地デジ導入済みの住宅にBSアンテナを追加する場合、本体設置だけでなく混合器や専用ブースターの導入など設備に応じた追加工事が必要です。自力作業は高所からの落下事故や配線ミスによる電波不良の恐れがあるため、安全かつ確実に視聴環境を整えるなら実績豊富なプロへ依頼しましょう。
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地デジがある住宅にBSアンテナを追加する工事の基礎知識
すでに地上デジタル放送(地デジ)を視聴している戸建て住宅へ新しくBS・110度CSアンテナを追加する場合、単にアンテナ本体をベランダや屋根に固定するだけではテレビで番組を視聴できないケースがほとんどです。家庭内のテレビ配線システム全体を見直し、BS放送の電波を各部屋まで届けるための環境構築が必要になります。
BSアンテナ単体設置と追加工事の違い
BSアンテナの単体設置とは、アンテナ本体を金具で固定し、そこから出た同軸ケーブルをエアコンダクトなどを通して直接1台のテレビへ繋ぐ工事を指します。この方法であれば配線機器を追加する必要がほとんどないため、作業は比較的シンプルです。
一方で、一般的に行われる追加工事とは、既存の地デジアンテナの配線ルートを活用し、リビングや寝室など家じゅうのアンテナ端子へBS電波を送り届ける工事を意味します。外壁に引き込まれている地デジのケーブルにBSの電波を合流させるため、電波を混ぜ合わせる機器や電波を増幅する機器の交換・追加といった専門的な施工が伴います。
混合器やブースターの交換が必要になる理由
地デジとBSは使用している電波の周波数帯が大きく異なります。地デジ専用として作られた既存の配線設備にそのままBSの電波を流そうとしても、機器が対応していなければ電波が遮断されてしまいます。
屋外で地デジとBSの電波を1本の同軸ケーブルにまとめる役割を持つのが混合器です。また、電波はケーブルを長く通ったり複数の部屋へ分かれたりする過程で徐々に弱くなるため、電波を強めるブースター(増幅器)が欠かせません。もともと地デジ専用ブースターが設置されている住宅では、BSの周波数帯にも対応した地デジ・BS/CS混合ブースターへの交換作業が必要となります。
BSアンテナを単体で新設する場合の相場はBSアンテナ工事費の相場で詳しく解説しています。
BSアンテナ追加工事の費用相場と内訳
BSアンテナを追加する際の総費用は、アンテナ本体の取り付け位置や、既存の配線設備の状況によって大きく変わります。大まかな目安としては、アンテナ本体の設置に各種機器の追加工事を含めて約25,000円から50,000円前後の範囲に収まるケースが一般的です。具体的な内訳と金額相場を詳しく見ていきましょう。
設置場所ごとの基本工事費用
BSアンテナ本体を取り付ける基本工事の費用相場は、およそ11,000円から26,400円程度です。この金額にはアンテナ本体代金、標準的な取付金具代、作業工賃が含まれます。
作業員の足場が安定しているベランダの格子手すりへの取り付けは最も費用を抑えやすく、11,000円から16,500円前後が目安です。一方、外壁面へのビス留め設置や、既存の地デジ用屋根馬(屋根の上にアンテナを自立させる台座)への共締め設置、破風板への固定などは高所作業となるため、16,500円から26,400円程度とやや高額になります。
配線機器やブースター追加にかかる費用
既存の地デジ配線とBS配線を統合するために必須となる機器の追加費用は、約12,000円から20,000円前後です。
電波をまとめる混合器の単体設置であれば12,000円前後で済むこともありますが、電波の減衰を防ぐためにBS対応の混合ブースターを新設または交換する場合、機器代と調整工賃を合わせて16,000円から20,000円以上かかるのが標準的です。また、テレビ側で地デジとBSの電波を再び分ける分波器が部屋数分必要になる場合もあります(1個あたり約2,000円から3,000円)。
複数部屋で視聴する場合の分配工事費用
リビングだけでなく寝室や子供部屋など複数の部屋でBS放送を見たい場合、分配器の交換や配線引き直し工事が必要になることがあります。この分配工事の費用相場は約12,100円からです。
屋根裏やマルチメディアボックス内に設置されている分配器が古い場合、BS電波(特に4K8K放送の高周波数帯)を通すことができません。既存の分配器をBS・CS全端子通電型の高性能な分配器へ交換する作業や、端子までのケーブル交換などが発生すると、部屋数に応じて追加費用が加算されます。
工事費用を抑えるポイントと見積もりの見方
費用をできる限り適正に抑えるためには、業者から提示された見積書の内訳をしっかり確認することが大切です。本体代金・基本工賃・ブースター交換代・高所作業費などが項目ごとに細かく記載されているかを確認しましょう。
また、BSを見る部屋が1箇所だけでよい場合は、家全体の配線を改修せず、アンテナからその部屋へ直接ケーブルを引き込む配線方法を選ぶことで、混合器やブースターの交換費用を丸ごと抑えることも可能です。
| 工事項目・使用機器 | 費用相場(税込) | 工事内容の概要 |
|---|---|---|
| BS/CSアンテナ基本設置 | 11,000円〜26,400円 | 本体、標準取付金具、ベランダまたは壁面・屋根上への設置作業 |
| 混合器またはBS対応ブースター設置 | 12,000円〜20,000円前後 | 地デジとBSの電波を合流させ、必要な強さまで信号を増幅する作業 |
| 分配器交換・系統分配工事 | 12,100円〜 | 複数部屋へ電波を届けるための分配設備改修・接続作業 |
| 高所作業費・特殊作業費 | 5,500円〜16,500円程度 | 3連梯子の使用、屋根の急勾配、高所作業車が必要な特殊環境への対応 |
軒下に取り付ける場合の条件や金具選びはBSアンテナの軒下設置の条件と金具の選び方、外観を優先したい場合はBSアンテナを外から見えないように設置する方法をご覧ください。
BSアンテナの設置場所と工事内容の判断基準
BSアンテナは、南西方向(午後2時前後に太陽が見える方角)に向けて遮るものがない位置に設置する必要があります。住宅の向きや周辺の建物、樹木の状況によって最適な取り付け位置が分かれます。
ベランダ格子や壁面に取り付けるケース
ベランダが南西方向を向いている場合、ベランダの手すり格子や腰壁の内外への取り付けが第一候補となります。手すりを挟み込む専用金具を使用できれば外壁に穴を開ける必要がなく、外観への影響も最小限で済みます。
ベランダがない、またはベランダの方角が合わない場合は、外壁の高い位置にサイドベースと呼ばれる金具をビス留めして設置します。この際、外壁材への防水コーキング処理を丁寧に行い、雨水の侵入を防ぐ技術が求められます。
屋根上への設置や高所作業が必要なケース
南西方向に隣家が近接している住宅や、周辺に高い建物・木々がある住宅では、十分な電波を受信するために屋根の上までアンテナを持ち上げる必要があります。
屋根上への設置では、既存の地デジアンテナ用支柱へ共締めするか、新たに屋根馬とステーワイヤー(支え線)を張って固定します。屋根の上は風雨の影響を最も受けやすいため、強風でもアンテナの角度がミリ単位でずれないよう、頑丈な固定技術が必要です。屋根の勾配が急な住宅や3階建て以上の高所では、安全確保のための特殊作業費が加算されることがあります。
部屋数や既存設備の対応状況による工事の違い
工事内容の判断は、設置場所だけでなく建物内部の配線状況にも左右されます。判断の基準となるポイントは以下の3点です。
- 1部屋のみでの視聴:アンテナから直接その部屋へ配線を引き込む直配線方式が採用でき、混合器やブースターの追加が不要なため工事費用を最小限に抑えられます。
- 家じゅうの複数部屋での視聴:既存の引き込み口に接続するため、混合器やBS対応ブースターの導入、屋根裏などに設置されている分配器の交換工事が必須となります。
- 4K8K放送の視聴希望:従来の2K放送だけでなく4K8K放送も楽しみたい場合、アンテナ本体だけでなくブースター、分配器、壁面端子、同軸ケーブルに至るまで全て4K8K対応規格(3224MHz対応)に揃える必要があります。
分配数が増えると電波不足が起こりやすくなります。増幅器の選び方はBSアンテナの増幅器(ブースター)の選び方、2階への分配はBSアンテナを2階に分ける工事費用と配線方法で解説しています。
BSアンテナ追加工事をDIYで行うリスクとプロに頼むメリット
ホームセンターやネット通販でBSアンテナ本体が手軽に購入できることから、自力での設置に挑戦しようと考える方も少なくありません。しかし、BSアンテナの追加工事には一般的な日曜大工の範囲を超える難しさと危険が伴います。
DIY設置で起こりやすいトラブルと危険性
BSアンテナのDIYで最も頻発するのが、電波がまったく受信できないという受信不良トラブルです。BSアンテナの角度調整は地デジアンテナよりもはるかにシビアで、仰角(上下)や方位角(左右)が1度から2度ずれただけでも電波を受信できなくなります。
また、電波測定器(チェッカー)を持たずに勘に頼って作業を行うと、天気の良い日は映っても雨や曇りの日に画面が真っ暗になる雨衰落(うすいらく)と呼ばれる障害が起きやすくなります。さらに、2階のベランダや屋根の上での作業中にバランスを崩して転落する重大事故のリスクや、壁面固定時の防水処理不足による雨漏り、固定不良による強風時のアンテナ落下など、住宅や近隣へ深刻な損害を与えるリスクも無視できません。
プロのアンテナ工事会社に依頼すべき理由
プロのアンテナ工事専門会社は、業務用レベルの高性能電波測定器を使い、ミリ単位でアンテナの向きを調整して最大利得の受信環境を作り出します。悪天候時でも安定して視聴できるよう受信レベルに余裕を持たせた施工を行うため、設置後のトラブルが極めて少なくなります。
また、既存の配線状況を瞬時に見極め、壁内配線の構造やブースターの要否を正確に判断して最適な工事プランを提案してくれます。高所での安全対策を万全にして作業を進めるほか、万が一の落下や漏水に対する施工保証・対物補償を設けている業者が多いため、長期的な安心感が得られます。
DIY施工と専門業者施工の比較表
自力施工と専門業者による施工の違いを整理しました。安全性、仕上がりの確実性、トータルの費用対効果を冷静に見比べることが重要です。
| 比較項目 | DIY(自力施工) | 専門業者への依頼 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 部材代のみで安く抑えられる | 工事費を含めた総額が必要 |
| 作業の安全性 | 高所からの転落事故や怪我のリスク大 | 安全帯や専用足場を使用し安全に施工 |
| 受信の安定性 | 角度調整が難しく悪天候時に映らない恐れ | 専用チェッカーで電波を数値化し安定受信 |
| 配線の仕上がり | 露出配線や配線ミスが起きやすい | 外観を損ねず建物内へ美しく隠蔽配線 |
| アフター保証 | 故障や不具合はすべて自己責任 | 5〜10年程度の長期工事保証が付帯 |
| 工事にかかる時間 | 調査や作業、買い直しで丸一日〜数日 | 通常1〜2時間程度でスピーディーに完了 |
自分で取り付ける場合の手順はBSアンテナ取り付けをDIYで行う手順、設置費用の相場はBSアンテナの設置費用はいくらですか?相場と追加工事の注意点も参考にしてください。
BSアンテナ追加工事に関するよくある質問
BSアンテナの追加工事を検討中の方から寄せられる、代表的な質問と回答をまとめました。
今ある地デジアンテナにBSアンテナを後付けできますか?
はい、後付け可能です。屋根の上に立っている地デジアンテナの支柱(マスト)に十分な強度とスペースがあれば、同じ支柱にBSアンテナを共締めして設置できます。ただし、アンテナ支柱の経年劣化や屋根馬のサビが進行している場合は、強風時に倒壊する危険があるため、支柱自体の補強やベランダ・外壁への個別設置が提案されることもあります。
1部屋だけでBSが見られればよい場合の工事はどうなりますか?
1部屋のみで視聴する場合は、ベランダや壁面に設置したBSアンテナから直接その部屋へ同軸ケーブルを引き込む直配線工事が可能です。窓の隙間を通す薄型ケーブルやエアコンダクトを利用して室内へ配線するため、家全体の混合器やブースターを交換する必要がありません。追加部材が少なく済むため、最も費用を安く抑えられる施工方法です。
雨や台風の日にBSが映らなくなるのはなぜですか?
BS放送で使用される電波は雨粒によって散乱・吸収されやすい性質(雨衰落)を持っています。豪雨の際に一時的に映像が乱れるのは電波の物理的特性ですが、小雨や普通の雨でも頻繁に画面がブロックノイズだらけになる場合は、アンテナの向きが最適値から少しずれているか、アンテナ自体の受信感度不足、あるいは配線接続部の劣化による電波損失が疑われます。
追加工事の見積もりは現地調査が必要ですか?
正確な工事費用を確定するためには、現地調査が必須です。建物の立地や周辺環境による電波の強さ、ベランダの手すり形状、既存のブースターや分配器の型番・周波数対応状況などは、実際に目視して測定器を当ててみなければ把握できません。現地調査と見積もりを無料で行っている信頼できるアンテナ工事会社を選び、現場の状況をしっかり確認してもらった上で依頼を決めましょう。
