「最近テレビにブロックノイズが出る」「雨の日になると映りが悪くなる」「家の外を通っているケーブルがボロボロになっている」と気になっていませんか。アンテナ本体は問題なさそうなのに映りが悪いときは、アンテナとテレビをつなぐケーブルが劣化していることがあります。
結論から言うと、アンテナケーブルは屋外に出ている部分ほど早く劣化し、交換の目安はおおむね5〜10年程度です。劣化すると電波が弱まり、ブロックノイズやE202エラー、一部の部屋だけ映らないといった症状につながります。テレビまわりのケーブルは自分で交換できますが、屋外や壁の中の配線は業者に任せるのが安全です。
この記事では、アンテナケーブルが劣化したときに出る症状、劣化のサインと確認方法、自分で交換できる範囲と業者に頼む範囲、交換にかかる費用の相場をまとめています。
※見積もりだけでもOK
アンテナケーブルが劣化するとどうなる?
アンテナケーブル(同軸ケーブル)は、アンテナで受けた電波をテレビまで運ぶ通り道です。中心の銅線のまわりを絶縁体と金属のシールドが包み、いちばん外側をビニールの被覆が覆っています。この構造のどこかが傷んだり、水が入ってさびたりすると、電波が途中で弱まったり外からのノイズを拾ったりして、次のような症状が出ます。
ブロックノイズが出る・映像が止まる
電波が弱くなると、画面の一部がモザイクのように四角く崩れる「ブロックノイズ」や、映像・音声が一瞬止まる症状が出やすくなります。最初は特定のチャンネルだけ、ときどきだけ、という形で現れることが多いのが特徴です。
E202などのエラーが表示される
電波の弱まりがひどくなると、テレビに「E202」などの、放送を受信できないことを示すエラーが表示されます。E202は、テレビに届く電波が弱い、または受信できていないときに出るエラーで、原因はアンテナ・ブースター・分配器・ケーブルのどこにでもあり得ます。ケーブルの劣化はその原因の1つです。
雨の日・湿気の多い日だけ映りが悪くなる
屋外のケーブルの被覆にひびが入っていたり、ケーブルの先の金具(接栓)の防水が切れていたりすると、雨の日に水が入り込んで電波が弱まります。晴れると元に戻ることもあるため気づきにくいですが、放っておくと内部のさびが進み、晴れの日でも映らなくなっていきます。雨の日だけエラーが出る場合の確認方法は、雨の日だけE202が表示される原因は?アンテナ点検と浸水の対処法で詳しく解説しています。
一部の部屋だけ映らない
家の中でケーブルが分配器から各部屋に分かれている場合、劣化したケーブルがつながっている部屋だけ映りが悪くなります。「リビングは映るのに2階の寝室だけ映らない」といったときは、その部屋までのケーブルや壁の端子、分配器が疑わしい部分です。
どの症状も、ケーブル以外にアンテナの向きのずれやブースターの故障でも起こります。自分で原因を絞り込めないときや、すぐに直したいときは、点検から任せられる業者に相談するのが近道です。
※工事後のチャンネル設定まで対応
アンテナケーブルの寿命と劣化しやすい場所
アンテナケーブルの寿命ははっきり決まっているわけではなく、設置されている場所や環境で大きく変わります。アンテナ工事業者などの情報では、屋外のケーブルはおおむね5〜10年程度を交換の目安としているものが多く見られます。一方、雨や日光が当たらない室内や壁の中のケーブルは、これより長く使えることが一般的です。
| 場所 | 劣化しやすさ | 主な劣化の原因 |
|---|---|---|
| 屋根の上・アンテナまわり | 非常に劣化しやすい | 紫外線、雨風、雪、寒暖差。強風でケーブルが揺れて擦れることも |
| 外壁を伝う部分・引き込み口 | 劣化しやすい | 紫外線による被覆の硬化・ひび割れ、固定具の外れ、引き込み口からの浸水 |
| 屋根裏 | やや劣化しやすい | 夏の高温、ネズミなどによるかじり |
| 壁の中 | 劣化しにくい | 傷みにくい反面、古い種類のケーブルのまま残っていることが多い |
| テレビと壁の端子をつなぐケーブル | 劣化しにくいが傷みやすい | 家具の下敷き、強い折り曲げ、抜き差しの繰り返し |
特に注意したいのが、屋外にある接栓(ケーブルの先の金具)と、機器との接続部分です。防水テープが劣化してはがれると、そこから水が入り、ケーブル内部の編み線や銅線がさびて電波が弱まります。外から見て被覆がきれいでも、接続部の中だけ腐食していることもあります。
また、アナログ放送の時代に配線した家では、劣化とは別に、ケーブルの種類そのものが古いこともあります。ケーブルの種類や古いタイプの見分け方は、アンテナケーブルの種類と古いタイプの見分け方!4K対応と交換費用を参考にしてください。
アンテナケーブルの劣化のサインと確認方法
ケーブルが劣化しているかどうかは、見える範囲であれば自分でもある程度確認できます。ただし、屋根の上やはしごが必要な場所は、確認のためでも上らないでください。地上や室内から見える範囲だけで十分です。
屋外のケーブルを地上から見る
外壁を伝っているケーブルを、地上から見える範囲で確認します。次のような状態があれば、劣化が進んでいるサインです。
- 被覆が白っぽく色あせている、表面に細かいひびが入っている
- 被覆が割れて、中の金属の編み線やアルミはくが見えている
- ケーブルを留めている固定具が外れて、ケーブルが垂れ下がったり風で揺れたりしている
- 引き込み口(ケーブルが家の中に入る穴)のまわりのすき間埋めが傷んでいる
室内のケーブルと端子を見る
テレビの裏や壁の端子まわりのケーブルも確認しましょう。
- 家具の下敷きになって、つぶれたり強く折れ曲がったりしていないか
- プラグ(差し込み口)の金具がさびて緑や茶色に変色していないか
- プラグがゆるく、触ると映りが変わることはないか
- ケーブルの根元の被覆が裂けていないか
症状の出方で切り分ける
見た目に異常がなくても、症状の出方からある程度場所を絞り込めます。
| 症状の出方 | 疑わしい場所 |
|---|---|
| 家中のテレビすべてで映りが悪い | アンテナ、アンテナから分配器までのケーブル、ブースター |
| 特定の部屋だけ映りが悪い | その部屋までのケーブル、壁の端子、分配器、テレビまわりのケーブル |
| 雨の日・湿気の多い日だけ悪くなる | 屋外のケーブルや接栓への浸水 |
| ケーブルやプラグに触ると映りが変わる | テレビまわりのケーブル、プラグ、壁の端子 |
テレビに出るブロックノイズは、ケーブル以外の原因でも起こります。症状別の原因の見分け方は、地デジのブロックノイズの原因と対処法!時々・急に出る時の確認と修理費用も参考にしてください。
室内のケーブルは自分で交換できる・屋外は業者へ
劣化したケーブルの交換は、場所によって自分でできる範囲と業者に任せたほうがよい範囲が分かれます。
自分で交換できるのはテレビまわりのケーブル
テレビと壁の端子をつなぐケーブルは、家電量販店やホームセンターで売っている接続ケーブルに差し替えるだけで交換できます。手順は次のとおりです。
- テレビの電源を切り、電源プラグをコンセントから抜く
- テレビと壁の端子をつないでいるケーブルを、新しいケーブルに差し替える
- プラグがネジ式なら、しっかり締めて固定する
- 電源を入れ直し、映りが改善したかを確認する
新しく買うときは、「4K8K対応」「3224MHz対応」と表示されたものを選んでおくと、BS・CSや4K放送にも対応できます。ケーブルの長さは必要な分だけにとどめ、余った分を強く丸めて束ねたり家具の下敷きにしたりしないようにしましょう。
新しいケーブルを買う前に、別の部屋で問題なく映っているテレビのケーブルと入れ替えてみるのも、ケーブルが原因かを確かめる方法の1つです。
屋外・壁の中・屋根裏のケーブルは業者に任せる
次の場所のケーブル交換は、自分で行わずに業者に依頼しましょう。
屋根の上・アンテナまわり
高所作業で転落の危険が大きい。アンテナの向きがずれると映らなくなることもある
外壁を伝う部分
はしごでの作業になり危険。接栓の加工や防水処理が不十分だと、すぐにまた浸水する
壁の中
古いケーブルを引き抜いて新しいケーブルを通すには専用の道具と経験が必要
屋根裏
足場が悪く、天井を踏み抜くおそれがある。分配器やブースターの点検も同時に必要になることが多い
特に屋外のケーブルは、ケーブルを替えるだけでなく、接栓の取り付けと防水処理をきちんと行わないと長持ちしません。業者に頼む場合は、アンテナ本体やブースターの状態もあわせて点検してもらうと、原因の見落としを防げます。
アンテナケーブルの交換費用の相場
ケーブル交換の費用は、交換する場所と長さ、壁の中を通すかどうかで変わります。下の表は、アンテナ工事業者や配線工事を扱う事業者が公開している料金をもとにした一般的な目安です。
| 工事の内容 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| テレビ接続ケーブルの買い替え(自分で交換) | 1,000〜3,000円程度 | 4K8K対応の市販品の部品代 |
| 屋外ケーブルの交換(業者) | 1mあたり1,000〜2,500円程度 | 別途、基本料金や出張費がかかることが多い |
| 屋外・屋内の配線の引き直し(1系統) | 10,000〜30,000円程度 | 長さやルート、穴あけの有無で変わる |
| 壁のアンテナ端子の交換(1か所) | 5,000〜10,000円程度 | 4K8K対応の端子への交換 |
| 分配器の交換 | 5,000〜20,000円程度 | 屋根裏など設置場所や分配数で変わる |
表の金額は、税込・税抜の違いや、基本料金・出張費の扱いが業者によって異なります。ケーブルの劣化をきっかけに点検したところ、ブースターやアンテナ本体の交換も必要と分かることもあるため、見積もりでは「どこを交換して、合計でいくらになるのか」を確認してから依頼しましょう。複数の業者から見積もりを取って比べると、費用の相場感もつかみやすくなります。
アンテナケーブルの劣化を防ぐために
ケーブルの劣化を完全に止めることはできませんが、次の点に気をつけると長持ちさせやすくなります。
| 室内のケーブルを踏んだり挟んだりしない | 家具の下敷きや、ドア・窓に挟まれた状態は内部の断線の原因になる |
|---|---|
| 無理に折り曲げない | 急な角度で曲げると、内部の絶縁体がつぶれて電波が弱まる |
| 台風や大雪のあとに外から見ておく | 固定具が外れてケーブルが揺れていないか、地上から確認する |
| アンテナ工事のときにケーブルも見てもらう | アンテナ交換やブースター交換の際に、あわせて点検・交換すると出張が1回で済む |
なお、台風などの自然災害でアンテナやケーブルが壊れた場合は、火災保険の補償の対象になることがあります。ただし、経年劣化による傷みは対象外です。対象になるかどうかは契約内容によって異なり、申請は契約者本人が保険会社に行います。
アンテナを交換してから10年以上たっている家や、屋外のケーブルに色あせ・ひびが見える家は、映りに問題が出る前に一度点検しておくと安心です。
まとめ
アンテナケーブルの劣化についてのポイントをまとめます。
- ケーブルが劣化すると、ブロックノイズ、E202などのエラー、雨の日だけ映りが悪い、一部の部屋だけ映らないといった症状が出る
- 屋外のケーブルは紫外線や雨風で劣化しやすく、交換の目安はおおむね5〜10年程度。室内や壁の中はより長持ちしやすい
- 被覆の色あせ・ひび割れ、接栓のさび、固定具の外れは劣化のサイン。確認は地上や室内から見える範囲だけにする
- テレビまわりのケーブルは市販品で自分で交換できる。屋外・壁の中・屋根裏は業者に任せる
- 業者に頼む場合は、アンテナやブースターもあわせて点検してもらい、合計金額を見積もりで確認する
テレビまわりのケーブルを替えても映りが良くならない場合は、屋外や壁の中のケーブル、またはアンテナ・ブースターに原因がある可能性があります。早めに点検を依頼して、どこが傷んでいるのかを確認してもらいましょう。
※見積もりだけでもOK








