アンテナの落下を防ぐには、アンテナを支えている支線(ワイヤー)や屋根馬、固定金具の緩みやさびを早めに見つけて、張り直しや金具の交換で補強しておくことが大切です。補強工事の費用は、支線の張り直しなら5,000円〜30,000円程度が目安で、本数や高所作業の有無で変わります。
屋根の上の点検は転落の危険があるため、自分では上らずに、地上や窓から見える範囲だけ確かめて、気になる点があれば業者に見てもらうのが安全です。
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テレビアンテナが落下する主な原因
屋根の上に立てる八木式アンテナは、支柱(マスト)を屋根馬という台座で立て、四方から支線で引っ張って支えています。落下は、この支える仕組みのどこかが弱ったところに強い風や雪の重みがかかって起きることがほとんどです。
支線の緩みや切れ
支線は雨風や日差しを受け続けるため、年数がたつと緩んだり、さびて切れたりします。支線が緩むと、風を受けたときにアンテナが大きく揺れて、屋根馬や金具に負担が集中します。
屋根馬や固定金具のさびとボルトの緩み
屋根馬や支柱を留めている金具がさびたり、ボルトが緩んだりすると、支える力が落ちます。強風のときに台座ごと屋根の上でずれて、傾きや落下につながることがあります。
支柱のさびや曲がり
支柱の根元がさびて細くなっていると、強い風で折れやすくなります。一度曲がった支柱は元の強さに戻らないため、交換が必要です。
台風や強風、雪の重み
台風や春先の強風、屋根に積もった雪の重みは、弱った部分に一気に力をかけます。高台や海沿いなど、周りに風をさえぎるものが少ない家は、同じ台風でも強い風を受けやすくなります。
海沿いの潮風によるさび
海に近い地域では、潮風に含まれる塩分で金属がさびやすくなります。支線や金具、支柱のさびが内陸より早く進むことがあるため、海沿いの家は点検の間隔を短めにしておくと安心です。さびに強いステンレス製の支線や金具を選べるか、業者に相談してみましょう。
落下の前に出やすいサイン
アンテナはいきなり落ちるより、先に傾きや揺れ、映りの悪さとして変化が出ることが多いです。次のようなサインがあれば、早めに点検を頼みましょう。
| 見えるサイン | 考えられる状態 |
|---|---|
| アンテナが傾いている | 支線の緩みや切れ、屋根馬のずれ |
| 風の日にアンテナが大きく揺れる | 支線の張りが弱い、金具の緩み |
| 支線がたるんでいる、垂れ下がっている | 支線の緩み、支線アンカーの抜け |
| 金具や支柱が茶色くさびている | 金属の劣化で支える力が落ちている |
| 風の日だけ映りが悪くなる | アンテナが揺れて向きが変わっている |
支線がどんな状態になったら張り直しが必要かは、アンテナの支線の張り直しが必要なサインで詳しく紹介しています。
点検や補強を頼むタイミング
サインが出ていなくても、次のような時期には一度点検を頼んでおくと安心です。落ちてから直すより、落ちる前に補強するほうが、屋根や周りへの被害を防げて費用も抑えやすくなります。
設置から10年前後たったとき
屋外に設置したテレビアンテナの寿命は、一般に10年前後が目安といわれています。アンテナ本体だけでなく、支線や屋根馬、金具も同じだけ雨風を受けているため、設置から10年前後たったら支える部分もまとめて点検してもらいましょう。
台風の季節の前
台風が多い夏から秋の前に点検しておくと、緩みやさびを強風の前に直せます。台風が近づいてからでは、工事の予約が取りにくくなることもあります。
強い風や大雪のあと
見た目に変化がなくても、強い風や大雪のあとは支線が伸びたり、金具が緩んだりしていることがあります。風の日に映りが悪くなるなど、いつもと違う様子があれば早めに見てもらいましょう。
屋根の工事や塗装をするとき
屋根の葺き替えや塗装で足場を組むときは、アンテナの点検や交換も一緒に頼むと、高所作業の手間をまとめられます。屋根の工事の業者とアンテナの業者が別の場合は、工事の順番を前もって相談しておきましょう。
落下を防ぐための補強の方法
補強の方法は、どこが弱っているかで変わります。業者に点検してもらい、状態に合った方法を提案してもらうのが確実です。
支線を張り直す・本数を増やす
緩んだ支線を張り直したり、さびた支線を新しいものに交換したりします。風の強い地域では、支線の本数を増やして支える力を高めることもあります。
屋根馬や固定金具を交換する
さびた屋根馬や金具は、新しいものに交換します。屋根馬の下にゴムのマットを敷いて、屋根材を傷めずにずれにくくする方法もあります。
雪の多い地域では雪の重みにも備える
雪の多い地域では、アンテナや支線に積もった雪の重みと、屋根から雪が滑り落ちるときの力が加わります。雪下ろしのときにアンテナや支線に触れて傷めることもあるため、冬の前に支線の張りと金具の固定を確かめておきましょう。アンテナの位置が雪の落ちる場所に近い場合は、設置場所を変えることも含めて業者に相談すると安心です。
風を受けにくい場所や形に変える
アンテナが古い場合は、補強より交換のほうが安く済むこともあります。外壁に付けるデザインアンテナなど、風を受けにくい設置方法も選べます。どの方法が台風に強いかは台風に強いテレビアンテナの比較で紹介しています。ただし、電波の弱い地域では外壁のアンテナで映らないこともあるため、電波を測ってから決めましょう。
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落下防止の補強工事にかかる費用の目安
費用は、支線の本数、支線アンカーや金具を交換するか、屋根の形や高さによる高所作業の有無で変わります。目安は次のとおりです。
| 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 点検・現地調査 | 無料〜数千円程度(無料の業者も多い) |
| 支線の張り直し・交換 | 5,000円〜30,000円程度 |
| 屋根馬や固定金具の再固定・交換 | 10,000円〜30,000円程度 |
| 傾いたアンテナの立て直し | 10,000円〜30,000円程度 |
| アンテナの交換(屋根馬・支柱・支線を含む) | 20,000円〜100,000円程度 |
屋根の上での作業は、高所作業費が別にかかる場合があります。見積もりでは、どこまでが料金に含まれるかを確認しておきましょう。複数の業者から見積もりを取って比べると、工事の内容と金額が適正か判断しやすくなります。
見積もりで確認しておきたいこと
見積もりを受け取ったら、支線を何本張り直すのか、支線アンカーや屋根馬を交換するのか、部材の代金と作業費が分かれて書かれているかを見ておきましょう。点検の結果、交換を勧められた場合は、補強で済ませた場合との金額の差と、それぞれ何年くらい持つ見込みかも聞いておくと比べやすくなります。工事のあとの保証の期間と、保証の対象になる範囲も確かめておくと安心です。
業者に伝えておくとよいこと
問い合わせのときは、アンテナの種類(八木式かデザインアンテナか)、設置してからのおおよその年数、傾きや揺れに気づいた時期を伝えると、当日の準備がスムーズになります。地上や窓から撮った写真があれば、見せられるようにしておきましょう。
自分で点検するときの注意
アンテナの状態は、屋根に上らなくても地上や2階の窓からある程度確かめられます。屋根の上は滑りやすく、転落すると大けがにつながるため、自分で上るのはやめましょう。
- 強風や台風のあとは、アンテナがまっすぐ立っているかを見る
- 支線がたるんでいないかを地上から確かめる
- 見えにくいときは、双眼鏡やスマートフォンのズームを使う
- 気になる点は写真に撮っておき、業者に見せる
はしごをかけて支線を締め直したり、屋根馬を動かしたりする作業は、専門の業者に任せるのが安全です。
落下して周りに被害が出たときの考え方
アンテナが落ちて隣の家の屋根や車、通行人に被害が出ると、持ち主の管理の状態が問われることがあります。落ちる前に補強しておくことが、いちばんの備えです。万一被害が出たときの責任や撤去の流れは、アンテナ倒壊で隣の家に被害が出たときの対応で解説しています。
台風・強風・雪・落雷などの自然災害でアンテナが壊れた場合は、加入している火災保険で補償の対象になることがあります。ただし、経年劣化によるさびや緩みが原因のものは対象外で、対象になるかどうかは契約内容によって違います。申請は契約者本人が保険会社に行います。
まとめ
アンテナの落下は、支線の緩みや屋根馬・金具のさびなど、支える部分の劣化に強い風や雪が重なって起きます。傾きや揺れ、支線のたるみといったサインに気づいたら、落ちる前に点検と補強を頼みましょう。
補強の費用は、支線の張り直しなら5,000円〜30,000円程度が目安です。屋根には自分で上らず、見積もりで工事の内容と金額を確かめてから依頼してください。
※見積もりだけでもOK








