アンテナの支柱(マスト)が赤く錆びて折れそうに見えるなら、強風や台風で倒れる前に交換を考える段階です。表面にうっすら錆が出た程度ならすぐに折れることは少ないものの、錆が支柱全体や根元、金具まで広がっていたり、穴や曲がりが見えたりする場合は早めの交換が必要です。支柱だけの交換なら15,000円〜35,000円程度、アンテナごと替えるなら30,000円〜90,000円程度が目安になります。錆びた支柱に自分で触るのは危険なので、地上から確認して業者に見てもらいましょう。
※見積もりだけでもOK
アンテナの支柱が錆びる仕組みと錆びやすい環境
屋根の上のアンテナの支柱は、一年中雨や風、紫外線にさらされています。一般的な支柱は鉄(鋼)の表面に亜鉛などのメッキをして錆を防いでいますが、年月がたつとメッキが少しずつ傷み、中の鉄が錆び始めます。
白い錆と赤い錆の違い
支柱の表面に白い粉のようなものが付いているのは、メッキの亜鉛が傷んでできる白い錆です。メッキが鉄を守っている途中の状態で、すぐに強度が落ちるわけではありません。一方、赤茶色の錆は中の鉄そのものが錆びている状態です。赤い錆が広がるほど鉄が薄くなり、風を受けたときに曲がったり折れたりしやすくなります。
錆が進みやすい家の条件
海に近い地域では、風で運ばれる塩分が支柱に付いて錆が早く進みます。雪の多い地域や、雨の当たり方が強い場所、湿気がこもりやすい場所も錆びやすい環境です。工場や幹線道路の近くで、空気中の鉄粉やほこりが付きやすい家も錆が出やすくなります。また、支柱の根元や、屋根馬・支線の金具と接している部分、ボルトのまわりは水がたまりやすく、ほかの部分より先に錆が進む傾向があります。設置から年数がたっている場合は、アンテナ全体の寿命も考える必要があります。目安はテレビアンテナの寿命は何年?で紹介しています。
支柱の錆の進み具合と交換の目安
屋根に上るのは危険なので、錆の様子は地上やベランダから、双眼鏡やスマートフォンのカメラのズームで確認しましょう。見え方ごとのおおまかな目安は次のとおりです。
| 見え方 | 状態 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 白い粉や薄い錆が少し出ている | メッキが傷み始めた初期の状態 | すぐに交換しなくてよいことが多い。台風の前などに様子を見る |
| 赤い錆が支柱の広い範囲や根元・金具まで広がっている | 中の鉄が錆びて強度が落ち始めている | 業者に点検してもらい、交換を検討する |
| 穴・ひび・曲がりがある、アンテナが傾いている | いつ折れてもおかしくない状態 | 早めに交換を依頼する。下に人が通らないよう注意する |
表は一般的な目安で、実際にどこまで傷んでいるかは近くで見ないと分かりません。とくに根元の錆は地上から見えにくいので、赤い錆が目立ってきたら一度点検してもらうと安心です。
錆びた支柱を放置すると起こること
錆びた支柱をそのままにしていると、強風や台風のときに支柱が曲がったり折れたりして、アンテナが倒れるおそれがあります。倒れたアンテナが屋根材を傷つけると、雨漏りにつながることもあります。屋根から落ちれば、通行人や隣の家、車に当たる危険もあります。
倒れなくても、支柱が錆びてぐらつくとアンテナの向きが少しずつずれ、映りが悪くなったり一部のチャンネルが映らなくなったりします。傷みが進んだときに起こることや、支柱の種類・延長についてはアンテナのマストとは?交換のサインと延長の費用で詳しく解説しています。
錆止めスプレーや塗装で長持ちさせられる?
錆が出始めたばかりなら、錆を落として錆止めの塗料を塗ることで、進み方を遅くできる場合があります。ただし、塗装は錆を止めるための手入れで、弱くなった支柱の強度を元に戻すものではありません。
塗装で様子を見てよいのは初期の錆だけ
赤い錆がはがれ落ちるほど進んでいる、穴や曲がりがある、といった状態では、上から塗っても支柱の強さは戻りません。見た目がきれいになる分、傷みに気づきにくくなることもあります。この段階では塗装ではなく交換を考えましょう。
自分で屋根に上って塗るのは避ける
支柱の塗装や交換は屋根の上での作業になります。屋根は傾斜があり、コケや朝露で滑りやすく、転落すると大けがにつながります。錆びた支柱は力をかけると思わぬところで曲がることもあります。手入れや交換は、安全装備を持った業者に任せるのが安全です。
※工事後のチャンネル設定まで対応
錆びた支柱を交換する費用相場
錆びた支柱の交換は、アンテナ本体を使い続けて支柱だけを替える方法と、アンテナごと新しくする方法に分かれます。費用の目安は次のとおりです。金額は業者や屋根の形、作業の難しさによって変わります。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 点検・現地調査 | 無料〜数千円程度(無料の業者も多い) |
| 支柱の交換(アンテナは再利用) | 15,000円〜35,000円程度 |
| アンテナ本体ごとの交換(屋根馬・支柱・支線を含む) | 30,000円〜90,000円程度 |
支柱だけ替えるかアンテナごと替えるか
支柱が錆びるほど年数がたっている場合は、アンテナ本体や屋根馬、支線、ケーブルも同じように傷んでいることがあります。支柱だけ替えても、数年後に別の部分の工事が必要になれば、そのたびに費用がかかります。見積もりのときに、ほかの部材の傷み具合も見てもらい、両方の金額を比べて決めると納得しやすくなります。屋根馬の錆が気になる場合はアンテナの屋根馬とは?交換のサインと費用相場も参考になります。
次に錆びにくくするための選び方
交換するときは、錆に強い部材を選ぶと長持ちしやすくなります。表面のメッキを厚くした支柱や、ステンレス製の部材は、ふつうの支柱より錆びにくい分、価格は高めです。海の近くなど錆びやすい家では、どの部材を使うかを見積もりの段階で業者に確認しておきましょう。電波の条件が合えば、屋根の上に長い支柱を立てない外壁へのデザインアンテナや屋根裏への設置を選ぶ方法もあります。
支柱の交換を業者に頼むときの流れと確認したいこと
錆びた支柱の交換は、問い合わせから工事まで次のような流れで進むのが一般的です。急いでいるときも、いくつかの点を確認しておくと後で困りません。
問い合わせのときに伝えること
支柱のどのあたりが、どんな色に錆びているか、アンテナが傾いているかどうかを伝えます。地上から撮った写真があれば、業者が状態をつかみやすくなります。あわせて、設置からおおよそ何年たっているか、BS・CSのアンテナも同じ支柱に付いているかも伝えておくと、必要な部材の見当がつき、見積もりが早く出ます。
現地調査と見積もりで確認すること
現地では、支柱の根元や金具の錆び具合、屋根馬や支線の状態、電波の強さを確かめてもらいます。見積もりでは、支柱だけ替える場合とアンテナごと替える場合の両方の金額を出してもらい、使う部材の種類と、追加料金がかかる条件を作業前に確認しておきましょう。工事後の保証の期間と内容も、業者によって違うので比べておくと安心です。
倒れそうなときは工事を待つ間も注意する
支柱が大きく曲がっていたり、アンテナが傾いていたりする場合は、工事までの間に強い風が吹くと倒れるおそれがあります。アンテナの真下や落ちてきそうな場所には近づかず、車や物を置かないようにしておきましょう。台風が近づいているときは、その旨を業者に伝えて、早めの日程を相談してください。
錆で傷んだアンテナに火災保険は使える?
火災保険で補償の対象になるのは、台風・強風・雪・落雷などの自然災害で壊れた場合です。錆のような経年劣化による傷みは対象外です。錆びた支柱を交換する費用そのものは、基本的に保険では出ないと考えておきましょう。
台風などで支柱が折れた場合でも、保険会社の判断では、もともとの錆が主な原因とみなされることがあります。補償されるかどうかは契約内容しだいで、申請は契約者本人が保険会社に行います。災害で壊れたときは、壊れた様子の写真と修理の見積もりを用意して、保険会社に確認してください。
まとめ
アンテナの支柱が錆びて折れそうなときのポイントをまとめます。
- 白い錆や薄い錆は初期の状態。赤い錆が根元や金具まで広がったら点検と交換を考える
- 穴・ひび・曲がり・傾きがあれば、強風で倒れる前に早めに交換を依頼する
- 錆止めの塗装は初期の錆の手入れで、弱くなった支柱の強度は戻らない
- 支柱だけの交換は15,000円〜35,000円程度、アンテナごとなら30,000円〜90,000円程度が目安
- 錆による傷みは火災保険の対象外。自然災害で壊れた場合も契約内容しだい
- 屋根に上っての確認や作業は危険なので、業者に任せる
支柱の錆が気になったら、台風の季節が来る前に業者に点検と見積もりを頼んでおくと安心です。
※見積もりだけでもOK








