テレビアンテナが曲がったときは、自分で屋根に上って曲げ戻さず、まず地上からどこがどれくらい曲がったかを確かめて、業者に点検を頼むのが安全です。素子の小さな曲がりで映りに問題がなければ向きの調整や部品の交換で済むこともありますが、支柱(マスト)が曲がった、アンテナ全体が傾いたという場合は倒れるおそれがあるため早めの対応が必要です。
費用の目安は、向きの調整や立て直しで5,000円〜25,000円程度、アンテナ本体ごとの交換で20,000円〜100,000円程度です。曲がった部分と屋根の形で変わるので、見積もりで総額を確かめてから決めましょう。
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曲がったのはアンテナのどの部分か
「アンテナが曲がった」といっても、曲がった場所によって映りへの影響も、直し方も大きく変わります。業者に連絡する前に、地上や2階の窓から見て、どの部分が曲がっているかを確かめておきましょう。
| 曲がった部分 | 起きやすいこと | 主な直し方 |
|---|---|---|
| 地デジアンテナの素子(横に並んだ細い棒) | 数本の小さな曲がりなら映りに出ないこともある。曲がりが大きいと受信が弱くなる | 向きの調整かアンテナ本体の交換 |
| 支柱(マスト) | アンテナ全体が傾き、向きがずれる。強い風で折れやすくなる | マストの交換と立て直し |
| BSアンテナのお皿や腕の部分 | わずかな角度のずれでBS・CSが映らなくなる | 角度の調整かBSアンテナの交換 |
| 屋根馬(土台)ごと傾いた | 支線の緩みや切れが重なっていることが多い。倒れる手前のこともある | 立て直しと支線の張り直し |
どの部分が曲がっていても、曲がった金属を手で戻して元の強さに戻ることはありません。見た目が小さな曲がりでも、受信の余裕が減っていたり、ほかの部分に負担がかかっていたりすることがあります。
テレビアンテナが曲がる主な原因
アンテナは屋根の上で一年中雨風を受けているため、いろいろなきっかけで曲がります。原因によって火災保険の扱いも変わるので、いつ・何があったあとに気づいたかを思い出しておくと、業者や保険会社に説明しやすくなります。
台風や強い風
いちばん多いのが強い風です。風を受けて素子がしなったまま戻らなくなったり、支線が緩んでマストごと曲がったりします。台風のあとに向きがずれただけの場合は、台風でアンテナがずれたときの向き調整も参考にしてください。
雪の重みや雪下ろし
雪の多い地域では、素子に積もった雪の重みや、屋根から滑り落ちる雪に押されて曲がることがあります。雪下ろしの道具がぶつかって曲げてしまったときは、雪下ろしで曲がったアンテナの修理で直し方をまとめています。
カラスなど大きな鳥
アンテナは鳥がとまりやすい場所です。カラスのような大きな鳥が同じ素子に何度もとまるうちに、細い素子が少しずつ下へ曲がっていくことがあります。
さびや年数による弱り
設置から10年以上たつと、金具や素子の付け根がさびて弱くなり、以前なら耐えられた風でも曲がりやすくなります。この場合は一か所を直しても別の場所が傷んでいることが多く、交換を勧められることもあります。
映っていれば様子を見てもよいか
素子が1〜2本だけ少し曲がっていて、テレビの映りにも変化がなければ、すぐに映らなくなるとは限りません。ただ、曲がった金属は元の強さに戻らないため、次の強い風や雪で曲がりが大きくなることがあります。様子を見る場合も、次のことは確かめておきましょう。
テレビのアンテナレベルを見ておく
テレビの設定メニューからアンテナレベル(受信強度)を表示して、数値を控えておきます。数日おきに見て下がっていくようなら、向きがずれてきているサインです。数値の目安や表示のしかたはテレビのメーカーで違うので、取扱説明書でも確かめておきましょう。
天気の悪い日の映りを見る
晴れた日は映っても、雨や風の日にだけブロックノイズが出る、特定のチャンネルが映らなくなるという場合は、受信の余裕が少なくなっています。曲がりが映りに影響し始めていると考えて、点検を頼みましょう。
地上から写真を撮っておく
スマートフォンのズームで、曲がった部分と支線の様子を撮っておきます。少し時間を空けて同じ場所から撮り比べると、曲がりや傾きが進んでいるかがわかります。業者に問い合わせるときにも役に立ちます。
はしごをかけて屋根に上ったり、手で曲げ戻したりするのはやめましょう。曲げ戻した金属は付け根から折れやすく、屋根からの転落の危険もあります。
すぐに業者を呼びたいサイン
次のような状態は、様子を見ずに早めに業者に連絡したほうがよいサインです。アンテナが屋根から落ちると、屋根材や車、隣の家を傷つけるおそれがあります。
| 気づいたこと | 考えられる状態 |
|---|---|
| マストが途中から折れ曲がっている | 強度が落ちていて、次の強風で折れるおそれがある |
| アンテナ全体が斜めになっている | 支線の切れや屋根馬のずれが重なっている |
| 素子が外れて垂れ下がっている | 部品が屋根から落ちるおそれがある |
| テレビが全く映らない・エラーが出る | 向きが大きくずれたか、ケーブルや接続部も傷んでいる |
| 支線が切れて風になびいている | アンテナを支える力が大きく落ちている |
アンテナレベルが下がっている、天気の悪い日に映らない、上のサインのどれかに当てはまるという場合は、曲がった部分だけでなくマストや支線、ケーブルまで傷んでいることが考えられます。原因の確認と見積もりは無料の業者が多いので、まずは業者に見てもらうのが早道です。
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修理か交換かの判断と費用の目安
曲がったアンテナは、曲がりが小さく本体が新しければ調整や部品の交換で済みますが、曲がりが大きいときや設置から10年以上たっているときは、本体ごと交換したほうが結果的に安く済むことがあります。費用の目安は次のとおりです。
| 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 点検・現地調査 | 無料〜数千円程度(無料の業者も多い) |
| 向きの調整 | 5,000円〜20,000円程度 |
| 傾いたアンテナの立て直し・支線の張り直し | 10,000円〜25,000円程度 |
| マストの交換(アンテナは再利用) | 15,000円〜35,000円程度 |
| 地デジアンテナ・BSアンテナ本体の交換 | 20,000円〜35,000円程度(1台あたり) |
| 屋根馬・マスト・支線を含めた一式の交換 | 30,000円〜100,000円程度 |
屋根の勾配が急な家や3階建ては、高所作業費が別にかかることがあります。屋根材が割れていれば、その補修は屋根の工事として別の費用になります。
交換を選んだほうがよい場合
素子が何本も曲がっている、マストと本体の両方が傷んでいる、設置から10年以上たっているといった場合は、曲がった部分だけ直しても、ほかの部分が次の風で傷むことがあります。補修した場合と交換した場合の両方の金額を出してもらい、何年くらい持つ見込みかも聞いて比べましょう。
見積もりで確かめたいこと
見積もりでは、出張費・高所作業費・部材代・古いアンテナの処分費が含まれているかを確かめます。交換する場合は、同じ八木式にするか、風を受けにくい外壁のデザインアンテナにするかも選べます。ただし、電波の弱い地域ではデザインアンテナで映らないこともあるため、電波を測ってから決めましょう。
火災保険が使える場合と使えない場合
台風・強風・雪・落雷などの自然災害でアンテナが曲がった場合は、加入している火災保険で補償の対象になることがあります。一方で、さびや年数による弱りで曲がったものは経年劣化として対象外です。
対象になるかどうかや自己負担の額は、契約内容によって違います。申請は契約者本人が保険会社に行うものなので、まずは保険証券で補償の範囲を確かめ、保険会社か代理店に問い合わせましょう。業者に修理の見積書と、曲がった部分の写真を用意してもらうと、手続きを進めやすくなります。
「アンテナが曲がっている」と訪問されたとき
近所で工事をしている業者を名乗って突然訪ねてきて、「お宅のアンテナが曲がっている」と屋根に上ろうとする手口が知られています。自分で確かめていないのにそう言われた場合は、その場で屋根に上らせたり契約したりせず、いったん断りましょう。
本当に曲がっているかは、地上からの写真で自分でも確かめられます。気になる場合は、自分で選んだ業者に点検を頼めば安心です。よくある手口と断り方はアンテナ点検詐欺の手口と対処法にまとめています。
まとめ
テレビアンテナが曲がったときは、自分で屋根に上らずに、地上からどの部分がどれくらい曲がったかを確かめましょう。素子の小さな曲がりで映りが変わらなければ様子を見ることもできますが、マストの曲がりやアンテナ全体の傾き、映りの悪化があれば早めに業者に見てもらうのが安全です。
費用は向きの調整で5,000円〜20,000円程度、本体の交換で20,000円〜35,000円程度が目安です。自然災害で曲がった場合は火災保険の対象になることもあるので、契約内容を確かめたうえで、見積もりで工事の内容と金額を比べてから依頼してください。
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