天井にシミができている場所が、ちょうど屋根のアンテナの真下あたり。あるいは、アンテナを取り付けている外壁の内側の壁紙が浮いてきた。「もしかしてテレビアンテナのせいで雨漏りしている?」「誰に頼めばいいの?」と不安になっていませんか。
結論から言うと、テレビアンテナが雨漏りの原因になることはあります。多いのは、屋根馬の脚が屋根材を傷めたところ、支線や壁面金具を固定しているビス穴、アンテナケーブルを室内に引き込んでいる穴の防水処理が劣化したケースです。ただし、雨漏りは原因箇所の特定が難しく、アンテナの近くだからといってアンテナが原因とは限りません。屋根の補修は屋根業者、アンテナの取り外し・再設置はアンテナ工事業者と、役割を分けて進めるのが基本です。
この記事では、アンテナまわりで雨漏りが起こりやすい場所、放置するリスク、自分でできる応急処置の範囲、修理の頼み方と費用の相場、火災保険の注意点をまとめています。
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テレビアンテナが原因で雨漏りすることはある?
テレビアンテナそのものに水を通す穴があるわけではありません。雨漏りの原因になるのは、アンテナを「固定するため」「配線するため」に屋根や外壁に手を加えた部分です。新築時やアンテナ工事のときに防水処理をしていても、年数がたつとシーリング材(コーキング)が硬くなってひび割れたり、すき間ができたりして、そこから雨水が入ることがあります。
アンテナまわりで雨漏りしやすい場所
| 場所 | 雨水が入る主な理由 | 起こりやすい設置方法 |
|---|---|---|
| 屋根馬の脚が乗っている屋根材 | 重さや揺れで瓦・スレートが割れる、ずれる | 屋根の上に立てる八木アンテナ |
| 支線を留めている部分 | 屋根や破風板・外壁に打ったビス穴、アンカー部の防水切れ | 屋根上のアンテナ(支線で固定) |
| 壁面の取付金具のビス穴 | 外壁に開けた穴のシーリング劣化、取り付け時の処理不足 | デザインアンテナ、壁面に付けたBSアンテナ |
| ケーブルの引込口 | 外壁の穴と配管・ケーブルのすき間からの浸水 | 壁に穴を開けて室内に配線した場合 |
| サイドベース(屋根の側面の金具) | 破風板や外壁に固定したビス穴の劣化 | 軒先に取り付けた金具にポールを立てた場合 |
屋根の上のアンテナで起こりやすいこと
屋根の上の八木アンテナは、屋根馬という台に立てて、四方に張った支線で倒れないように固定するのが一般的です。台風や強風でアンテナが揺さぶられると、屋根馬の脚が瓦やスレートを割ったり、ずらしたりすることがあります。割れた屋根材のすき間から入った雨水が、下地を伝って室内まで届くのが典型的なパターンです。屋根馬そのものの劣化や交換のサインはアンテナの屋根馬とは?錆・ずれなど交換のサインで詳しく解説しています。
壁面に付けたデザインアンテナで起こりやすいこと
デザインアンテナや壁面に付けたBSアンテナは、外壁にビスで金具を固定します。取り付けるときにビス穴へシーリングなどの防水処理をするのが基本ですが、処理が不十分だったり、年数がたってシーリングが劣化したりすると、穴から壁の中に雨水が入ることがあります。壁の中の雨漏りは室内に出てくるまで気づきにくいのが厄介な点です。壁に穴を開けることを含めたデザインアンテナの注意点は、デザインアンテナのデメリットとは?後悔しない選び方もあわせて確認してください。
アンテナが原因かどうかを見分けるポイント
雨漏りは、水が入った場所と室内にシミが出る場所が離れていることも多く、見た目だけで原因を決めつけるのは危険です。次のような点に当てはまるほど、アンテナまわりが原因の可能性が高くなります。
- シミや水滴が出ているのが、アンテナや取付金具、ケーブルの引込口の近く(真下や壁の内側)
- 台風や強風のあと、アンテナが傾いた・支線がゆるんだのと同じころから雨漏りが始まった
- 横なぐりの雨や風の強い雨の日だけ雨漏りする
- アンテナ工事や交換をしてから、しばらくして雨漏りが始まった
- 地上から見て、アンテナの足元の瓦やスレートがずれている・割れているように見える
反対に、アンテナから離れた場所でも雨漏りしている、屋根全体が古くなっているといった場合は、屋根や外壁そのものの劣化が原因のこともあります。いずれにしても、最終的には専門業者に原因を調べてもらう必要があります。
なお、アンテナが傾いたり倒れたりしている場合は、雨漏りに加えてテレビの映りにも影響が出ていることがあります。アンテナの状態を早めに見てもらいたい場合は、現地調査が無料の業者に相談すると、費用をかけずに状況を確認できます。
※工事後のチャンネル設定まで対応
アンテナまわりの雨漏りを放置するとどうなる?
「少し濡れるだけだから」と様子を見ているうちに、被害が広がってしまうことがあります。
屋根の下地や柱が傷む
雨水がしみ込んだ状態が続くと、屋根の下地の木材や断熱材が湿って腐食やカビの原因になります。表面に出てきたときには内部の傷みが進んでいることもあります。
修理費用が大きくなる
ビス穴の防水やずれた瓦の補修で済む段階なら費用は抑えられますが、下地まで傷むと屋根の一部の張り替えなど大きな工事が必要になることがあります。
アンテナが倒れる危険がある
屋根馬の脚が乗っている部分の屋根材が割れていると、アンテナの土台が不安定になります。強風で倒れると、屋根をさらに傷めたり、落下して近隣に被害を出したりするおそれがあります。
火災保険の相談がしにくくなる
台風などが原因の破損でも、時間がたつほど「いつの被害か」を説明しにくくなります。
雨漏りに気づいたときの応急処置と、自分でやってはいけないこと
雨漏りに気づいたら、まずは室内の被害を広げないことを優先しましょう。自分でやってよいのは「室内でできること」までです。
室内でできる応急処置
- 水が落ちてくる場所にバケツやタオルを置き、床や家具を濡らさないようにする
- シミの近くにコンセントや照明、電化製品がある場合は、濡れないように移動させる(水がかかっている場合は無理に触らない)
- 雨漏りしている場所、天井や壁のシミ、雨の日時をスマートフォンで撮影して記録しておく
- 地上やベランダなど安全な場所から、アンテナの傾きや支線のゆるみがないかを見ておく
写真や日時の記録は、業者に原因を調べてもらうときにも、火災保険を相談するときにも役立ちます。
屋根に上ってのブルーシートやコーキングはしない
屋根の上でブルーシートをかけたり、ビス穴にコーキングを打ったりする方法を見かけることがありますが、慣れていない人が屋根に上るのは転落の危険が大きく、おすすめできません。雨の日や雨上がりは屋根が滑りやすく、なおさら危険です。また、原因がはっきりしないまま穴をふさぐと、水の出口までふさいでしまい、かえって別の場所から雨漏りすることもあります。アンテナ工事を自分でやる場合の危険性についてはアンテナが倒れて屋根瓦が割れたときの修理の頼み方でも触れています。
修理は誰に頼む?屋根業者とアンテナ工事業者の役割分担
アンテナまわりの雨漏りは、「屋根や外壁の補修」と「アンテナの取り外し・再設置」の2つの作業が必要になることが多いです。それぞれ得意な業者が違うため、役割分担を知っておくとスムーズに進められます。
| 作業 | 主な依頼先 | 内容 |
|---|---|---|
| 雨漏りの原因調査 | 屋根業者・雨漏り修理業者 | 散水調査などで水の入口を特定する |
| 屋根材・下地・外壁の補修 | 屋根業者・外壁業者 | 割れた瓦やスレートの交換、シーリングの打ち直し、下地の補修 |
| アンテナの取り外し・再設置 | アンテナ工事業者 | 補修の邪魔になるアンテナを一度外し、補修後に立て直して受信を調整する |
| アンテナの移設・交換 | アンテナ工事業者 | 屋根から壁面・屋根裏などへ移す、古いアンテナを新しくする |
依頼する順番の例
- アンテナ工事業者にアンテナの状態を見てもらい、取り外しや移設が必要かを確認する
- 屋根業者に雨漏りの原因調査と補修の見積もりを依頼する
- 補修の日程に合わせて、アンテナの取り外し→屋根の補修→アンテナの再設置(または移設)の順で進める
屋根の補修とアンテナの作業の日程がずれると、テレビが映らない期間が長くなります。両方の業者に、相手の作業の予定を伝えておくと調整しやすくなります。屋根業者がアンテナの脱着までまとめて手配してくれることもあるので、見積もりの段階で「アンテナの脱着・再設置は含まれているか」を確認しておきましょう。
同じことを繰り返さないために移設も検討する
屋根馬の脚が原因で屋根材が割れていた場合、同じ場所に同じ方法で立て直すと、また同じことが起こる可能性があります。電波の状況によっては、屋根の上から壁面や屋根裏へアンテナを移す、古い八木アンテナを新しいものに交換するといった方法も選べます。壁面に付ける場合は、ビス穴の防水処理の方法や、施工後の保証の内容も事前に確認しておくと安心です。
台風・強風が原因なら火災保険を使える場合もある
アンテナの破損や、それにともなう屋根の破損が自然災害によるものであれば、火災保険の補償の対象になる場合があります。ただし、次の点に注意が必要です。
対象は自然災害による破損
台風・強風・雪・落雷などで壊れた場合が対象になりえます。シーリングの劣化や屋根材の古さなど、経年劣化による雨漏りは対象外です。
契約内容次第
風災・雪災などの補償が付いているか、免責金額(自己負担額)がいくらかは契約によって違います。まずは保険証券で補償の内容を確認しましょう。
申請は契約者本人が保険会社に行う
業者が代わりに申請するものではありません。業者からは見積書や被害の写真をもらい、契約者本人が保険会社に連絡します。
期限がある
保険金の請求には期限があり、一般的に被害を受けてから3年とされています。気づいたら早めに保険会社に相談しましょう。
保険金が支払われるかどうか、いくら支払われるかは保険会社の判断です。「必ず無料で直せる」というものではないので、保険が使えなかった場合の費用も見積もりで確認しておくと安心です。
アンテナまわりの雨漏り修理の費用相場
費用は、補修の範囲と、アンテナの作業が必要かどうかで大きく変わります。下の表は、屋根の修理やアンテナ工事に関する複数の情報をもとにした一般的な目安です。屋根の形や高さ、部材、業者によって金額は変わるため、作業前に必ず見積もりを確認してください。
| 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| ビス穴・取付部のシーリング補修 | 1万5,000円〜5万円程度 |
| 割れた瓦・スレートの部分交換 | 5,000円〜6万円程度(枚数や屋根材で変動) |
| 屋根の下地まで傷んでいる場合の補修 | 5万円〜30万円程度 |
| アンテナの取り外し・再設置(脱着) | 1万5,000円〜3万円程度 |
| アンテナの撤去のみ | 1万円〜3万円程度 |
| アンテナの交換・移設(新しいアンテナの設置) | 2万円〜9万円程度(種類やBS・CSの有無で変動) |
シーリングの補修や瓦の差し替えだけで済めば費用は比較的抑えられますが、下地まで傷んでいると補修の範囲が広がります。足場が必要な場合は、さらに足場代がかかります。アンテナの脱着や再設置は屋根業者の見積もりに含まれていないこともあるので、総額で比べるようにしましょう。
アンテナまわりの雨漏りで相談できるおすすめのアンテナ工事業者
屋根の補修にあわせたアンテナの取り外し・再設置や、雨漏りを繰り返さないための移設・交換は、アンテナ工事業者に依頼します。現地調査や見積もりが無料の業者を選べば、アンテナの状態を確認してもらってから工事するかどうかを決められます。
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まとめ
テレビアンテナが原因の雨漏りは、アンテナそのものではなく、屋根馬の脚が傷めた屋根材、支線や壁面金具のビス穴、ケーブルの引込口など「固定・配線のために手を加えた部分」から起こります。ポイントをおさらいしておきましょう。
- シミの場所や雨漏りが始まった時期がアンテナと関係していそうなら、アンテナまわりを疑う
- 自分でやるのは室内の応急処置と記録まで。屋根に上ってのシート掛けやコーキングはしない
- 屋根や外壁の補修は屋根業者、アンテナの取り外し・再設置・移設はアンテナ工事業者に頼む
- 台風・強風などの自然災害による破損なら、契約内容次第で火災保険の対象になる場合がある(経年劣化は対象外)
- 同じ雨漏りを繰り返さないよう、アンテナの移設や交換もあわせて検討する
雨漏りは放置するほど修理の範囲が広がります。アンテナの傾きや屋根材のずれに気づいたら、早めに業者に見てもらいましょう。
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