BSアンテナの電源供給とは、テレビやレコーダー、ブースターの電源部からアンテナケーブルを通してBSアンテナのコンバーターへ電気を送ることです。コンバーターは電気がないと動かないため、戸建てで自分の家にBSアンテナを付けている場合は、どこか1台の機器から電源を送る設定にしておかないとBS・CSは映りません。
BSだけ映らないときは、まずテレビの「アンテナ設定」にある「BS・CSアンテナ電源」が環境に合っているかを確認します。マンションなどの共用アンテナなら「供給しない」、戸建てで自分のテレビから送るなら「テレビ連動」「オート」「入」などが基本です。設定を見直しても映らない場合は、コンバーターやケーブル、ブースターの故障が考えられます。
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BSアンテナの電源供給とは?なぜ電気が必要なのか
BSアンテナの皿の前に突き出ている部品を「コンバーター」と呼びます。衛星から届く電波はとても周波数が高く、そのままではケーブルの中で弱まってしまうため、コンバーターがテレビで扱える周波数に変換してから室内へ送っています。この変換と増幅には電気が必要です。
BSアンテナには電源コードが付いていないので、室内の機器からアンテナケーブルを通して直流の電気を送ります。これが「電源供給」です。電波を受け取る方向とは逆向きに、同じ1本のケーブルで電気が流れていくイメージです。
地デジのアンテナには電源供給の設定がない
地デジのアンテナ(八木アンテナやデザインアンテナ)はコンバーターを使わないため、テレビ側に電源供給の設定はありません。シャープの取扱説明書でも、地上デジタル放送にはアンテナ電源の入・切の設定はないと案内されています。地デジは映るのにBS・CSだけが映らないときに電源供給を疑うのはこのためです。
ただし、ブースター(電波を強める機器)を付けている家では、ブースター自体を動かすための電気が別に必要です。ブースターの電源部が止まると、地デジとBS・CSの両方が映らなくなることがあります。
電源供給が止まるとどうなるか
コンバーターに電気が届かないと、BS・CSの電波はテレビまで届きません。画面には「受信できません」といったメッセージや、E202などのエラーが表示されます。反対に、ケーブルの途中でショートしていてテレビの保護機能が働いた場合は、E209(アンテナ電源を確認してください)が出ることがあります。
テレビの電源供給の設定を確認する方法
電源供給の設定は、テレビの設定メニューの「初期設定」「アンテナ設定」「受信設定」「チャンネル」などの中にあります。項目名や選択肢の呼び方はメーカーや機種によって違うため、必ずお使いの機種の取扱説明書で確認してください。ここでは、公式の取扱説明書で確認できたシャープ(アクオス)の例を紹介します。
| 機種の世代(シャープの例) | 設定の場所 | 選択肢 |
|---|---|---|
| 4T-C65CH1など | BS放送に切り換えて設定メニュー→初期設定→アンテナ設定→アンテナ電源 | 「供給しない」「テレビ連動」 |
| 以前の機種の一部 | 設定メニュー→アンテナ設定(機種による) | 「オート」「入」「切」 |
| Google TV搭載の機種の一部 | すべての設定→チャンネルと入力→チャンネル→BS/CSアンテナ電源 | 「オン」にする |
シャープの案内では、「テレビ連動」はテレビの電源が入っているあいだだけアンテナに電源を送り、リモコンで電源を切るとアンテナ電源も切れる設定です。個人でアンテナを設置している家ではこちらを選び、共用アンテナにつないでいるときは「供給しない」を選ぶとされています。
「オート」で映ったり映らなかったりするとき
「オート」「入」「切」の3つがある機種では、BS・CSが映らないときに「オート」か「入」にするよう案内されています。「オート」でBSが受信できたりできなかったりする場合は、常に電源を送る「入」に変えると安定することがあります。
録画中や夜だけ映らないときは連動の設定を疑う
「テレビ連動」「オート」は、電源を送っている機器の電源を切るとアンテナへの電源も止まる設定です。レコーダーで録画しているのにBSが録れていない、家族がリビングのテレビを消すと別の部屋のBSが映らなくなる、といった症状はこれが原因のことがあります。時間帯によって映らなくなる症状と給電設定の関係は、BSアンテナが夜映らない原因と給電設定の変更手順で詳しく解説しています。
テレビやレコーダーが複数台ある家の電源供給
1本のBSアンテナにテレビやレコーダーを何台もつないでいる家では、「どの機器から電源を送るか」を決めておくことが大切です。シャープの取扱説明書でも、個人で設置したアンテナに複数の機器をつないでいると、電源を送るタイミングによって映像も音声も出なくなることがあり、その場合はアンテナ電源を「入」にするよう案内されています。
| 家の状況 | 設定の考え方 |
|---|---|
| BSアンテナにつながっているのがテレビ1台だけ | そのテレビから電源を送る(「テレビ連動」「オート」「入」など) |
| テレビとレコーダーを1本のケーブルでつないでいる | 録画中も電源が止まらないよう、常に電源が入っている機器から送る設定にする |
| 分配器で複数の部屋のテレビにつないでいる | 電源を送る機器を1台に決め、分配器の電流が通る端子につなぐ |
| ブースターの電源部からアンテナへ送っている | テレビ側は送らない設定でよいことが多い(ブースターの説明書で確認) |
| マンション・アパートの共用アンテナ | 建物側で送っているのが一般的なので「供給しない」「切」にする |
電源を送る機器を1台に決めておくと、BSが映らなくなったときに「どこから電気が来ているはずか」がすぐ分かり、原因の切り分けもしやすくなります。
分配器は電流を通す端子を確認する
複数の部屋にBSを分けている家では、分配器にも注意が必要です。分配器には、すべての端子から電気を通す「全端子電流通過型」と、決まった1つの端子からしか電気を通さないタイプがあります。後者の場合、電流が通らない端子につないだテレビから電源を送っても、アンテナまで電気が届きません。分配器の表示を見て、電源を送るテレビが電流の通る端子につながっているかを確認してください。
ブースターがある家の電源供給の注意点
電波を強めるブースターを付けている家では、アンテナとテレビのあいだにブースターが入るため、電源の流れ方が変わります。シャープの取扱説明書でも、テレビとアンテナのあいだにブースターなどの機器をつなぐ場合、アンテナ電源には専用の電源が必要だと案内されています。
屋外や屋根裏に置くタイプのブースターは、増幅する本体と、室内に置く電源部に分かれているものが多くあります。電源部をコンセントにつなぐとブースター本体に電気が送られ、BS・CS対応のブースターでは、そこからBSアンテナのコンバーターへも電気を送る仕組みになっているものがあります。この場合、テレビからも電源を送る必要はありません。
- 電源部のコンセントが抜けていないか、電源スイッチやランプが消えていないか
- 掃除や模様替えのときに電源部を別の端子につなぎ替えていないか
- 停電や落雷のあとからBSや地デジが映らなくなっていないか
ブースターの電源部が壊れていると、テレビの設定をいくら変えても電気はアンテナまで届きません。ブースターの位置や仕組みは家によって違うので、分からないときは業者に配線ごと確認してもらうのが確実です。
設定を直しても映らないときに考えられる原因
電源供給の設定を環境に合わせても映らない場合は、電気の通り道かアンテナ側の部品に原因があると考えられます。症状ごとの目安は次のとおりです。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| E209やアンテナ電源を確認するよう表示が出る | ケーブル先端や屋外配線のショート・コンバーターの内部ショート |
| 設定は合っているのにBS・CSだけ受信レベルが0 | コンバーターの故障・屋外ケーブルの断線・分配器の端子違い |
| 地デジもBS・CSも映らない | ブースターや電源部の故障・停電や落雷の影響 |
| 雨や雪の日だけ映らない | 接続部への浸水・アンテナの向きのずれ・強い雨による一時的な受信障害 |
室内でできる確認は、テレビの電源プラグを抜いてしばらく待ってから差し直すこと、BS・CSのケーブル先端で芯線のまわりの網線がはみ出していないか見ること、分配器やレコーダーを外して壁の端子からテレビへ直接つないでみることです。E209が出ている場合の詳しい手順はテレビのE209エラーの原因と直し方にまとめています。
ショートが起きているのにテレビから電源を送り続けると、保護機能が何度も働いたり、機器に負担がかかったりします。ショート表示が出る理由と見分け方はBSアンテナのショート表示が出る原因を参考にしてください。屋外のケーブルやコンバーターの点検は高所での作業になるため、屋根やベランダの手すりに登って自分で確認するのはやめましょう。
※工事後のチャンネル設定まで対応
電源供給まわりの修理を業者に頼んだときの費用相場
電源が届かない原因がアンテナ側や配線にある場合、作業内容によって費用が変わります。下の表は、複数のアンテナ工事関連の情報をもとにした一般的な目安です。屋根の形や設置場所の高さ、使う部材、業者によって金額は変わるため、必ず事前に見積もりで確認してください。
| 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 受信状況・配線の点検(電源が届かない箇所の特定) | 5,000円〜15,000円程度 |
| アンテナケーブルの交換・引き直し | 10,000円〜25,000円程度 |
| 分配器の交換(全端子電流通過型への交換など) | 5,000円〜20,000円程度 |
| ブースターの電源部のみの交換 | 8,000円〜18,000円程度 |
| ブースターの交換(BS・CS対応) | 15,000円〜30,000円程度 |
| BS・CSアンテナ本体の交換(コンバーター込み) | 15,000円〜35,000円程度 |
このほか、出張費や高所作業費が別にかかる業者もあります。見積もりのときは、表の金額に部材費が含まれているか、追加料金がかかる条件は何かを確認しておきましょう。BSアンテナはコンバーターだけを交換するより、アンテナ本体ごと交換するほうが一般的です。
落雷や台風のあとに壊れたときは火災保険も確認する
落雷・台風・強風・雪などの自然災害でコンバーターやブースター、電源部が壊れた場合は、加入している火災保険の補償対象になることがあります。ただし、経年劣化による故障は対象外です。補償されるかどうかや自己負担額は契約内容によって異なり、申請は契約者本人が保険会社に対して行います。必ず保険が使えるわけではないので、修理の前に故障した部分の写真を残し、契約内容を確認しておきましょう。
BSアンテナの電源供給に関するよくある質問
マンションに住んでいますが電源供給は必要ですか?
マンションやアパートの共用アンテナは、建物側の設備からアンテナへ電源を送っているのが一般的です。テレビの設定は「供給しない」「切」にして使うことが多く、シャープの案内でも共用アンテナに「テレビ連動」で接続するとアンテナ電源に関する表示が出ることがあるとされています。設定を直しても映らない場合は、共用設備の不具合の可能性があるので管理会社や大家さんに連絡しましょう。
電源供給器とは何ですか?
テレビやレコーダーの代わりに、BSアンテナやブースターへ電気を送るための専用の機器です。どの機器の電源を切ってもBSを映したい家や、テレビ側から電源を送れない構成の家で使われます。電源供給器やブースターの電源部は、メーカーごとに対応する機種が決まっていることがあるため、取り付ける前にアンテナやブースターの説明書で電源の仕様を確認してください。
電源供給を「入」のままにしておいても大丈夫ですか?
シャープの「オート」「入」「切」がある機種では、「オート」で受信が不安定なときに「入」を選ぶよう案内されています。一方で、共用アンテナの建物では「切」にするのが基本です。機種によっては「入」の選択肢がないものもあるため、設定に迷うときはお使いのテレビの取扱説明書の「アンテナ電源」の項目を確認してください。
まとめ
BSアンテナの電源供給は、コンバーターを動かすためにテレビやレコーダー、ブースターの電源部からケーブルを通して電気を送る仕組みです。
- 戸建てで自分のアンテナを使っているなら、テレビの「アンテナ電源」を「テレビ連動」「オート」「入」などにする
- マンションなどの共用アンテナなら「供給しない」「切」にする
- テレビやレコーダーが複数あるときは、電源を送る機器を1台に決め、分配器の電流が通る端子につなぐ
- ブースターがある家は、電源部のコンセントやランプも確認する
- 設定を直しても映らない、E209が出るといった場合は、コンバーターや配線、ブースターの点検を依頼する
電源が届かない原因が屋外にある場合は、高所作業や測定器での確認が必要です。自分で屋根に登らず、アンテナ工事の業者に点検と見積もりを依頼しましょう。
※見積もりだけでもOK








