屋根の葺き替えやカバー工法をするときは、屋根の上のアンテナは一度取り外す必要があります。アンテナを支える屋根馬や支線が屋根材の上に載っているため、付けたままでは古い屋根材をはがしたり新しい屋根材を張ったりできないからです。
費用の目安は、撤去だけなら5,000円〜20,000円程度、新しいアンテナに替えて付け直すなら15,000円〜60,000円程度です。屋根業者の見積もりに「アンテナ脱着」が含まれていないこともあるので、工事が始まる前に誰が外して誰が付け直すのかを決めておきましょう。
※見積もりだけでもOK
屋根の工事でアンテナはどうなる?工事の種類別の扱い
屋根の工事といっても、葺き替え・カバー工法・塗装では屋根に手を入れる範囲が違うため、アンテナの扱いも変わります。まずは自分の家の工事がどれに当たるかを確認しましょう。
| 屋根の工事 | 工事の内容 | アンテナの扱い |
|---|---|---|
| 葺き替え | 古い屋根材と下地をはがして新しい屋根に替える | 必ず取り外す。工事後に付け直すか撤去・移設するかを選ぶ |
| カバー工法(重ね葺き) | 今の屋根の上に防水シートと新しい屋根材を重ねる | 屋根馬や支線が邪魔になるため、取り外すのが基本 |
| 屋根塗装 | 屋根材はそのままで表面を塗り直す | そのまま残すこともある。屋根馬の下や支線の周りを塗るために一時的に外すこともある |
| 部分的な補修 | 割れた瓦の差し替えや棟の補修など | 補修する場所がアンテナの近くでなければ、そのままのことが多い |
葺き替えのときは必ず一度外す
葺き替えは屋根材をすべてはがす工事なので、屋根の上に立てた八木式アンテナやBS・CSアンテナは、工事の前に取り外す必要があります。アンテナを支える屋根馬は屋根の頂上(棟)に置かれ、支線は屋根の四隅などに固定されていることが多く、どちらも屋根材と一緒に動かさなければなりません。
カバー工法でも外すのが基本
カバー工法は今の屋根をはがさずに上から新しい屋根材をかぶせる方法ですが、屋根の表面全体を覆うため、屋根馬や支線を残したままでは施工できません。葺き替えと同じく、一度外してから工事後に付け直すか、別の場所へ移すかを決めることになります。
屋根塗装はそのままのこともある
屋根塗装は屋根材を替えないので、アンテナを付けたまま周りを塗ることもあります。ただし屋根馬の下や支線の固定部分はそのままでは塗れないため、仕上がりを優先して一時的に外すかどうかは塗装業者によって判断が分かれます。外壁や屋根の塗装に合わせたアンテナの扱いは外壁塗装でアンテナは撤去する?取り外し・再設置の判断と費用相場で詳しく紹介しています。
どの工事の場合も、アンテナを付け直すときは向きの調整と受信レベルの確認が欠かせません。屋根の工事が始まる前にアンテナ工事業者に今の受信状態を見てもらっておくと、付け直したあとに「前より映りが悪い」となったときに比べやすくなります。すぐに見てほしい場合は、即日対応している業者に相談すると日程を合わせやすいです。
※工事後のチャンネル設定まで対応
アンテナの取り外しは屋根業者とアンテナ業者のどちらに頼む?
屋根の工事に伴うアンテナの作業は、屋根業者がまとめて引き受けてくれることもあれば、施主がアンテナ工事業者に別に頼むこともあります。どちらにもよいところと気をつけたいところがあります。
| 頼む先 | よいところ | 気をつけたいところ |
|---|---|---|
| 屋根業者(屋根工事にまとめる) | 窓口が1つで済む。屋根の工程に合わせて外す・戻すをしてもらえる | アンテナの専門ではないことが多く、向きの調整や受信レベルの測定まではしない場合がある。下請けのアンテナ業者が作業することもある |
| アンテナ工事業者(別に依頼) | 測定器で受信レベルを確かめながら付け直せる。アンテナや配線の劣化も一緒に見てもらえる | 屋根工事の日程と作業日を合わせる必要がある。窓口が2つになる |
屋根業者にまとめて頼むときに確認したいこと
屋根業者の見積もりに「アンテナ脱着 一式」と書かれていても、作業の中身は業者によって違います。次のような点を工事の前に聞いておくと、あとから別料金を求められたり、映らなくなったときに責任の所在があいまいになったりするのを防げます。
- 取り外しと付け直しだけなのか、向きの調整と受信レベルの確認まで含まれるのか
- 屋根業者の職人が作業するのか、アンテナ工事業者に頼むのか
- 付け直したあとにテレビが映らなくなったら、誰がどこまで対応するのか
- 古い屋根馬や支線、ケーブルを新しいものに替えるのか、そのまま使うのか
- 工事の期間中にテレビを見られるようにしてもらえるのか
アンテナ業者に別に頼むほうがよいケース
屋根業者から「アンテナは扱っていない」と言われた場合はもちろん、BS・CSアンテナのように向きの調整が細かいアンテナを付け直す場合や、葺き替えを機にアンテナを交換・移設したい場合は、アンテナ工事業者に直接相談したほうが確実です。屋根業者とアンテナ業者のどちらに見積もりを取っても、作業の範囲をそろえて総額で比べるのがポイントです。
屋根工事に伴うアンテナ工事の費用相場
アンテナの作業にかかる費用は、付け直すのか撤去するのか、新しいアンテナに替えるのかで大きく変わります。下の表は、アンテナ工事業者や工事費用の情報サイトなど複数の情報をもとにした一般的な目安です。実際の金額は家の状況や業者によって違うので、見積もりで確認してください。
| 工事の内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 屋根の上の地デジアンテナの撤去(処分込み) | 5,000円〜15,000円程度 |
| BS・CSアンテナの撤去(処分込み) | 10,000円〜20,000円程度 |
| 一時的な取り外しと付け直し(脱着) | 決まった相場はない。屋根工事に含まれることも別料金のこともあり、取り外しと取り付けの両方の作業費がかかる |
| 地デジアンテナの交換(撤去・処分込み) | 15,000円〜60,000円程度(アンテナの種類や部材で変わる) |
| 壁面へのデザインアンテナの取り付け | 20,000円台〜30,000円台程度(本体代込みの目安。ブースターなどは別) |
| 出張費・高所作業費など | 工事費に含まれる業者もあれば、別に数千円程度かかる業者もある |
屋根工事の足場がある間に作業すれば、屋根の上にも安全に上がれるので、作業がしやすくなることがあります。ただし足場は屋根業者が用意したものなので、アンテナ業者が使ってよいかは事前に屋根業者と相談しておきましょう。
台風などで傷んだ屋根を直す場合は火災保険も確認
台風・強風・雪・落雷などの自然災害で屋根やアンテナが傷み、その修理のために葺き替えをする場合は、加入している火災保険で補償を受けられることがあります。ただし対象になるのは自然災害による破損で、経年劣化による傷みは対象外です。補償されるかどうかや金額は契約内容によって違い、申請は契約者本人が保険会社に行います。必ず保険が使えるとは限らないので、まずは保険会社に契約内容を確認しましょう。アンテナが倒れて屋根瓦が割れたときの段取りはアンテナが倒れて屋根瓦が割れた!修理と補修を同時に頼む方法で紹介しています。
葺き替えを機にアンテナの移設や交換を考える
屋根の葺き替えは数十年に一度の大きな工事なので、アンテナを見直すよい機会でもあります。古いアンテナをそのまま付け直したあとで寿命を迎えると、また屋根に上がる作業が必要になり、費用が二重にかかってしまいます。
付け直すより交換や撤去を考えたい状態
- アンテナや屋根馬、支線に錆が目立つ
- 設置から10年以上たっている
- 強風の日や雨の日に映りが悪くなることがある
- 光回線やケーブルテレビでテレビを見ていて、アンテナを使っていない
使っていないアンテナなら、付け直さずにこの機会に撤去すれば、脱着の費用がかからず、新しい屋根に屋根馬や支線を載せる必要もなくなります。
新しい屋根に載せずに壁面へ移す選択肢
葺き替えでせっかく新しくした屋根に、屋根馬を載せたり支線を固定したりしたくないという人もいます。その場合は、アンテナを壁面に付けるデザインアンテナや、壁面・ベランダへのBS・CSアンテナの取り付けに替える方法があります。屋根の上に何も載せなければ、次に屋根を点検・塗装するときにもアンテナの脱着がいりません。
ただし、デザインアンテナは八木式アンテナより受信感度が低めで、電波が弱い地域や周りに高い建物がある場所では十分に映らないことがあります。また、屋根裏にアンテナを入れる方法は、ガルバリウム鋼板などの金属屋根に葺き替える場合は電波がさえぎられやすく、向かないことが多いです。場所を変えるときは、必ず受信レベルを測ってから決めましょう。
屋根工事の前後で気をつけたい段取り
屋根工事に合わせたアンテナの作業は、工事の前・期間中・工事の後で確認することが違います。次の順番で進めると、トラブルを防ぎやすくなります。
- 屋根工事の見積もりの段階で、アンテナの取り外しと付け直しが含まれるかを確認する
- 付け直す・撤去する・交換する・移設するのどれにするかを決める
- アンテナ業者に頼む場合は、屋根工事の日程を伝えて作業日を合わせる
- 工事の期間中にテレビをどうするかを決めておく
- 工事が終わったら、足場が残っているうちに全部のテレビの映りを確認する
工事の期間中はテレビが見られないこともある
アンテナを外している間は、基本的にアンテナでテレビを受信できません。葺き替えやカバー工法は家の大きさや天候によって数日から数週間かかることもあるため、その間どうするかを決めておきましょう。業者によっては、アンテナを足場やベランダなどに仮に設置して見られるようにしてくれることもありますが、対応できるかどうかや費用は業者ごとに違います。見られない期間があってもよいなら、テレビ放送のネット同時配信や見逃し配信を使うのも一つの方法です。
付け直したあとは足場があるうちに映りを確認する
アンテナを付け直すと、向きのずれやケーブルの接続不良、ブースターの電源の入れ忘れなどで映らなくなることがあります。足場が解体されたあとに不具合が見つかると、改めて高所作業が必要になり費用がかさみやすくなります。地デジ・BS・CSのすべてのチャンネルが家じゅうのテレビで映るかを、工事の最終日までに確かめましょう。
屋根の新しい穴や固定部分の防水も確認する
支線を固定する金具や、壁面にアンテナを付けるためのビス穴の防水処理が不十分だと、そこから雨水が入ることがあります。アンテナまわりからの雨漏りの原因と対処はテレビアンテナから雨漏り?原因と応急処置・修理の依頼先と費用で詳しく解説しています。
屋根工事に合わせたアンテナ工事におすすめのアンテナ工事業者
屋根の葺き替えやカバー工法に合わせて、アンテナの取り外し・付け直し・交換・移設を相談しやすい業者を紹介します。見積もりを取ってから頼むかどうかを決められるので、屋根工事の日程とあわせて相談してみましょう。
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まとめ
屋根の葺き替えやカバー工法では、屋根の上のアンテナは一度取り外すのが基本です。付け直すのか、撤去・交換・移設するのかを工事の前に決め、誰が外して誰が付け直し、受信の確認まで責任を持つのかをはっきりさせておくことが大切です。
- 葺き替えとカバー工法ではアンテナを外す必要があり、屋根塗装ではそのままのこともある
- 屋根業者の「アンテナ脱着」に向きの調整と受信確認が含まれるかを確認する
- 撤去は5,000円〜20,000円程度、交換は15,000円〜60,000円程度が目安
- 古いアンテナや使っていないアンテナは、付け直さずに交換や撤去を考えると費用の二重払いを防げる
- 新しい屋根に何も載せたくないなら壁面への移設も選べるが、受信レベルの確認が必要
- 工事の期間中のテレビの見方と、足場があるうちの映りの確認を忘れない
アンテナを付け直すか、この機会に交換や移設をするかは、今のアンテナの状態と受信レベルを見てもらうのが一番確実です。屋根工事が始まる前に、現地調査と見積もりが無料の業者に相談してみましょう。
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