片流れ屋根の家では、屋根の上にアンテナを立てる方法は使いにくく、破風板(屋根の端の板)や外壁、条件が合えば屋根裏に付けるのが一般的です。屋根の上のアンテナは、屋根のてっぺん(棟)にまたがる台で支えるのが基本ですが、片流れ屋根は一方向にしか傾いていないため、その台を安定して置けないからです。
費用の目安は、外壁にデザインアンテナを付けて2万〜6万円程度、破風板に八木アンテナやユニコーンアンテナを付けて1.5万〜6万円程度です。どこなら映るかは家の向きと電波の強さで変わるので、まずは電波を測ってもらうところから始めましょう。
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片流れ屋根の上にアンテナを立てにくい理由
片流れ屋根は、1枚の屋根が一方向にだけ傾いている形です。すっきりした外観になり、太陽光パネルも載せやすいことから、新築で選ぶ人が増えています。ただ、アンテナを屋根の上に立てる工事とは相性がよくありません。
屋根馬を置く「棟」がない
屋根の上の八木アンテナは、屋根馬という台に支柱を立て、ワイヤー(支線)を四方に張って固定します。切妻屋根や寄棟屋根なら、屋根のてっぺんの棟に屋根馬をまたがせて置けるので、重さが左右に分かれて安定します。片流れ屋根には両側に傾いた棟がないため、屋根馬を傾いた面の上に置くことになり、バランスを保ちにくくなります。そのため、多くの業者は片流れ屋根の上への設置を避け、別の場所を提案します。
傾きが急だと作業そのものが危ない
アンテナ工事で屋根に上りやすいのは、勾配が3寸〜5寸(約17〜27度)くらいまでの屋根とされています。6寸を超える急な屋根は、命綱や足場が必要になり、対応できる業者が限られます。片流れ屋根は勾配の付け方が家ごとに違うので、屋根に上れるかどうかも含めて現地で判断してもらう必要があります。
太陽光パネルや金属屋根との兼ね合い
片流れ屋根は、傾いた面いっぱいに太陽光パネルを載せている家も多く、アンテナを立てる場所や支線を張る場所が残っていないことがあります。また、ガルバリウム鋼板などの金属屋根を使った家では、屋根材を傷つけたりさびの原因を作ったりしない配慮も必要です。金属屋根ならではの注意点はガルバリウム屋根のアンテナはどこに付ける?屋根裏で映らない理由と費用でまとめています。
片流れ屋根の家で選ばれるアンテナの付け方
屋根の上の代わりによく選ばれるのは、破風板・外壁・屋根裏の3つです。それぞれの特徴を比べると次のとおりです。
| 付け方 | 向いているアンテナ | 受信のしやすさ | 外観 |
|---|---|---|---|
| 高い側の破風板に付ける | 八木アンテナ・ユニコーンアンテナ | 屋根に近い高さを取れるので受信しやすい | アンテナが見える |
| 外壁(壁面)に付ける | デザインアンテナ・BS/CSアンテナ | 屋根の高さより低いぶん、やや弱くなる | 壁の色に合わせると目立ちにくい |
| 屋根裏に置く | 八木アンテナ | 屋根材や断熱材しだいで弱くなる | 外から見えない |
高さを取りたいなら高い側の破風板
片流れ屋根は、屋根の高い側の端が建物のいちばん高い位置になります。この高い側の破風板に専用の金具をねじで留め、そこにアンテナを付ける方法は、屋根の上に近い高さを確保しやすいのが利点です。電波がやや弱い地域や、周りに高い建物がある場所でも受信しやすくなります。
見た目を気にするなら、細長い棒のような形のユニコーンアンテナを破風板に付ける方法もあります。八木アンテナより目立ちにくく、受信性能も高めとされています。ただし、高い側の破風板が送信所と反対の向きにある場合は、建物自体が電波をさえぎることもあるので、実際に測ってから決めるのが確実です。
外観を重視するなら外壁のデザインアンテナ
デザインアンテナは薄い箱の形で、外壁に付けても目立ちにくいのが特徴です。片流れ屋根のシンプルな家にもなじみます。屋根の上より低い位置になるため、電波の強い地域で、送信所の方向に開けた壁面があることが条件になります。屋根と外壁の境目は雨水が入りやすい部分なので、その近くにねじ穴を開けないよう業者と位置を相談しましょう。外壁に付けるときの穴や雨漏りの注意点はテレビアンテナを外壁に付けても大丈夫?穴・雨漏りの注意点と費用で詳しく解説しています。
屋根裏は空間と屋根材しだい
屋根裏にアンテナを置ければ、外から見えず、雨風で傷むこともありません。ただ、片流れ屋根の家は、天井を高くするために屋根裏の空間がほとんどないことがあります。アンテナを置ける広さと、点検口から人が入れるかどうかがまず条件です。さらに、金属屋根やアルミシート付きの断熱材の家では電波が届きにくく、屋根裏では映らないこともあります。
片流れ屋根のアンテナ工事の費用相場
アンテナ本体と標準的な工事費を含めた費用の目安は次のとおりです。電波の状況、取り付ける高さ、配線の長さ、ブースターの有無などで変わります。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 地デジの八木アンテナを破風板に設置 | 15,000円〜50,000円程度 |
| 地デジのユニコーンアンテナを破風板に設置 | 30,000円〜60,000円程度 |
| 地デジのデザインアンテナを外壁に設置 | 20,000円〜60,000円程度 |
| 地デジのアンテナを屋根裏に設置 | 20,000円〜45,000円程度 |
| 地デジ(デザインアンテナ)+BS・CSのセット | 50,000円〜90,000円程度 |
| ブースターの追加 | 15,000円〜35,000円程度 |
表の金額は複数の情報をもとにした目安で、業者や地域によって幅があります。片流れ屋根の家では、次のような場合に追加の費用がかかることがあります。
- 高い側の破風板が高く、はしごが届かない場合
- 足場や高所作業車が必要と判断された場合
- 外壁や破風板では電波が足りず、ブースターを付ける場合
- 配線を室内へ引き込む穴あけや、配線の延長が必要な場合
3階建てなど建物が高い家では、破風板への工事に足場が必要になることもあります。見積もりでは金額だけでなく、どこに付けるか、何で固定するか、防水処理と保証の内容までそろえて比べると、あとで食い違いが起きにくくなります。
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BS・CSアンテナは片流れ屋根でも付けられる
BS・CSアンテナは、地デジのアンテナとは別に、南西の空へ向けて付けます。もともと屋根の上に立てるより、ベランダの手すりや外壁に付けることが多いアンテナなので、片流れ屋根かどうかはあまり影響しません。
気をつけたいのは、南西の方向に屋根の高い側や隣の建物がかぶらないかどうかです。片流れ屋根は高い側の壁がそびえる形になるため、その壁の陰になる位置では受信できません。南西に面した外壁かベランダで、空が開けている場所を選びます。屋根裏や室内ではBS・CSは受信できないので、屋外への設置が前提です。
新築で片流れ屋根にするなら決めておきたいこと
これから家を建てる場合は、建築中に少し準備しておくだけで、アンテナを付けられる場所の選択肢が広がり、外壁に開ける穴も減らせます。
アンテナを付ける場所の近くまで配線を用意してもらう
破風板や外壁にアンテナを付ける予定なら、その近くまで配線の通り道(空配管)を用意してもらうよう住宅会社に伝えておきましょう。引き渡しのあとに外壁へ配線用の穴を開ける必要が少なくなります。分配器やブースターを置く場所も、あとで点検しやすい位置にしてもらうと安心です。
屋根裏アンテナを当てにしない
「アンテナを見せたくないから屋根裏に」と考えていても、片流れ屋根の家では屋根裏の空間が足りなかったり、屋根材の影響で映らなかったりすることがあります。外観を重視するなら、壁の色に合わせたデザインアンテナを目立ちにくい面に付ける案も候補にしておきましょう。設置場所ごとの違いはテレビアンテナの設置場所はどこがいい?屋根上・壁面・屋根裏を比較も参考になります。
引き渡しの前後に電波を測ってもらう
アンテナの位置は、建物が建って周りの環境がわかってからのほうが正確に決められます。引き渡しの少し前に業者へ現地調査を頼み、どの壁面や高さで受信できるかを測ってもらうと、入居の日からテレビを見られるように準備できます。
片流れ屋根のアンテナ工事を業者に頼むときの確認ポイント
片流れ屋根は、業者によっては屋根の上の工事を断られることもある形です。見積もりや現地調査のときに、次の点を聞いておきましょう。
| 確認すること | 聞いておく理由 |
|---|---|
| どの場所で、どのくらいの電波が受信できるか | 破風板・外壁・屋根裏のどこで足りるかは測定しないとわからないため |
| 破風板や外壁にどう固定するか | 金具の種類やねじの位置で、強風への強さや雨漏りのリスクが変わるため |
| 穴を開ける場合の防水処理 | 屋根と外壁の境目の近くは雨水が入りやすく、処理の丁寧さが大事なため |
| 足場や高所作業の追加費用がかかるか | 高い側の破風板に付けるときに、当日になって費用が増えるのを防ぐため |
| 工事後の保証の内容と期間 | アンテナだけでなく、取り付け部分の不具合まで対応してもらえるかを確かめるため |
新築の場合は、住宅会社の外壁や屋根の保証に、あとから付けた金具やねじ穴がどう扱われるかも先に確認しておくと安心です。
まとめ
片流れ屋根の家のアンテナ設置のポイントをまとめます。
- 片流れ屋根は屋根馬を置く棟がなく、屋根の上には立てにくい
- 高さを取るなら、高い側の破風板に八木やユニコーンアンテナを付ける
- 外観を重視するなら、外壁にデザインアンテナを付ける
- 屋根裏は空間と屋根材しだいで、映らないこともある
- 費用の目安は、破風板や外壁への設置で1.5万〜6万円程度
- BS・CSは南西が開けた外壁やベランダに付ける
どこに付ければ映るかは、家の向きや周りの建物、地域の電波の強さで変わります。まずは無料の現地調査で、片流れ屋根の家に合った設置場所を提案してもらいましょう。
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