「地デジのケーブルとBSのケーブルが別々に来ているけど、どうつなげばいいの?」「混合器を付けたらBSだけ映らなくなった」と困っていませんか。混合器は、屋根の上の地デジアンテナとBS・CSアンテナから来た電波を、1本のケーブルにまとめる小さな部品です。ブースターの近くや屋根裏など目に付きにくい場所にあることが多く、映らなくなってもすぐには原因だと気づきにくい部品でもあります。
結論から言うと、混合器が関係するトラブルの多くは、入力端子の差し間違い、BS・CSアンテナへの電気が通っていない、接栓のゆるみや雨水の侵入のどれかです。分波器・分配器との役割の違いが分かると、どこを確認すればよいかが見えてきます。
この記事では、混合器の役割と仕組み、分波器・分配器との違い、故障したり映らなかったりするときの症状と原因、自分で確認できること、交換や配線工事の費用相場をまとめています。
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アンテナの混合器とは?地デジとBS・CSの電波を1本にまとめる部品
戸建ての家では、屋根やベランダに地デジ(UHF)用のアンテナと、BS・CS用のパラボラアンテナが別々に付いているのが一般的です。それぞれのアンテナからはケーブルが1本ずつ出ていますが、そのまま家の中へ引き込むと、各部屋に2本ずつケーブルを通す必要が出てきてしまいます。
そこで使われるのが混合器です。混合器には「UHF入力」と「BS・CS入力」の2つの入力端子と、「混合出力」の1つの出力端子があり、2種類の電波を1本のケーブルにまとめて家の中へ送ります。まとめた電波は、分配器で各部屋に分けられ、テレビの近くで分波器を使って再び地デジとBS・CSに分けて、テレビの2つの入力端子につなぐ、という流れになります。
混合器の仕組み:周波数の違いを利用してまとめる
地デジとBS・CSでは、使っている電波の周波数の帯域が大きく違います。混合器はこの違いを利用して、2つの電波がぶつからないように1本のケーブルに重ねています。周波数が違うので、テレビの近くの分波器で再び分けることができるわけです。
なお、BS・CSの4K8K放送の一部は、これまでより高い周波数(最大3,224MHz付近)を使っています。4K8K放送を見る予定があるなら、混合器も4K8K対応(3,224MHz対応)のものを選ぶ必要があります。
ブースターに混合器が内蔵されていることもある
地デジとBS・CSの両方を増幅するブースターには、混合の機能を持っている機種があります。メーカーの資料でも、ブースターの混合機能を使う場合は別に混合器を付ける必要はないと案内されています。また、BS・CSの入力を「混合入力」と「別入力」で切り替えられる機種もあり、配線のしかたに合わせて設定します。ブースターが付いている家では、混合器が見当たらなくてもブースターの中で混合されていることがあります。ブースターが必要かどうかの考え方は、テレビのブースターは必要か?いらない家との違いと設置費用で解説しています。
BS・CSアンテナへの「通電」も通す必要がある
BS・CSアンテナは、テレビやレコーダー、またはブースターの電源部から電気(直流の電源)を送ってもらって動いています。混合器を通る配線では、この電気が混合出力からBS・CS入力の側へ通らないと、BS・CSアンテナが動かず映りません。そのため混合器には、どの端子の間で電気を通すかが決まっていたり、スイッチで切り替えたりできる製品があります。本体や取扱説明書に「BS・CS入力―混合出力間通電」などと書かれているので、交換するときは今付いているものと同じ通電の仕様かを確認することが大切です。複数の部屋でBSを見るときの配線と通電の考え方は、BSアンテナを2階に分ける工事費用と配線方法でも紹介しています。
混合器のまわりは、端子の差し間違いや通電の設定など、見た目では分かりにくいポイントが多い部分です。どこが原因か分からないまま映らない状態が続いているなら、業者に受信レベルを測ってもらうのが早道です。
混合器・分波器・分配器の違い
アンテナまわりには、名前の似た部品がいくつかあります。役割を整理すると、次のようになります。
| 部品 | 役割 | よくある設置場所 |
|---|---|---|
| 混合器 | 地デジとBS・CSの電波を1本のケーブルにまとめる(2本→1本) | 屋外のアンテナ付近、ブースターの近く、屋根裏 |
| 分配器 | まとまった電波を、まとまったまま複数の部屋に分ける(1本→2本・3本・4本) | 屋根裏、天井裏、分電盤やマルチメディアボックスの中 |
| 分波器 | まとまった電波を、地デジとBS・CSに分け直す(1本→地デジ用・BS/CS用) | 各部屋のテレビの裏(壁の端子とテレビの間) |
混合器と分波器は、ちょうど反対の働きをする部品です。製品によっては入力と出力を逆につなぐことで分波器として使えるものもありますが、通電の仕様や屋外で使えるかどうかが違うことがあるため、用途に合ったものを使うのが基本です。
分配器は電波の種類を分けるのではなく、同じ電波を部屋の数に合わせて分ける部品です。一部の部屋だけ映らないときは分配器が原因のこともあります。分配器のトラブルについては、分配器の故障の症状とは?一部の部屋だけ映らない原因と交換費用で詳しく紹介しています。
混合器が故障したとき・映らないときの症状
混合器のまわりに不具合があるときは、次のような症状が出やすくなります。
- 家じゅうのテレビでBS・CSだけが映らない(地デジは映る)
- 家じゅうのテレビで地デジだけが映らない(BS・CSは映る)
- 混合器を付けた・交換した直後から映らなくなった
- 雨の日や強風のあとに映りが悪くなる、ブロックノイズが出る
- 受信レベル(アンテナレベル)が全部の部屋で同じように下がっている
混合器は家に入る前の1本のケーブルに関わる部品なので、不具合があると一部の部屋ではなく家じゅうのテレビに影響が出るのが特徴です。反対に、特定の部屋だけ映らない場合は、その部屋の分波器やケーブル、壁の端子、分配器を先に疑います。
混合器のまわりで映らなくなる主な原因
入力端子の差し間違い
混合器の「UHF入力」と「BS・CS入力」を逆につないでいると、どちらの電波も正しく通りません。自分で配線を変えたときや、アンテナを付け足したときに起きやすい原因です。
BS・CSアンテナに電気が届いていない
BS・CSだけ映らない場合に多いのが、通電の問題です。通電しない仕様の混合器に替えてしまった、通電の切り替えスイッチの設定が合っていない、テレビやレコーダー側のBS・CSアンテナ電源の設定が「オフ」になっている、といったことが考えられます。ブースターを使っている家では、ブースターの電源部の電源が抜けていても同じように映らなくなります。
接栓のゆるみ・さび、雨水の侵入
屋外に付いている混合器は、雨風や日差しを受け続けます。ケーブルの接栓がゆるんだり、さびたりすると電波が弱くなり、すき間から雨水が入ると内部の故障につながります。年数がたった混合器ほど、こうしたトラブルが起きやすくなります。
落雷や強風による故障
近くへの落雷で混合器やブースターが壊れたり、強風でアンテナやケーブルが動いて接続部が傷んだりすることもあります。台風・強風・落雷などの自然災害で壊れた場合は、加入している火災保険の対象になることがあります。ただし、経年劣化による故障は対象外で、補償されるかどうかは契約内容によって変わります。申請は契約者本人が保険会社に行う必要があるため、まずは契約している保険会社に確認しましょう。
古い混合器が今の放送に合っていない
以前から付いている混合器が4K8K放送の周波数に対応していないと、新しく4K8Kのチャンネルを見ようとしたときに映らないことがあります。混合器だけでなく、ケーブルや分配器、分波器など経路全体が対応しているかも関係します。
業者を呼ぶ前に自分で確認できること
家の中で安全にできる範囲で、次の順に確認してみてください。屋根の上や高い場所に付いている混合器、屋根裏の奥にある混合器には無理に触らないようにしましょう。転落やけがの危険があります。
1. 映らないのが地デジかBS・CSか、全部の部屋か一部の部屋かを確認する
家じゅうで同じ症状なら混合器やブースター、アンテナ側、一部の部屋だけなら分配器から先の配線を疑います
2. テレビの裏の分波器とケーブルを差し直す
分波器の「地デジ」「BS・CS」の出力が、テレビの正しい入力端子につながっているかも確認します
3. BS・CSアンテナ電源の設定を確認する
BS・CSだけ映らない場合は、テレビやレコーダーの設定メニューで「BS・CSアンテナ電源」が「オン」(機種によっては「オート」)になっているかを見ます。設定の名前や場所はメーカーや機種で違うので、取扱説明書で確認してください
4. ブースターの電源部を確認する
ブースターがある家では、電源部のコンセントが抜けていないか、ランプが点いているかを確認します
5. 手の届く混合器なら端子と接栓を目で見る
「UHF」「BS・CS」の表示どおりにつながっているか、接栓がゆるんだりさびたりしていないかを確認します。自分で配線を変えたあとに映らなくなったなら、元の配線に戻してみるのも手です
ここまで試しても直らない場合は、混合器そのものの故障か、屋外のケーブルやブースター、アンテナ本体に原因があると考えられます。どこが悪いかは、各部の受信レベルを測定器で測らないと特定できないため、業者に点検してもらいましょう。
混合器の交換・配線工事の費用相場
混合器の部品そのものは数千円程度で売られていますが、業者に頼む場合は、出張費や点検、交換作業の費用がかかります。下の表は、アンテナ工事業者の料金表など複数の情報をもとにした一般的な目安です。
| 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 混合器の交換・取り付け(部品代+作業費) | 5,000円〜15,000円程度 |
| 受信状態の調査・配線の手直し | 5,000円〜15,000円程度 |
| 分配器・分波器の交換 | 5,000円〜15,000円程度 |
| 混合機能付きブースターの設置・交換 | 15,000円〜45,000円程度 |
| 家全体のテレビ配線の工事 | 15,000円〜35,000円程度 |
混合器が屋根の上や屋根裏の奥など作業しにくい場所にある場合は、費用が上がることがあります。また、点検の結果、混合器だけでなくケーブルやブースター、アンテナの交換も必要になれば、そのぶん費用が加わります。
見積もりを取るときは、部品代・作業費・出張費がすべて含まれているか、作業のあとに追加料金が出ないかを確認しておきましょう。4K8K放送を見る予定があるなら、交換する混合器が4K8K対応かどうかも聞いておくと安心です。
※工事後のチャンネル設定まで対応
混合器を交換・追加するときのポイント
屋外か屋内か、設置場所に合ったものを選ぶ
混合器には屋内用と屋外用があります。アンテナの近くなど雨が当たる場所に付けるなら、防水の構造になった屋外用を選びます。屋内用を屋外に付けると、雨水が入って早く傷む原因になります。
通電の仕様を今の配線に合わせる
BS・CSアンテナにどこから電気を送っているか(テレビ・レコーダーか、ブースターの電源部か)によって、混合器に必要な通電の仕様が変わります。仕様が合わないとBS・CSが映らなくなるため、交換は今の配線を確認したうえで行う必要があります。
ブースターがあるなら混合の方法をそろえる
混合機能付きのブースターを使う場合は、別に混合器を付けると二重になってしまいます。ブースターの「混合入力」「別入力」の切り替えと、混合器の有無が合っているかを確認してもらいましょう。
屋根の上の作業は業者に任せる
混合器はアンテナのそばに付いていることが多く、交換には屋根やはしごの上での作業がともないます。転落の危険があるうえ、交換後は受信レベルを測って映りを確かめる必要もあります。高い場所の混合器は業者に任せるのが安全です。
混合器のトラブルの相談におすすめのアンテナ工事業者
混合器のまわりの不具合は、混合器・ブースター・ケーブル・アンテナのどこが原因なのかを測定器で確かめないと、正しく直せません。業者を選ぶときは、受信レベルを測ったうえで交換が必要な部分を説明してくれるか、見積もり後に追加料金が出ないか、工事後の保証があるかを確認しましょう。
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まとめ
混合器は、地デジとBS・CSの電波を1本のケーブルにまとめる部品です。小さく目立たない部品ですが、差し間違いや通電の不具合、劣化があると、家じゅうのテレビで地デジやBS・CSが映らなくなることがあります。
- 混合器は地デジとBS・CSを1本にまとめ、分波器はそれを分け直し、分配器は各部屋に分ける
- ブースターに混合機能が内蔵されていることもある
- 家じゅうでBS・CSだけ、地デジだけが映らないときは、混合器のまわりを疑う手がかりになる
- 主な原因は入力端子の差し間違い、BS・CSアンテナへの通電の不具合、接栓のゆるみ・さびや雨水の侵入、落雷、4K8K非対応など
- 自然災害による破損なら火災保険の対象になることもあるが、経年劣化は対象外で、契約内容次第。申請は契約者本人が保険会社に行う
- 混合器の交換は5,000円〜15,000円程度が目安。ブースターやケーブルの交換が必要なら費用が加わる
「混合器が悪いのか、ブースターやアンテナが悪いのか分からない」というときは、業者に受信レベルを測ってもらうのが一番の近道です。テレビが映らなくて困っているなら、まずは見積もりだけでも相談してみましょう。
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