テレビのブースターが故障しているかどうかは、家の中で4つのことを順番に見ればおおよそ見当がつきます。①家じゅうのテレビが同時に映らないか、②電源部のランプがいつもどおり点いているか、③電源部のプラグを抜いて1分以上おいて差し直すと戻るか、④テレビのアンテナレベルが全部のチャンネルで下がっていないか、の4つです。家じゅうで同時に映らず、ランプが消えている・赤いなどの異常があるならブースターを強く疑います。ランプは正常なのにレベルが低いままなら、ブースター本体・アンテナ・ケーブルのどこが悪いかは測定器で調べないとわからないため、業者に見てもらう段階です。
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ブースターが故障すると何が起きる?まず症状の出方を見る
ブースター(増幅器)は、アンテナで受けた電波を強くしてから家の中の分配器へ送る機器です。つまり、家じゅうのテレビへ届く電波は、ほとんどの場合いったんブースターを通っています。そのためブースターが止まったり弱ったりすると、1台だけでなく、つながっているすべてのテレビに同じ症状が出るのが大きな特徴です。
総務省の受信障害の案内でも、テレビが複数台ある家で1台だけ映らない場合は、アンテナ側ではなくそのテレビや部屋の配線の不具合を先に疑うよう説明されています。ブースターの故障を確かめるときも、まずは症状がどの範囲に出ているかを見るのが出発点です。
| 症状の出方 | ブースターの可能性 | ほかに疑う場所 |
|---|---|---|
| 家じゅうのテレビが同時にまったく映らない | 高い | アンテナ本体の倒れ・アンテナから分配器までのケーブル |
| 家じゅうでブロックノイズが増えた・レベルが下がった | あり(劣化・調整のずれ) | アンテナの向きのずれ・分配器や接栓の劣化 |
| 特定のチャンネルだけ全部屋で映りが悪い | あり(発振・調整のずれ) | 放送側の事情・周りの建物などの影響 |
| 1台のテレビだけ映らない | 低い | その部屋のケーブル・壁の端子・テレビの設定 |
| BSだけ全部屋で映らない | あり(BSも増幅する機種の場合) | BSアンテナへの電源供給・アンテナの向き |
1台だけの不具合なら、ブースターを調べる前に、その部屋のケーブルの差し直しやテレビの再起動から試すほうが早く片づきます。家じゅうで症状が出ているときは、次の章からの手順でブースターを順番に確かめていきましょう。
家のどこにブースターがあるかを確かめる
確認を始める前に、自分の家のブースターがどこにあるのかを知っておく必要があります。戸建てでよく使われるのは、アンテナの近くに付ける本体(増幅部)と、家の中のコンセントにつなぐ電源部に分かれたタイプです。
本体(増幅部)がある場所
本体は、屋根の上のアンテナのマスト、屋根裏、外壁、ベランダの壁などに付いていることが多い機器です。電波が弱くならないうちに増幅するため、アンテナの近くに付けるのが基本だからです。屋根の上や高い外壁にある本体は、自分で確かめに行かないでください。
電源部がある場所
電源部は、リビングのテレビ端子の近く、テレビ台の裏、2階の収納の中、天井の点検口の中、マルチメディアボックスの中などに置かれています。手のひらにのるくらいの小さな箱で、アンテナ線とコンセントの両方がつながっているのが目印です。どこにあるかわからないときは、新築時の図面や工事の書類に書かれていることもあります。
室内用のブースター
壁の端子とテレビの間に置く、電源コード付きの小型の室内用ブースターを使っている家もあります。この場合は電源部と本体がひとつになっていて、テレビの近くで確認できます。
家の中をひととおり探しても電源部が見つからない場合は、そもそもブースターが付いていない家かもしれません。電波の強い地域ではブースターなしで映る家も多いので、その場合はアンテナやケーブル、分配器の側に原因があると考えます。
自分でできるブースター故障の確認方法
ここからは、家の中で安全にできる確認の手順です。屋根の上や屋根裏の本体を自分で触るのは、転落や感電の危険があるのでやめましょう。雷が鳴っているときも、ブースターやアンテナ線には触れないでください。
1. 何台のテレビで映らないかを比べる
家にあるテレビやレコーダーで、地デジとBSがそれぞれ映るかを見比べます。全部の部屋で同じように映らなければブースター側、1台だけならそのテレビや部屋の配線側を疑います。地デジだけ・BSだけなど、映らない放送の種類もメモしておくと、あとで業者に伝えるときに役立ちます。
2. 電源部のランプを見る
多くの電源部には、電気が来ているかを示すランプがあります。たとえばマスプロ電工の家庭用ブースターの電源部(BPS5B)の取扱説明書では、緑のランプだけが点いていれば正常で、赤の点灯は過電流、赤の点滅や消灯は配線のショートなどの異常を知らせると説明されています。ランプの色と意味はメーカーや機種で違うため、電源部に書かれた型番で取扱説明書やメーカーのサイトを確かめてください。赤いランプが点いている場合の確認手順はブースターの過電流表示の原因とは?赤ランプ点灯時の確認と直し方にまとめています。
3. コンセントとスイッチを確かめる
ランプが消えているときは、故障を疑う前に電源が来ているかを確かめます。プラグが抜けかけていないか、電源タップのスイッチが切れていないか、ブレーカーが落ちていないかを見ます。掃除や模様替えのあとにプラグが抜けていた、というのはよくある原因です。
4. プラグを抜いて1分以上おいてから差し直す
一時的な不具合なら、電源部のプラグを抜いてしばらく待ち、差し直すと戻ることがあります。マスプロの電源部の説明書でも、異常の原因を取り除いたあとはプラグを抜いて1分以上たってから差し直すよう案内されています。差し直したあと、ランプがいつもの色に戻り、テレビが映るかを確かめます。停電のあとに映らなくなった場合も、この差し直しで戻ることがあります。
5. テレビのアンテナレベルを記録する
テレビの設定メニューからアンテナレベル(受信レベル)の画面を開き、いくつかのチャンネルの数値を見ます。全部のチャンネルで大きく下がっているのか、特定のチャンネルだけが低いのかで、疑う場所が変わります。数値はスマートフォンで写真に撮っておくと、差し直しの前後や業者が来たときに比べやすくなります。
6. 室内用のブースターなら外してつなぎ比べる
テレビの近くに置く室内用のブースターを使っている場合は、ブースターを外して壁の端子とテレビを直接つなぎ、映り方を比べる方法もあります。外したほうがよく映るなら、ブースターの故障か、増幅のしすぎが考えられます。屋外や屋根裏に本体がある分離型のブースターでは、この方法は使えません。
確認の途中で、電源部が触っていられないほど熱い、焦げたようなにおいがする、ケースが変色しているといった異常に気づいたら、すぐにプラグを抜いてそのまま使わないでください。熱さで判断するときの目安はブースターが熱いのは故障?電源部が熱くなる原因と危ないサインで解説しています。
確認の結果からわかる故障の場所
手順の結果を組み合わせると、ブースターのどこが悪いのか、あるいはブースター以外が原因なのかを、ある程度しぼり込めます。下の表はあくまで目安で、最終的な判断には測定が必要です。
| ランプの状態 | アンテナレベル | 考えられる原因 | 次にすること |
|---|---|---|---|
| 消えている(電源は来ている) | 全チャンネルで0に近い | 電源部の故障・ケーブルのショート | 業者に電源部と配線を点検してもらう |
| 赤く点灯・点滅 | 全チャンネルで0に近い | ケーブルのショート・過電流・本体の故障 | 接続の確認後に業者の点検 |
| 正常(緑など) | 全チャンネルで大きく低い | 本体の故障・アンテナや配線の不具合 | 業者に入力と出力を測ってもらう |
| 正常(緑など) | 特定のチャンネルだけ低い | ブースターの発振・調整のずれ・電波の事情 | 業者に調整を相談 |
| 正常(緑など) | 天気や時間で上下する | 本体の劣化・接栓への浸水・アンテナの揺れ | 症状が出た日時を記録して点検 |
特定のチャンネルだけ映らないときは発振も疑う
総務省の案内では、ブースターの施工不良や経年劣化、増幅の設定が大きすぎることなどで、ブースターが自分で電波を出してしまう発振という現象が起きると説明されています。発振が起きると、特定のチャンネルにブロックノイズが出たり映らなくなったりするほか、近くの携帯電話などの通信を妨害することもあります。映りが悪いからといって、自分で増幅のつまみを大きく回すのは避けてください。
ランプが正常でも故障していることはある
ランプは電源部が電気を送れているかを示すもので、本体がきちんと増幅できているかまではわかりません。ランプが正常なのに家じゅうで映りが悪いときは、屋根の上の本体が弱っているか、アンテナや途中のケーブルに不具合があることが多く、家の中の確認だけでは区別できません。
それでも直らなければブースター本体や配線の不具合
差し直しやコンセントの確認をしても戻らない場合、ランプの異常が続く場合、ランプは正常なのにアンテナレベルが低いままの場合は、家の中では直せない部分に原因があります。業者は、ブースターに入ってくる電波と出ていく電波のレベルを測定器で測り、ブースターがきちんと増幅できているか、電源部が決められた電圧を送れているか、アンテナやケーブルに問題がないかを確かめます。
ここまで試して直らない場合は、ブースター本体・電源部・アンテナ・ケーブルのどこかに不具合が考えられます。原因の確認と見積もりは無料のところが多いので、まずは業者に見てもらうのが早道です。依頼するときは、映らない部屋と放送の種類、ランプの状態、アンテナレベルの写真を伝えると話が早く進みます。
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屋外の本体を自分で確かめない理由
屋根の上の本体を見に行くのは、転落の危険が大きい作業です。さらに、本体のふたを開けたりケーブルを付け直したりすると、防水が崩れて雨水が入り、かえって故障を広げることがあります。交換したあとも、受信レベルを測りながら増幅の量を合わせる調整が必要で、合っていないと映りが悪くなったり発振を起こしたりします。
設置から10年を過ぎているなら交換も視野に
ブースターの寿命は一般に10〜15年ほどといわれています。設置から10年以上たっていて故障のサインが出ているなら、修理より交換を前提に相談したほうが、結果的に工事の回数を減らせることがあります。寿命の目安と交換時期はテレビのブースターの寿命は何年?故障のサインと交換費用を解説にまとめています。
ブースターの点検・交換費用の相場
費用は、点検と調整だけで済むか、電源部だけを替えるか、本体と電源部をまとめて替えるかで変わります。下の表はアンテナ工事関連の複数の情報をもとにした一般的な目安で、実際の金額は機種や本体の設置場所によって変わります。
| 作業の内容 | 費用の目安(部品代+工事費) | 補足 |
|---|---|---|
| 受信状態の調査・配線の手直し | 5,000円〜15,000円程度 | 接栓の付け直しや調整で直ることもある |
| 電源部だけの交換 | 8,000円〜18,000円程度 | 本体に合う型番の電源部が必要 |
| ブースター一式(本体+電源部)の交換 | 15,000円〜45,000円程度 | BS・CSや4K8Kに対応した機種は高め |
| ブースター本体の価格(部品のみ) | 5,000円〜40,000円程度 | 増幅する放送の種類と性能で差が大きい |
本体が屋根の上にあって高所作業になる場合や、3階建ての場合は、作業費が上がることがあります。マスプロの説明書では本体と電源部はセットで使うよう注意されているため、電源部だけを替える場合も本体に合うものを選ぶ必要があります。見積もりでは、部品代・作業費・出張費がすべて含まれているか、工事のあとに追加料金が出ないかを確認しておきましょう。
なお、落雷・台風・強風・雪などの自然災害でブースターやアンテナが壊れた場合は、加入している火災保険の補償の対象になることがあります。ただし、対象になるかどうかや補償の範囲は契約内容によって違い、経年劣化による故障は対象外です。申請は契約者本人が保険会社に行います。
ブースターの故障確認を相談できるアンテナ工事業者
ブースターの故障は、本体・電源部・アンテナ・ケーブルのどこに原因があるのかを測定してから直すのが基本です。業者を選ぶときは、受信レベルを測ったうえで交換が必要な部分を説明してくれるか、見積もりのあとに追加料金が出ないか、工事後の保証があるかを確かめましょう。映らないトラブルの点検やブースターの交換を相談しやすい業者を紹介します。
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まとめ
テレビのブースターが故障しているかは、症状が出ている範囲、電源部のランプ、プラグの差し直し、アンテナレベルの4つを順番に見ると見当がつきます。家じゅうで同時に映らないならブースターを強く疑い、1台だけならその部屋の配線やテレビを先に確かめましょう。
- 家じゅうのテレビに同じ症状が出るのがブースター故障の特徴
- ランプの消灯や赤い点灯は電源部の故障やショートのサイン
- プラグは抜いて1分以上おいてから差し直す
- アンテナレベルは写真に残して前後で比べる
- 増幅のつまみを自分で大きく回すと発振のおそれがある
- 屋根の上や屋根裏の本体は自分で触らない
ランプが正常なのに映らない、差し直しても戻らないというときは、本体・アンテナ・ケーブルのどこが悪いのかを測定してもらう段階です。費用の目安を知るためにも、まずは見積もりだけでも相談してみましょう。








