BSとCSは、どちらも衛星から届く放送です。いま主流の「110度CS」はBSと同じ東経110度の方向から届くので、BS・110度CS対応のアンテナが1台あれば、BSとCSの両方を見られます。CSのために別のアンテナが必要になるのは、124度・128度の衛星を使う「スカパー!プレミアムサービス」を見たい場合と、今のアンテナがBSアナログ放送の時代のBS専用品でCSに対応していない場合です。
新しくBS・CSを見られるようにするなら、BS・110度CSアンテナの取り付けは工事費込みで20,000円〜50,000円程度が目安です。4K・8K放送も見たいかどうかで、選ぶアンテナと配線の部品が変わります。
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BSとCSの違いをひと目で比べる
BSとCSは、どちらも宇宙にある人工衛星から電波を送る放送です。ただし、使っている衛星の種類や、見られるチャンネルの性格が違います。まずは全体の違いを表で整理します。
| 項目 | BS放送 | 110度CS放送 | 124/128度CS放送 |
|---|---|---|---|
| 衛星の位置 | 東経110度 | 東経110度(BSと同じ) | 東経124度・128度 |
| アンテナ | BS・110度CSアンテナ | BS・110度CSアンテナ(BSと共用) | 専用のアンテナが別に必要 |
| テレビのチューナー | 多くのテレビに内蔵 | 多くのテレビに内蔵 | 専用のチューナーが必要 |
| 主なチャンネル | 無料の局と有料の局がある | 多くが有料の専門チャンネル | 有料の専門チャンネル(スカパー!プレミアムサービス) |
家庭でよく話題になる「CS」は、ほとんどの場合110度CSのことです。テレビのリモコンにある「CS」ボタンで見られるのも110度CSで、BSと同じアンテナ・同じケーブルで受信しています。
BSは無料の局もあり、CSは有料の専門チャンネルが中心
BSには、NHKのBS放送や民放系のBS局など、アンテナがあれば見られる局が多くあります。一方でCSは、映画・スポーツ・アニメ・音楽などの専門チャンネルが中心で、多くは有料の契約をしてから見る仕組みです。CSのチャンネルを選んで契約の案内が出るのは、アンテナの不具合ではなく契約の問題です。
昔はBSとCSでアンテナが別だった
以前はBSとCSの衛星が別の方向にあったため、両方を見るにはアンテナを2台立てる必要がありました。現在は110度CSがBSと同じ方向にあるので、BS・110度CS対応のアンテナ1台で両方を受信できます。古い家でアンテナが2台付いているのは、この時代の名残であることもあります。
CSを見るのに別のアンテナは必要?必要になる2つのケース
結論として、テレビのリモコンの「CS」ボタンで見る110度CSだけなら、別のアンテナは要りません。BS・110度CSアンテナが付いていれば、そのまま受信できます。別のアンテナや交換が必要になるのは、次の2つのケースです。
スカパー!プレミアムサービスを見たい場合
スカパー!には、110度CSで放送しているサービスと、124度・128度の衛星を使う「スカパー!プレミアムサービス」があります。プレミアムサービスはBSや110度CSとは別の方向の衛星から届くため、124/128度CSに対応したアンテナを別に付けるか、BS・110度CS・124/128度CSをまとめて受信できるアンテナにする必要があります。テレビに内蔵されているのは、一般的に地デジ・BS・110度CSのチューナーなので、プレミアムサービスには専用のチューナーも必要です。
見られるチャンネルや必要な機器、申し込みの方法はサービス側で変わることがあります。プレミアムサービスを検討しているときは、スカパー!の公式サイトで今の案内を確認してから、アンテナ工事を相談しましょう。
今のアンテナがBS専用でCSに対応していない場合
BSアナログ放送の時代に付けたBS専用のアンテナには、110度CSの電波に対応していないものがあります。この場合、BSは映ってもCSは映りません。テレビメーカーの取扱説明書でも、BS・110度CSデジタル放送を見るにはBS・110度CS共用のアンテナが必要と案内されています。アンテナ本体に「BS・110度CS」「BS・110°CS」といった表示があるかが目安です。
BSは映るのにCSだけ映らないときは、アンテナ以外の分配器やブースターが原因のこともあります。症状から原因を切り分けたい場合は、CSだけ映らない原因と対処法で確認手順をまとめています。
※工事後のチャンネル設定まで対応
BS・CSアンテナの向きとケーブルの違い
「BSとCSでアンテナの向きは違うのか」「ケーブルは同じでいいのか」という疑問も多く見られます。110度CSとBSはまとめて考えてよく、違いが出るのは124/128度CSと、4K・8K放送を見る場合です。
BSと110度CSは同じ向きでよい
BSと110度CSは同じ東経110度の方向にある衛星から届くので、アンテナの向きも同じです。関東では南西の空に向けるのが一般的で、正確な角度は地域によって少しずつ変わります。向きがわずかにずれるだけで受信レベルが下がるため、雨の日に映りにくいといった症状がある場合は、BSアンテナの角度調整のやり方も参考にしてください。
124/128度CSの衛星は、110度より南寄りの方向にあります。そのため、プレミアムサービス用のアンテナはBS・110度CSアンテナとは別の向きに合わせて取り付けます。
ケーブルや分配器はBS・CSの周波数に対応したものを使う
衛星放送の電波は、アンテナの先にあるコンバーターで変換されてからケーブルの中を通ります。地デジより高い周波数を使うため、地デジだけを想定した古い分配器や分波器、ブースターでは、BSやCSが弱くなったり通らなかったりします。特に110度CSはBSより高い周波数を使うので、古い部品の影響を先に受けやすいのが特徴です。
ケーブルそのものは、BS・CSも地デジと同じ同軸ケーブル1本で送れます。ただし、古くて細いケーブルや長すぎる配線は電波が弱くなりやすいので、BS・CSを新しく見るときは衛星放送に対応したケーブルかどうかも確認しておくと安心です。
4K・8K放送を見るなら「左旋」に対応した機器が必要
BS・110度CSの4K・8K放送には、従来と同じ「右旋」と、新しく使われ始めた「左旋」という2種類の電波があります。左旋の放送は、ケーブルの中で従来より高い周波数(およそ2,224〜3,224MHz)を使うため、アンテナだけでなく分配器・分波器・ブースター・壁の端子・ケーブルまで、左旋や3,224MHzに対応した機器にそろえる必要があります。テレビメーカーの取扱説明書でも、左旋の4K放送を見るには左旋対応の分配器などを使うよう案内されています。
4K放送の一部だけ映らない場合は、この左旋への対応が足りていないことがよくあります。今の機器が左旋に対応しているか分からないときは、工事の見積もりのときに家の中の分配器やブースターもあわせて見てもらいましょう。
今のアンテナでCSが見られるか確かめる方法
アンテナを替える前に、今の設備でCSが見られるかを室内から確かめてみましょう。屋根に登るのは危険なので、アンテナの確認は地上やベランダから見える範囲にとどめてください。
- テレビの「CS」ボタンを押して、いくつかのチャンネルを順に表示します。番組の一部や契約の案内が出れば、電波は届いています。
- テレビの設定メニューで、BS・110度CSのアンテナレベル(受信強度)を見ます。CSを選んだときの数値が0、またはBSより極端に低いなら、設備側が対応していない可能性があります。
- 地上から見えるなら、アンテナ本体の「BS・110度CS」の表示や、設置してからの年数を確かめます。BSアナログ放送の時代から使っているアンテナは、対応していないことがあります。
- 室内の分配器や分波器に「BS・CS対応」「4K8K対応」などの表示があるか確認します。
- 別の部屋のテレビでもCSを表示して、家中で同じ症状かどうかを比べます。
家中のテレビでCSが映らない場合や、アンテナが古くて対応しているか分からない場合は、業者に受信レベルを測ってもらうのが確実です。業者は専用の測定器で、アンテナの直下から壁の端子までのどこでCSの電波が弱くなっているかを調べられます。
BS・CSアンテナの設置費用の相場
BS・CSを見られるようにする費用は、アンテナを新しく付けるのか、交換するのか、配線の部品も替えるのかで変わります。下の表は、アンテナ工事の比較サイトなど複数の情報をもとにした一般的な目安です。家の形や設置場所、使う部材、業者によって金額は変わるので、作業前に必ず見積もりを確認してください。
| 工事の内容 | 費用の目安(工事費込み) |
|---|---|
| BS・110度CSアンテナの新設 | 20,000円〜50,000円程度(4K・8K対応品で高めになる) |
| BS専用アンテナからBS・110度CSアンテナへの交換 | 20,000円〜35,000円程度(古いアンテナの撤去費が別のこともある) |
| 地デジアンテナとBS・CSアンテナの同時設置 | 45,000円〜80,000円程度(八木式の場合。4K・8K対応やデザインアンテナでは高くなる) |
| 分配器・分波器の交換 | 5,000円〜15,000円程度 |
| ブースターの交換 | 15,000円〜40,000円程度 |
| 124/128度CS(プレミアムサービス)用アンテナの設置 | 対応の有無と料金は業者によって違うため見積もりで確認 |
すでに地デジアンテナがある家にBS・CSアンテナを足す場合は、地デジとBS・CSの電波を1本のケーブルにまとめる「混合器」を使った配線になることが多く、配線の状況で費用が変わります。後から足すときの配線と注意点は、BSアンテナ追加工事の費用相場と配線の注意点で詳しくまとめています。
見積もりで確認しておきたいこと
BS・CSアンテナの見積もりでは、アンテナ本体の代金、取り付け金具、ケーブルの配線、角度の調整、古いアンテナの撤去と処分がどこまで含まれているかを確認しましょう。4K・8K放送を見たい場合は、アンテナだけでなく分配器やブースターも左旋に対応させる必要があるかを、最初に伝えておくと二度手間を防げます。見積もりのあとに追加料金がかかる条件があるかどうかも、作業前に聞いておくと安心です。
BS・CSアンテナの設置におすすめのアンテナ工事業者
BS・CSアンテナの工事では、アンテナの取り付けだけでなく、受信レベルの測定や、分配器・ブースターが衛星放送に対応しているかの確認まで任せられる業者を選ぶのがポイントです。見積もりの相談がしやすく、BS・CSの新設や交換に対応している業者を紹介します。
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|---|---|
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BS・CSアンテナの違いでよくある質問
BSアンテナとCSアンテナは見た目で区別できますか?
いま一般的に使われているのは、BSと110度CSの両方を受信できる丸いお皿のような形のパラボラアンテナで、見た目だけではBS専用品と区別しにくいです。本体やコンバーター部分に書かれている「BS・110度CS」などの表示で判断するのが確実です。124/128度CS用のアンテナも同じような形なので、2台付いている場合はそれぞれの表示を確認しましょう。
CSを見るとBSより電気代や受信料が増えますか?
BS・110度CSアンテナは1台で両方を受信するので、CSを見るためにアンテナの電源が増えることはありません。CSの有料チャンネルの料金は、契約するチャンネルやサービスによって決まります。NHKの衛星放送の受信料については、NHKの案内を確認してください。
マンションでもCSは見られますか?
マンションでは、屋上のアンテナや共用の配線が110度CSに対応していれば、各部屋のテレビでCSを受信できます。建物の設備が対応しているかどうかは、管理会社や管理組合に確認しましょう。共用設備が対応していない場合、部屋のベランダに自分でアンテナを付けられるかは管理規約によります。
まとめ
BSと110度CSは同じ方向の衛星から届くので、BS・110度CSアンテナが1台あれば両方を見られます。
- テレビの「CS」ボタンで見る110度CSだけなら、別のアンテナは要らない
- スカパー!プレミアムサービス(124/128度CS)は、別のアンテナと専用チューナーが必要
- BSアナログ放送の時代のBS専用アンテナは、110度CSに対応していないことがある
- 4K・8K放送の左旋を見るなら、分配器やブースター、ケーブルまで対応品にそろえる
- BS・110度CSアンテナの設置は、工事費込みで20,000円〜50,000円程度が目安
今のアンテナでCSが見られるか分からないときや、4K・8K放送までまとめて見られるようにしたいときは、受信レベルの測定から相談できるアンテナ工事業者に見積もりを頼むと確実です。
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