テレビの分配器の寿命は、一般的に10年前後〜15年ほどが目安です。分配器は電源を使わない部品が多く、ブースターより長持ちしやすい機器ですが、屋外や湿気の多い屋根裏に付いているものは、端子のさびや防水の傷みで10年より早く不具合が出ることもあります。
設置から10年以上たっていて、一部の部屋だけ映りが悪い、BSが映ったり映らなかったりする、といった症状が出ているなら、分配器の交換を考えるタイミングです。分配器は天井裏や壁の中、屋外の高い場所にあることが多いので、点検と交換は業者に見てもらうのが安全です。
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テレビの分配器の寿命は何年?設置場所ごとの目安
分配器は、アンテナから届いた電波を2つ・3つ・4つと分けて、各部屋の壁のテレビ端子へ送る部品です。中に増幅する回路がないものがほとんどなので、24時間電気が流れているブースターと比べると、部品そのものが傷むスピードはゆっくりです。
それでも、端子の金具や内部の回路は年月とともに少しずつ劣化します。アンテナ工事の専門店などの情報では、分配器の寿命は10年程度、屋外用で10〜15年ほどとされていることが多く、置かれている場所によって大きく変わります。
| 設置場所 | 寿命の目安 | 傷みやすさの理由 |
|---|---|---|
| 分電盤やマルチメディアボックスの中 | 15年前後もつこともある | 雨風が当たらず温度の変化も小さい |
| 屋根裏・天井裏 | 10〜15年ほど | 夏の高温と冬の寒さの差が大きく、結露や湿気がたまりやすい |
| 屋外の壁・アンテナのマストの近く | 10年前後(もっと早いことも) | 雨・紫外線・寒暖差にさらされ、つなぎ目から水が入ることがある |
| 海の近くの屋外 | 10年より短くなることがある | 潮風で金具がさびやすい |
表の年数は、複数のアンテナ工事関連の情報で言われている一般的な目安で、メーカーが寿命を決めているものではありません。5〜6年で不具合が出ることもあれば、20年近く問題なく使えていることもあります。年数だけで判断せず、次の章で紹介するサインが出ていないかもあわせて確認しましょう。
家を建てたときから一度も替えていない家は要注意
分配器は新築のときに天井裏などに取り付けられ、その後は誰も見ないまま使い続けられていることがよくあります。アンテナやブースターを交換したことがあっても、分配器だけは建てたときのままという家も少なくありません。築10年を過ぎていて、分配器を一度も替えた覚えがないなら、点検のついでに状態を見てもらうと安心です。
寿命が近い分配器に出やすいサイン
分配器が劣化してくると、各部屋に分けられた先の電波が弱くなったり、不安定になったりします。症状の出方で、分配器が原因かどうかの見当をつけられます。
| 症状 | 分配器が原因の可能性 | ほかに考えられる原因 |
|---|---|---|
| 一部の部屋のテレビだけ映りが悪い | 高い | その部屋のケーブル・壁の端子 |
| 部屋によってBSが映ったり映らなかったりする | 高い | BSアンテナ電源の設定 |
| 雨の日や暑い日だけ一部の部屋で映らない | 中くらい | 屋外のケーブルのつなぎ目 |
| 家じゅうのテレビで同時に映らない | 低い | アンテナ・ブースター |
1. 一部の部屋だけブロックノイズやE202が出る
分配器の特定の出力端子が傷んでいたり、その端子につながる接栓(ケーブルの先の金具)がさびていたりすると、その部屋だけ電波が弱くなります。ほかの部屋は普通に映るのに、決まった部屋だけノイズやエラーが出るなら、分配器を疑う手がかりになります。
2. 前より部屋ごとのアンテナレベルの差が大きくなった
テレビの設定メニューで見られるアンテナレベル(受信レベル)が、部屋によって大きく違うようになったら、分配器の端子や内部の劣化が進んでいることがあります。以前の数値を覚えていれば、比べる目安になります。
3. 天気や季節によって映りが変わる
屋外や屋根裏の分配器で防水や端子が傷んでいると、雨の日や湿気の多い時期、真夏の暑い日にだけ映りが悪くなることがあります。症状が出たり消えたりするので、気づきにくいサインです。
4. 見える場所の分配器に、さびや変色がある
分電盤のボックスの中やテレビ台の裏など、目で見られる場所に分配器がある場合は、端子やケーブルの金具が赤茶色や緑色にさびていないか、本体が変色していないかを見てみましょう。
反対に、家じゅうのテレビで同時に映らないときは、分配器より手前のアンテナやブースターに原因があることが多くなります。分配器の故障の症状を部屋ごとに切り分ける方法は、分配器の故障の症状とは?一部の部屋だけ映らない原因と交換費用でも詳しく解説しています。
分配器の劣化を早める設置場所と条件
同じ分配器でも、置かれている環境で寿命は変わります。次のような条件に当てはまる家では、10年を待たずに不具合が出ることもあります。
屋外で雨や日差しを受けている
アンテナの近くや外壁に付いている屋外用の分配器は、防水の作りになっていますが、長年の紫外線でケースやゴムのパッキンが硬くなり、すき間ができることがあります。とくに傷みやすいのはケーブルとのつなぎ目で、防水テープや防水キャップが劣化すると、そこから入った雨水で中の端子がさびてしまいます。
屋根裏で暑さと湿気にさらされている
屋根裏は夏に高温になり、冬との温度差も大きい場所です。換気が悪い家では湿気や結露で金具がさびやすくなります。雨漏りがあった家では、分配器やケーブルにも水がかかっていることがあるので注意が必要です。
海の近くで潮風が当たる
海に近い地域では、潮風に含まれる塩分で金具のさびが早く進みます。屋外に付いた分配器やケーブルの接栓は、内陸より短い年数で傷むことがあります。
屋内用の分配器を屋外で使っている
分配器には屋内用と屋外用があり、屋内用は防水の作りになっていません。後から自分で配線を足したときなどに、屋内用の分配器が軒下やベランダに付けられていると、短い年数で故障しやすくなります。
近くに雷が落ちた
寿命とは別に、近くに落ちた雷の電気がアンテナやケーブルを伝わって、分配器やブースター、テレビの端子が一度に壊れることもあります。雷のあとに急に映らなくなった場合は、分配器だけでなくブースターもまとめて点検してもらいましょう。
落雷・台風・強風・雪などの自然災害でアンテナや配線の機器が壊れた場合は、加入している火災保険で補償の対象になることがあります。ただし、対象になるかどうかや補償の範囲は契約内容によって違い、経年劣化による故障は対象外です。申請は契約者本人が保険会社に行います。
寿命かどうかを自分で確かめる方法
映りが悪い原因が分配器の寿命なのか、ほかの部分なのかは、家の中で安全にできる範囲でもある程度しぼり込めます。屋根裏に入る作業や、はしごを使って屋外の分配器を触る作業は、転落やけがの危険があるのでやめておきましょう。
1. 映らない部屋のケーブルを差し直す
テレビ側と壁の端子側の両方で、ケーブルがしっかり差さっているかを確かめます。掃除や家具の移動で抜けかけているだけのこともあります。
2. 映る部屋のテレビやケーブルと入れ替えてみる
映る部屋のケーブルを借りて映らない部屋につなぐ、映らない部屋のテレビを映る部屋に持っていく、という入れ替えをすると、テレビやケーブルの問題か、壁から先の配線の問題かが分かります。
3. 部屋ごとのアンテナレベルを比べる
テレビの設定メニューでアンテナレベルを表示し、部屋ごとの数値を比べます。特定の部屋だけ大きく低ければ、その部屋につながる分配器の端子や配線が傷んでいる可能性が高くなります。
4. BSアンテナ電源の設定を確認する
BS・CSだけ映らない部屋がある場合は、テレビの「BS・CSアンテナ電源」の設定を確かめます。電気を1つの端子からしか通せない分配器では、決まった部屋のテレビの設定がオフになっているとほかの部屋でもBSが映らなくなります。設定の名前や場所はメーカーや機種で違うので、取扱説明書で確認してください。
それでも直らない場合はアンテナ側の不具合を疑う
ここまで試しても映りが戻らない場合は、分配器そのものの劣化か、天井裏や壁の中のケーブル、ブースター、アンテナ本体の不具合が考えられます。どこが悪いかは各部屋の端子で受信レベルを測って比べないと特定できず、分配器のある天井裏や屋外での作業も必要になります。原因の確認と見積もりは無料の業者が多いので、まずは業者に見てもらうのが早道です。
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分配器を交換するなら4K8K対応品を選ぶ
寿命で分配器を交換するなら、今の放送に合ったものに替えておくと、あとで困りにくくなります。古い分配器の中には、BS・CSの周波数に対応していないものや、新4K8K衛星放送の一部で使われる高い周波数(3,224MHzまで)に対応していないものがあるためです。
SHマークの付いた分配器が目印
4K8K放送の周波数に対応した分配器やブースター、壁の端子には、電子情報技術産業協会(JEITA)の「SHマーク」が付いているものがあります。業者に交換を頼むときは、4K8K対応品を使ってもらえるか確認しておきましょう。分配器だけを替えても、ケーブルや壁の端子が古いままだと4K8K放送が映らないことがあるため、配線全体を見てもらうのが確実です。古い端子や配線を替える理由は、4K8K対応へ!古いアンテナ端子の交換と配線環境を一新すべき理由で解説しています。
BSを見る部屋が多いなら全端子通電型にする
1つの端子からしかBSアンテナに電気を送れない分配器だと、決まった部屋のテレビを消すとほかの部屋でBSが映らなくなることがあります。複数の部屋でBSを見る家では、どの端子からでも電気を送れる全端子通電型に替えると使いやすくなります。
分配器か分岐器かも見直す
家によっては、電波を均等に分ける分配器ではなく、途中で少しずつ電波を取り出す分岐器が使われていることもあります。交換のときに、部屋数や配線の形に合った部品になっているかを見直してもらうと、末端の部屋の映りが良くなることがあります。違いは分配器と分岐器の違いとは?戸建てでの使い分けと交換費用の目安で紹介しています。
分配器の交換費用の目安
分配器の部品そのものは数千円程度のものが多いですが、業者に頼む場合は、出張費や点検、交換作業の費用もかかります。下の表は、アンテナ工事関連の複数の情報をもとにした一般的な目安です。
| 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 屋内の分配器の交換(手の届く場所) | 5,000円〜15,000円程度 |
| 屋根裏・屋外の高い場所にある分配器の交換 | 10,000円〜25,000円程度 |
| 受信状態の調査・配線の手直し | 5,000円〜15,000円程度 |
| ブースターの交換(本体+電源部) | 15,000円〜45,000円程度 |
分配器の交換だけで済むこともあれば、調べた結果、同じ年数たったケーブルやブースターもあわせて替えたほうがよいと分かることもあります。見積もりでは、部品代・作業費・出張費がすべて含まれているか、作業のあとに追加料金が出ないかを確認しておきましょう。
自分で交換するのは手の届く屋内の分配器だけにする
テレビ台の裏など手の届く場所にある屋内用の分配器なら、同じ分配数の4K8K対応品に自分で取り替えることもできます。ただし、天井裏や屋外の分配器は転落の危険があるうえ、交換後に各部屋の受信レベルを測って確かめる必要があります。手の届かない場所の分配器は、業者に任せるのが安全です。
まとめ
テレビの分配器は目立たない部品ですが、年月とともに少しずつ傷み、一部の部屋だけ映らない、BSが不安定になるといったトラブルにつながります。年数と症状の両方を見て、交換の時期を判断しましょう。
- 分配器の寿命は10年前後〜15年ほどが一般的な目安
- 屋外・屋根裏・海の近くでは、10年より早く傷むことがある
- 一部の部屋だけ映りが悪い症状は、分配器を疑う手がかり
- 家じゅうで映らないなら、アンテナやブースターを先に疑う
- 交換するなら4K8K対応のSHマーク付きの分配器を選ぶ
- 交換費用は5,000円〜25,000円程度が目安
設置から10年以上たっていて映りに不安があるなら、分配器だけでなくケーブルやブースターも含めて、業者に受信レベルを測ってもらうのが近道です。まずは見積もりだけでも相談してみましょう。
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