上のアンテナが家の見た目に合わない」という理由でつけないか迷っている場合は、外壁やベランダに付ける薄い箱型のデザインアンテナ、電波の状況によっては屋根裏に置く方法もあります。BS・CSアンテナも、道路から見えにくいベランダや外壁に付けられることがあります。ただし、デザインアンテナや屋根裏への設置は電波が弱い地域では使えないこともあるため、電波を測ってもらってから決めましょう。
台風が心配なら屋根に立てない方法を選ぶ
台風や強風でアンテナが倒れるのが心配という声もあります。外壁に付けるデザインアンテナは、屋根の上に立てる八木式アンテナより風の影響を受けにくいといわれています。アンテナそのものをやめる前に、設置場所と種類を変える方法も比べてみてください。
アンテナをつけないと決めても建築中にしておきたい備え
新築でいちばん後悔しやすいのは、アンテナをつけなかったことそのものより、あとから付けようとしたときに配線の通り道がないことです。壁や天井を張ったあとでは、配線を隠して通すのが難しくなります。アンテナをつけない場合でも、建築中に次の3つを工務店やハウスメーカーと確認しておきましょう。
1. テレビ端子をテレビを置く部屋に付けておく
光テレビやケーブルテレビも、宅内ではアンテナと同じテレビ端子と同軸ケーブルを使うのが一般的です。リビングや寝室など、テレビを置く可能性がある部屋には端子を付けておくと、どの方法を選んでもそのまま使えます。BS・CSや4K8K放送を見る可能性があるなら、対応した部材を選んでおくと安心です。
2. 屋根裏や外壁に向けた空配管を通しておく
空配管は、あとからケーブルを通すための空の管です。屋根裏やアンテナを付けそうな外壁の近くから、分配器を置く場所まで通しておけば、あとでアンテナを付けるときも外壁に配線をはわせずに済みます。どこまで通すかは、建てる家の構造と、将来付けるアンテナの種類で変わります。
3. 分配器を点検できる場所にまとめる
各部屋へ分ける分配器は、屋根裏や収納の中など、あとから手が届く場所に置いてもらいます。ここにアンテナからのケーブルをつなげば、全部屋のテレビ端子に電波を送れます。ブースターを使う可能性があるなら、近くに電源をとれるコンセントがあると工事が楽になります。
テレビ端子の数や空配管の通し方は、新築のアンテナ配線で後悔しないコツで詳しく紹介しています。
あとからアンテナを付けるときの費用と注意点
光テレビやケーブルテレビを使ってみて、「やはり月額がもったいない」とアンテナに切り替える人もいます。新築の数年後にアンテナを付ける場合も、費用の目安は上の相場表とほぼ同じです。ただし、次のような場合は費用が上がったり、仕上がりに差が出たりします。
配線の通り道がないと外壁にケーブルが出る
空配管がない家では、外壁にケーブルをはわせて引き込み口から入れるか、エアコンの配管穴などを使って室内に入れることになります。見た目が気になる場合や、外壁に新しく穴を開けたくない場合は、見積もりのときにどこを通すかを必ず確認しましょう。外壁の保証の条件に関わることもあるため、ハウスメーカーの保証内容もあわせて確認しておくと安心です。
切り替えはアンテナ工事のあとに解約する
光テレビやケーブルテレビからアンテナに切り替えるときは、先にアンテナ工事を済ませてから解約するのが基本です。順番が逆になると、工事までの間テレビが見られない期間ができます。解約の手続きや、宅内の機器の撤去・返却が必要かどうかは、契約先に確認してください。
入居前に付けるなら引き渡し後がねらい目
いったんつけない方向で考えていても、入居前に気が変わったら、引き渡し後から入居前までに工事を済ませるとテレビが見られない期間ができません。工事を頼むタイミングは新築のアンテナ工事はいつ頼むかを解説した記事を参考にしてください。
新築でアンテナをつけない場合のNHK受信契約
「アンテナをつけなければNHKの受信料はかからないのか」という疑問を持つ人も多いですが、受信料はアンテナの有無だけでは決まりません。放送法では、NHKの放送を受信できる受信設備(テレビなど)を設置した人は、NHKと受信契約を結ぶことになっています。光テレビやケーブルテレビでテレビを見る場合も、受信契約が必要です。
アンテナも光テレビもつながず、チューナーのないモニターやネット配信だけで見る場合の扱いは、使う機器やサービスによって変わります。NHKのネット配信を利用する場合の扱いもふくめ、詳しい条件はNHKの公式サイトで確認してください。
新築でアンテナをつけない場合のよくある質問
アンテナをつけないと家の売却に影響しますか?
アンテナの有無が売却価格に直接どう影響するかは、地域や物件によって違い、一概にはいえません。ただ、テレビ端子と配線の通り道が用意してあれば、次に住む人がアンテナでも光テレビでも選べるので、どちらにも対応しやすい家になります。
室内アンテナだけで新築の家でもテレビは見られますか?
送信所や中継局に近く電波が強い地域なら、室内アンテナで地デジが映ることもあります。ただし、新築の住宅は断熱材や窓の性能が高く、電波が家の中に届きにくい場合もあります。置き場所によって映るチャンネルが変わることもあるため、メインのテレビを室内アンテナだけで見るつもりなら、入居前に電波を測ってもらうと安心です。
ハウスメーカーにアンテナを断っても大丈夫ですか?
アンテナ工事はハウスメーカーに頼まなくても、引き渡し後に専門業者に直接頼めます。断る場合でも、テレビ端子・空配管・分配器の位置だけは建築中に決めておきましょう。ここが決まっていれば、アンテナを付けるかどうかはあとから選べます。
まとめ
新築でアンテナをつけないかどうかの判断のポイントをまとめます。
- アンテナなしで見る方法は光テレビ・ケーブルテレビ・ネット配信の3つ
- 月額0円で地デジもBS・CSも見られるのはアンテナだけ
- 光テレビは10年で10万円を超えやすく、長く住むならアンテナが割安になりやすい
- 外観や台風が理由なら、デザインアンテナなど設置方法の工夫で解決できることが多い
- つけない場合もテレビ端子と空配管だけは建築中に用意する
- テレビなどの受信設備を設置したらNHKの受信契約が必要で、詳細はNHKの案内で確認する
迷っている場合は、まずアンテナ工事の見積もりを取って、自宅の電波の状況と具体的な金額を確かめてみましょう。光テレビやケーブルテレビの月額を何年分払うと同じ金額になるかがわかれば、つけるかどうかを決めやすくなります。
※見積もりだけでもOK








